平成27年 No.38 週間火山概況 (9月11日~9月17日)

【火山現象に関する警報等の発表状況】

11日に箱根山に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。14日に阿蘇山に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げました。その他の火山については、噴火に関する予報警報事項(警戒が必要な事項)に変更はありません。

表1 9月17日現在の火山現象に関する警報等の発表状況

特別警報・警報・予報 噴火警戒レベル及びキーワード 該当火山
噴火警報 レベル5(避難) 口永良部島※
火口周辺警報 レベル3(入山規制) 阿蘇山、桜島
入山危険 西之島※
レベル2(火口周辺規制) 雌阿寒岳、吾妻山、草津白根山、浅間山、御嶽山、箱根山、霧島山(新燃岳)、諏訪之瀬島
火口周辺危険 硫黄島※
噴火警報(周辺海域) 周辺海域警戒 福徳岡ノ場※
噴火予報 レベル1(活火山であることに留意) 十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、安達太良山、磐梯山、那須岳、新潟焼山、焼岳、白山、富士山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、九重山、雲仙岳、霧島山(御鉢)、薩摩硫黄島
活火山であることに留意 上記以外の活火山
※印のついた火山は火山現象に関する海上警報も発表中。

図1 噴火警報発表中の火山

図1 噴火警報及び火山現象に関する海上警報を発表中の火山(9月17日現在)




【警報発表中の火山の活動状況及び警報事項】


雌阿寒岳 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 火山活動は活発な状態で経過しています。
 ポンマチネシリ火口付近の浅いところを震源とする、身体には感じない程度の微小な火山性地震は8月以降徐々に減少していますが、2015年4月中旬以前の活動と比べて依然としてやや多い状態で推移しています(図2)。
 全磁力連続観測では、ポンマチネシリ96-1火口近傍の地下における熱活動の活発化の可能性を示す全磁力の変化が継続しています。
 ポンマチネシリ火口から約500mの範囲では、ごく小さな噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では火山灰や小さな噴石1)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
 雌阿寒岳 火山性地震の発生状況(日回数及び積算回数 2015年1月1日~9月17日)  

図2 雌阿寒岳 火山性地震の発生状況(日回数及び積算回数 2015年1月1日~9月17日)


吾妻山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 大穴火口付近直下が震源とみられる火山性地震は46回発生しました(前期間14回:図3)。13日に26回と一時的に増加しましたが、その後は少ない状態で経過しました。火山性微動は観測されていません。
 浄土平の傾斜計2)では、2014年4月以降緩やかな西側(火口方向側)上がりの変動が継続していましたが、2015年7月頃から停滞しています。GNSS3)連続観測では、2014年9月頃から一切経山(いっさいきょうざん)の膨張を示す緩やかな変化がみられていましたが、2015年6月頃から停滞しています。
 大穴火口からの噴気はやや活発な状態が続いています。今期間、2015年1月以降に確認された、一切経山南山腹の大穴火口外の噴気は観測されませんでした。
 大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石1)、火山ガスに注意してください。
 吾妻山 火山性地震の発生状況(2014年4月1日~2015年9月17日)  

図3 吾妻山 火山性地震の発生状況(2014年4月1日~2015年9月17日)


草津白根山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 2014年3月上旬から湯釜付近及びその南側を震源とする火山性地震が増加しました。2014年8月20日以降はやや少ない状態で経過していますが、2015年1月以降一時的な火山性地震の増加もみられています。
 GNSS3)観測によると、湯釜を挟む基線で2014年4月頃からわずかな伸びの変化がみられていましたが、2015年4月頃より鈍化しています。また、湯釜周辺に東京工業大学が設置した傾斜計2)によると、2014年3月から湯釜付近浅部での膨張を示す変動が継続しています。全磁力観測によると、2014年5月以降の湯釜近傍地下の温度上昇を示す変化は、2014年7月以降停滞しています。
 湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東側にあたる斜面で熱活動の活発な状態が継続しています。また、北側噴気地帯のガス組成及び湯釜湖水の化学成分の活動活発化を示す変化が継続しています。
 今後、小規模な噴火が発生する可能性があることから、湯釜火口から概ね1㎞の範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、ところどころで火山ガスの噴出が見られ、周辺のくぼ地や谷地形などでは滞留した火山ガスが高濃度になることがありますので、注意してください。


浅間山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 6月19日の噴火以降、噴火は観測されていませんが、火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 山頂火口で、夜間に高感度カメラで確認できる程度の微弱な火映4)を時々観測しています。火口からの噴煙は白色で、火口縁上500m以下で経過しています。噴煙量は6月以降、増加傾向がみられます。
 4月下旬頃から増加している山頂直下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震は、やや多い状態で経過しています(図4)。振幅の大きい火山性地震が8月下旬頃から時々発生しています。
 国土地理院のGNSS3)連続観測によると、6月頃から浅間山を挟む基線で小さな伸びがみられます。傾斜計2)による地殻変動観測では、6月上旬頃から山頂西側のやや深いところを膨張源とする緩やかな変化がみられており、7月下旬頃からは鈍化しながらも継続しています。光波測距観測5)では、6月頃から山頂と追分の間で縮みの傾向がみられており、山頂部のごく浅いところの膨張によるものである可能性があります。
 山頂火口から概ね2kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒が必要です。登山者等は地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石1)に注意してください。
 浅間山 火山性地震の日別回数(2015年4月1日~9月17日)  

図4 浅間山 火山性地震の日別回数(2015年4月1日~9月17日)


御嶽山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 山頂火口からの噴煙は、白色で火口縁上50~300mで経過しています。
 火山性地震は、少ない状態で経過していますが、2014年8月以前の状態には戻っていません。
 御嶽山では、火山活動は低下した状態が継続しており、2014年10月中旬以降、噴火は観測されていません。地殻変動観測では火山活動の高まりを示す変化は観測されていません。
 一方、弱いながらも噴煙活動や地震活動が続いていることから、2014年9月27日よりも規模の小さな噴火が突発的に発生する可能性は否定できません。
 御嶽山では、火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石1)に注意してください。


箱根山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]←11日に噴火警戒レベル3(入山規制)から引下げ

 火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 7月1日にごく小規模な噴火が発生して以降、噴火はみられず、火山性地震は少ない状態で経過しています。低周波地震及び火山性微動は観測されていません。GNSS3)による地殻変動の観測では、9月10日の解析結果により、4月から見られていた基線の伸びは、8月下旬から停滞し、山体膨張は停止したものと考えられます。
 これらのことから、11日14時00分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを3(入山規制)から2(火口周辺規制)に引き下げました。
 一方、地震活動は低下しているものの4月下旬の活動活発化以前の状態には戻っていないこと、大涌谷周辺では活発な噴気活動が継続していることから、大涌谷周辺の想定火口域では小規模な噴火が発生する可能性があります。大涌谷周辺の想定火口域では、小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では火山灰や風に流されて降る小さな噴石1)や火山ガスに注意してください。また、地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
 ※今回の「火口周辺警報」の対象となる火口は「大涌谷周辺」です。


西之島 [火口周辺警報(入山危険)及び火山現象に関する海上警報]

 西之島では活発な噴火活動が続いています。
 16日に第三管区海上保安本部が実施した上空からの観測では第7火口の2つの噴火口を分ける壁が崩壊していました。側噴火跡と考えられる凹地がV字谷状の地形を形成して第7火口と接続していました(図5)。さらに、第7火口内には小火砕丘が形成されていました。
 第7火口及び火口縁付近の広範囲の噴気帯からは青白色の火山性ガスが連続的に放出されていました。第7火口からの噴煙は調査中認められませんでした。
 また、噴気帯には硫黄と考えられる黄色の火山昇華物が広範囲に分布していました。
 火砕丘北東にある溶岩流出口から流出した溶岩は、西、北東及び火砕丘の東側を回り込んだ南西の3方向に流れていました。
 また、東海岸の1ヶ所に小規模な溶岩流があり、この海岸線付近では白煙が上がっていました。
 西之島周囲の海岸線には、薄い褐色の変色水が幅約200~300mで分布していました。
 なお、西之島及び新たな陸地には、津波を発生させる恐れのある、海岸線に平行に走る断層やクラックは認められませんでした。
 新たな陸地の大きさは、東西約1,940m、南北約1,950m、面積は2.67㎞(前回値8月19日:2.71㎞)でした。
 西之島では、今後も新たに形成された陸地にある火口で噴火活動が継続すると考えられます。また、西之島周辺の海底で噴火が発生する可能性も引き続き考えられ、噴火による影響が海上まで及んだ場合、弾道を描いて飛散する大きな噴石1)や水面を高速で広がるベースサージ6)等の影響が概ね2kmの範囲に及ぶおそれがありますので、西之島の中心から概ね4km以内の範囲では噴火に警戒してください。
 西之島の状況 16日14時21分 海上保安庁提供  

図5 西之島の状況 16日14時21分 海上保安庁提供


硫黄島 [火口周辺警報(火口周辺危険)及び火山現象に関する海上警報]

 火山性地震はやや少ない状態で経過しています。14日13時16分に振幅の大きな地震が発生し、一時的に地震回数が増加しました。今期間、調和型火山性微動を4回観測しました。これらの微動の発生時及びその前後で遠望カメラでは特段の変化は認められませんでした。
 国土地理院のGNSS3)観測によると、地殻変動は2014年12月上旬頃から隆起の傾向がみられ、2015年3月頃から隆起速度が上がっています。また、2015年4月中旬頃から西向きの変動速度が上がっていましたが、7月以降は以前の速度まで戻っています。
 硫黄島の島内は全体に地温が高く、多くの噴気地帯や噴気孔があり、過去には各所で小規模な噴火が発生しています。このことから火山活動はやや活発な状態で経過しており、火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想されますので、従来から小規模な噴火が発生した地点(ミリオンダラーホール(旧噴火口)等)及びその周辺では引き続き噴火に警戒してください。


福徳岡ノ場 [噴火警報(周辺海域警戒)及び火山現象に関する海上警報]

 これまでの海上保安庁海洋情報部、第三管区海上保安本部、海上自衛隊及び気象庁による観測によると、福徳岡ノ場付近の海面には長期にわたり火山活動によるとみられる変色水等が確認されるなど、やや活発な状態で経過しており、今後も小規模な海底噴火が発生すると予想されますので、周辺海域では噴火に警戒してください。


阿蘇山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]←14日に噴火警戒レベル2(火口周辺規制)から引上げ

 中岳第一火口では、14日09時43分に噴火が発生し、大きな噴石1)が火口周辺に飛散し火砕流が流下しました。また、噴煙は火口縁上2,000mまで上がりました。今後も同程度の噴火が発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石1)が火口から1kmを超えて飛散する可能性があることから、10時10分に火口周辺警報を発表し、噴火警戒レベルを2(火口周辺規制)から3(入山規制)に引き上げました。
 14日に気象庁機動調査班(JMA-MOT)が九州地方整備局の協力により実施した上空からの観測では、噴火による変色域が確認されました。その後の調査及び解析の結果、14日の噴火に伴い火砕流が発生し、最大1.3km程度(南東側)まで流下したものとみられます。
 同日、福岡管区気象台と熊本地方気象台が実施した聞き取り調査では、阿蘇山の西側の熊本県山鹿市、玉名市、熊本市、福岡県筑後市、八女市など広い範囲で降灰を確認しました。熊本大学教育学部が14日、15日に現地調査を実施し、14日の噴火による火山灰の総量は4万トン程度と概算されています。
 阿蘇山では、14日の噴火後も連続的な噴火が発生しており活発な噴火活動が続いています。
 中岳第一火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)及び火砕流に警戒してください。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石1)に注意してください。


霧島山(新燃岳) [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 火山性地震は時々発生しています。火山性微動は観測されていません。
 傾斜計2)では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
 GNSS3)連続観測によると、新燃岳周辺の一部の基線では、わずかに緩やかな伸びの傾向が認められます。また、新燃岳の北西数kmの地下深くにあると考えられるマグマだまりの膨張を示す地殻変動は、2013年12月頃から伸びの傾向が見られていましたが、2015年1月頃から停滞しています。
 新燃岳では火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、新燃岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石1)(火山れき7))が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。降雨時には、泥流や土石流に注意してください。


桜島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]

 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 昭和火口では、爆発的噴火が4回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石1)が5合目(昭和火口より500~800m)まで達しました。また、同火口では、夜間に高感度カメラ8)で明瞭に見える火映4)を時々観測しました。
 南岳山頂火口では、13日02時36分に小規模な噴火が発生し、噴煙が火口縁上1,000mまで上がったほか、ごく小規模な噴火が時々発生しました。噴煙が火口縁上1,000m以上まで上がったのは平成26年11月7日の噴火以来です。
 火山性地震は11日にやや多くなりましたが、その他の期間は少ない状態で経過しています。噴火に伴う火山性微動が発生しています。
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)及び火砕流に警戒してください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石1)(火山れき7))が遠方まで風に流されて降るため注意してください。爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。


口永良部島 [噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)及び火山現象に関する海上警報]

 口永良部島では、今期間噴火は観測されていません。
 白色の噴煙が最高で火口縁上700mまで上がりました。
 火山性地震は時々発生しています(図6)。火山性微動は観測されていません。
 東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所及び気象庁が11日、12日に実施した観測では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり100トン(前回10日700トン)とやや少ない状態でした。
 今後も、5月29日と同程度の噴火が発生する可能性があります。大きな噴石1)の飛散及び火砕流の流下が切迫している居住地域では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。屋久島町の避難等の指示に従ってください。
 風下側では火山灰だけでなく小さな噴石1)が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
 降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。
 新岳火口から半径2海里以内の周辺海域では、噴火による影響が及ぶ恐れがありますので、噴火に警戒してください。
 口永良部島 火山性地震の日別回数(2015年3月1日~9月17日)  

図6 口永良部島 火山性地震の日別回数(2015年3月1日~9月17日)


諏訪之瀬島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 御岳火口(おたけかこう)では、13日03時53分に爆発的噴火が発生し、噴煙が火口縁上1,000mまで上がりました。また、同火口では期間を通して、夜間に高感度カメラで見える火映4)を観測しました。
 火山性地震及び火山性微動は時々発生しました。
 今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石1)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。



【噴火予報発表中の火山の活動状況及び予報事項】

霧島山(御鉢) [噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)]

 霧島山(御鉢)では、15日に御鉢火口直下を震源とする火山性地震が増加し、20回発生しました。
 火山性地震の回数が1日あたり20回以上となったのは、2015年5月2日の21回以来です。その後は16日8回、17日4回と徐々に減少しています。
 遠望観測やその他の観測データに特段の変化はみられません。
 活火山であることから、規模の小さな噴出現象が突発的に発生する可能性がありますので、留意してください。



上記以外の火山では、期間中、火山活動に特段の変化はなく、予報事項に変更はありません。

1) 噴石については、その大きさによる風の影響の程度の違いによって到達範囲が大きく異なります。本文中「大きな噴石」とは「風の影響を受けず弾道を描いて飛散する大きな噴石」のことであり、「小さな噴石」とはそれより小さく「風に流されて降る小さな噴石」のことです。
2) 火山活動による山体の傾きを精密に観測する機器。火山体直下へのマグマの貫入等により変化が観測されることがあります。1μrad(マイクロラジアン)は1km 先が1mm上下するような変化量です。
3) GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称です。
4) 火映は赤熱した溶岩や高温のガス等が、噴煙や雲に映って明るく見える現象です。
5) レーザーなどを用いて山体に設置した反射鏡までの距離を測定する機器。山体の膨張や収縮による距離の変化を観測します。
6) 火山ガスと火山灰等の混合物が、水面や地表面を高速で横方向に広がり、地表の物を巻き込む現象で、人体や建物、船舶等に大きな被害を与える恐れがあり、とても危険です。
7) 霧島山・桜島では「火山れき」の用語が地元で定着していると考えられることから、付加表現しています。
8) 九州地方整備局大隅河川国道事務所が黒神河原上流に設置したカメラ等によります。

注)本資料には速報的な内容を含みます。データについては精査により、後日修正することがあります。
  詳細については、毎月発表の火山活動解説資料を参照してください。

表2 火山現象に関する警報等の発表履歴 (9月11日~9月17日)

発表日時 火山名 特別警報・
警報・予報
概要
11日 14時00分 箱根山 火口周辺警報 噴火警戒レベル2(火口周辺規制)に引下げ
14日 10時10分 桜島 火口周辺警報 噴火警戒レベル3(火口周辺規制)に引上げ
15日 14時47分 阿蘇山 降灰予報(速報) 噴火発生から1時間以内に予想される降灰量分布や小さな噴石の落下範囲を予想
14日 10時35分、15時16分
15日 15時05分
阿蘇山 降灰予報(詳細) 噴火発生から6時間先までに予想される降灰量分布や降灰開始時刻を予想
毎日 02時から3時間毎に8回 阿蘇山
桜島
口永良部島
諏訪之瀬島
降灰予報(定時) 噴火した場合に予想される、降灰範囲及び小さな噴石の落下範囲を予想

【参考】 火山現象に関する警報等と噴火警戒レベル等の対応表

特別警報・警報・予報 噴火警戒レベルとキーワード 噴火警戒レベルを運用していない火山に対するキーワード
噴火警報※ レベル5(避難) 居住地域厳重警戒
レベル4(避難準備)
火口周辺警報 レベル3(入山規制) 入山危険
レベル2(火口周辺規制) 火口周辺危険
噴火予報 レベル1(活火山であることに留意) 活火山であることに留意

海底火山については、噴火警報(周辺海域)(キーワード:周辺海域警戒)と噴火予報(キーワード:活火山であることに留意)で発表します。
※印のついた噴火警報は、特別警報に位置づけられています。



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