主な空港には、航空機の安全運航や定時性確保のため、空港周辺の風を捉える空港気象ドップラーレーダー(DRAW:Doppler Radar for Airport Weather、以下DRAW)や空港気象ドップラーライダー(LIDAR:Light Detection And Ranging、以下LIDAR)が設置されています。これらは空港に設置している観測装置ですが、気象庁には、日本各地に設置して上空の風の流れを捉えるウィンドプロファイラ(以下WPR)という観測装置もありますので、ご紹介したいと思います。なお、WPRは、「ウィンド(風)のプロファイル(横顔・輪郭・側面図)を描くもの」という意味の英語の合成語です。
このことから、大気の状態を測定するため、東京国際空港では1997年(平成9年)に、空港気象ドップラーレーダー(Doppler Radar for Airport Weather:DRAW)の運用を開始しました。この装置は、電波を用いて空中を探査し、風に流される降水粒子からの反射電波のドップラー効果により粒子の速度を観測し、上空の風の動きを調べ「低層ウィンドシアー」の情報を得ることができます。
しかし、ドップラーレーダーでは降水粒子が無い状態では風の動きを捉えることができないという問題から、大気中の浮遊粒子(エーロゾル)により、風の動きを調べることができる赤外線レーザーを用いた空港気象ドップラーライダー(Light Detection And Ranging:LIDAR)を新たに導入し2007年(平成19年)4月から運用を開始しました。