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キーワード:台風、大雨、Pressure Dip
概要
2023年9月8日に東京国際空港(以下、羽田空港)では、Pressure Dip(以下、PD)と呼ばれる、台風周辺で見られることがある急激な気圧の下降・上昇とこれに伴う強風を観測し、活発な対流雲の通過により大雨となりました。強風の影響で、34便(到着17便、出発17便)の欠航、449便の遅延、1便のダイバート及び2便のリターンが発生しています(ただし、羽田空港悪天以外の理由も含んでいます)。また、大雨の影響によりN地区のスポット991~994が35cm冠水し、N誘導路が一時閉鎖しました。気象台では羽田空港に対し飛行場大雨警報と飛行場強風警報を発表しています。本稿ではこの現象について紹介します。
キーワード:台風、大雨
台風第15号が9月8日に、台風第19号が10月12日に、いずれも強い勢力で関東を通過し、これらの台風によって、東日本を中心に暴風被害や豪雨による土砂災害、河川の氾濫等により大きな被害が発生し、今も懸命な復旧作業が続いています。これらの台風は、羽田空港付近を通過し、羽田空港でも記録的な暴風を観測するとともに、航空機の運航等へも非常に大きな影響を及ぼしました。今回は、これらの台風の概要について紹介します。
東から西、西から南へと進む異例のコースを通った台風第12号の接近により、羽田空港では、欠航293便、ダイバート6便と、航空交通流に大きな影響が出ました。
今回は台風第12号が西進した理由、羽田空港で欠航便多発の気象的背景、台風説明会で気象台が提示した量的予想について解説します。
今夏シーズンの台風第1号の発生は7月3日で、統計を取り始めた1951年からの記録では、歴代第2位の遅さとなったことは本巻第63号でお伝えしたとおりです。
その後、2016年8月20日頃には、台風第9号、第10号と第11号と連続して日本付近を通過する台風が発生していました。
特に、台風第9号の接近により、羽田空港では、欠航445便、ダイバ-ト2便、遅延496便など、成田空港では、欠航176便、ダイバ-ト22便、更に一時滑走路閉鎖となるなど、航空交通流に大きな影響が出ました。
今回は、この3つの台風の進路と台風第9号が関東通過した際の気象状況について解説します。
キーワード:台風、エルニーニョ現象、台風進路予報
2016年の台風第1号は7月3日に発生しました。例年5月までにはほぼ台風第1号が発生しています。統計を取り始めた1951年から、台風第1号の発生が最も遅かった年は1998年7月9日で、2016年の7月3日に発生した台風第1号は2番目に遅い記録になります。遅くなった原因は、インド洋の海面水温が平年より高いことが影響していると考えられています。インド洋の海面水温が高いと、インド洋で対流が活発となり気圧の低い領域が赤道に沿った波となって東に広がって行きます。このため低気圧場に向かって吹く北東風偏差が発生し、西部太平洋域で下降流が強まります。つまり高気圧が形成され対流活動が抑制されるようになったためと考えられます。
キーワード:予報、台風
熱帯の海上で発生する低気圧を熱帯低気圧といい、そのうち北西太平洋周辺に存在し、最大風速が34kt以上のものを台風とよびます。台風は高水温の海面から熱と水蒸気を補給することで発達します。台風の勢力は、目安として中心付近の最大風速や強風域の半径により階級分けされています。台風は巨大な空気の渦巻きで、中心に向かって反時計回りに強い風が吹き込み、台風を移動させる空気の流れと一致するため、進行方向左半円より右半円では風が強くなります。なお、個々の台風ではその時の台風や周辺の気圧配置の状況などによって風の強い領域は大きく異なりますので注意が必要です。
また、台風は暖かく湿った空気を持ち込むため、接近時はもちろん、日本付近に前線が停滞しているとその湿った空気が前線の活動を活発化させ、大雨となることがあります。
キーワード:台風
2011年7月20日から21日にかけて、羽田空港では台風第6号の接近により北東風が強まり、20日夜にはゴーアラウンド(着陸復行)する航空機が相つぎ、ホールディング(空中待機)や羽田に向かう便の出発停止の措置が取られるなど、航空交通流に大きな影響が出ました。今回は、当日の気象状況について解説します。
台風第14号は、フィリピンの東で10月25日に発生した後、南西諸島の東を北東進して、東海沖から10月30日には三宅島と八丈島の間を通過し、その後関東の東で温帯低気圧に変わりました。
この台風の影響で、停滞していた前線の活動も活発となり、関東地方では、30日にまとまった雨となり、北よりの風が次第に強まりました。