阿蘇山[あそさん] Asosan【常時観測火山】
北緯32°53′04″ 東経131°06′14″ 標高1,592m (高岳)(三角点) 北緯32°53′01″ 東経131°05′49″ 標高1,506m (中岳)(標高点) |
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![]() 阿蘇山中央火口丘群 南西側から 2011年9月24日 気象庁撮影 |
概要
東西17km、南北25kmのカルデラ内に主峰の高岳など玄武岩から流紋岩にわたる十数座の中央火口丘がほぼ東西方向に配列する。 カルデラは約27万年前から9万年前までの4回の大規模な火砕流の噴出に伴って形成され、カルデラの周囲には広大な火砕流台地が発達する。 中央火口丘群のうち、中岳が有史以降も噴火を繰り返している。 中岳は玄武岩~安山岩質の成層火山であり、有史以降の活動は玄武岩質安山岩の火山砕屑物を噴出している。 中岳の火口は、数個の火口が南北に連なる長径1,100mの複合火口で、近年は北端の第1火口のみが活動している。 第1火口は非活動期には「湯だまり」と呼ばれる火口湖が形成され、活動期には湯だまりが消失して黒色砂状の火山灰(地方名ヨナ)を放出するとともに、 赤熱噴石・スコリアの放出を伴うストロンボリ式噴火も発生し、時には、激しい水蒸気噴火やマグマ水蒸気噴火を起こすこともある。 また、カルデラ内の湯の谷周辺などには温泉や地獄(噴気地帯)がある。玄武岩~流紋岩のSiO2量は51.5~71.8 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
中央火口丘群のなかで、過去1万年間に活動した火山と噴出物は、蛇ノ尾スコリア丘、赤水溶岩、杵島岳(きしまだけ)(約4000年前)と往生岳(約3600年前)、米塚(約3300年前)と中岳などである。 このうち中岳では、約5000年前の溶岩流出、約1500年前の規模の大きなマグマ水蒸気噴火発生のほか、火山灰の累積で示される断続的な灰噴火が活発な時代(N1 0N18)がいくつか認定されている。 これらは単発の噴火イベントではないが、有史以前(N3 0N18)については、リストに加えた。さらに歴史時代にも多数の噴火記録が残されており,灰噴火を主体とする噴火活動を現在まで継続している。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 阿蘇山 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。 また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、光波距離計、監視カメラを設置し、関係機関協力の下、阿蘇山の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 阿蘇山の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 阿蘇山の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。
火山防災連絡事務所、火山防災協議会など
- 阿蘇山火山防災連絡事務所
阿蘇山における火山業務を地元自治体と連携して行うことを目的として、地元自治体庁舎内に「火山防災連絡事務所」を設置しています。
- 阿蘇山の火山防災協議会など

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