平成27年 No.32 週間火山概況 (7月31日~8月6日)

【火山現象に関する警報等の発表状況】

いずれの火山についても、噴火に関する予報警報事項(警戒が必要な事項)に変更はありません。

表1 8月6日現在の火山現象に関する警報等の発表状況

特別警報・警報・予報 噴火警戒レベル及びキーワード 該当火山
噴火警報 レベル5(避難) 口永良部島※
火口周辺警報 レベル3(入山規制) 箱根山、桜島
入山危険 西之島※
レベル2(火口周辺規制) 雌阿寒岳、吾妻山、草津白根山、浅間山、御嶽山、阿蘇山、霧島山(新燃岳)、諏訪之瀬島
火口周辺危険 硫黄島※
噴火警報(周辺海域) 周辺海域警戒 福徳岡ノ場※
噴火予報 レベル1(活火山であることに留意) 十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、安達太良山、磐梯山、那須岳、新潟焼山、焼岳、富士山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、九重山、雲仙岳、霧島山(御鉢)、薩摩硫黄島
活火山であることに留意 上記以外の活火山
※印のついた火山は火山現象に関する海上警報も発表中。

図1 噴火警報発表中の火山

図1 噴火警報及び火山現象に関する海上警報を発表中の火山(8月6日現在)




【警報発表中の火山の活動状況及び警報事項】


雌阿寒岳 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 火山活動は活発な状態で経過しています。
 ポンマチネシリ火口付近の浅いところを震源とする、身体には感じない程度の微小な火山性地震は引き続き多い状態が続いています(図2)。
 また、ポンマチネシリ第3・第4火口付近では地熱域が拡大し、96-1火口では噴煙の勢いが増加しているのが認められています。8月5日に実施した上空からの観測(国土交通省北海道開発局の協力による)では、地熱域の拡大した状態が続いていることを確認しました。
 全磁力連続観測によると、ポンマチネシリ96-1火口近傍の地下では、2015年3月中旬以降熱活動が活発化している可能性があります。
 ポンマチネシリ火口から約500mの範囲では、ごく小さな噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では火山灰や小さな噴石1)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
 雌阿寒岳 火山性地震の発生状況(日回数及び積算回数 2015年3月1日~8月6日)  

図2 雌阿寒岳 火山性地震の発生状況(日回数及び積算回数 2015年3月1日~8月6日)


吾妻山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 大穴火口付近直下が震源とみられる火山性地震は4回発生しました(前期間20回:図3)。火山性微動は観測されていません。
 浄土平の傾斜計2)では、2014年4月頃以降緩やかな西側(火口方向側)上がりの変動が継続しています。GNSS3)連続観測では、2014年9月頃から一切経山(いっさいきょうざん)南山腹観測点が関係する基線で緩やかな変化がみられていましたが、6月頃から停滞しています。
 大穴火口からの噴気はやや活発な状態が続いています。今期間、一切経山南山腹の大穴火口外の噴気は観測されませんでした。
 大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石1)、火山ガスに注意してください。
 吾妻山 火山性地震の発生状況(2014年4月1日~2015年8月6日)  

図3 吾妻山 火山性地震の発生状況(2014年4月1日~2015年8月6日)


草津白根山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 湯釜付近及びその南側を震源とする火山性地震が2014年3月上旬から増加しています。2014年8月20日以降はやや少ない状態で経過していますが、2015年1月以降は一時的な火山性地震の増加もみられています。
 GNSS3)観測によると、湯釜を挟む基線で2014年4月頃からわずかな伸びの変化がみられていましたが、2015年4月頃より鈍化しています。また、湯釜周辺に東京工業大学が設置した傾斜計2)によると、2014年3月から湯釜付近浅部での膨張を示す変動が継続しています。全磁力観測によると、2014年5月以降の湯釜近傍地下の温度上昇を示す変化は、2014年7月以降停滞しています。
 湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東側にあたる斜面で熱活動の活発な状態が継続しています。また、北側噴気地帯のガス組成及び湯釜湖水の化学成分の活動活発化を示す変化が継続しています。
 今後、小規模な噴火が発生する可能性があることから、湯釜火口から概ね1kmの範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、ところどころで火山ガスの噴出が見られ、周辺のくぼ地や谷地形などでは滞留した火山ガスが高濃度になることがありますので、注意してください。


浅間山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 6月19日の噴火以降、噴火は観測されていませんが、火山活動はやや活発な状態で経過しています。
 山頂火口で、夜間に高感度カメラで確認できる程度の微弱な火映4)を引き続き観測しています。8月3日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1,500トン(前回7月21日1,200トン)と引き続き多い状態で継続しています。火口からの噴煙は白色で、火口縁上200~1,000mで経過しています。噴煙量は6月以降増加傾向がみられます。
 4月下旬頃から増加している山頂直下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震は、多い状態で経過しています(図4)。国土地理院のGNSS3)連続観測によると、6月頃から浅間山を挟む基線で小さな伸びがみられます。また、光波測距観測では、6月頃から山頂と追分の間で縮みの傾向がみられており、山頂部のごく浅いところの膨張によるものである可能性があります。傾斜計2)による地殻変動観測では、特段の変動は認められません。
 浅間山では、山頂火口から概ね2kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒が必要です。登山者等は地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石1)に注意してください。
 浅間山 火山性地震の日別回数(2015年4月1日~8月6日)  

図4 浅間山 火山性地震の日別回数(2015年4月1日~8月6日)


御嶽山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 山頂火口からの噴煙は、白色で火口縁上50~1,000mで経過しています。
 火山性地震は、やや少ない状態で経過していますが、2014年8月以前の状態には戻っていません。
 7月31日04時58分に規模の大きな火山性地震が発生しました。この地震の発生時及びその前後で、噴煙や地殻変動の観測データに火山活動の高まりを示す変化はみられていません。
 御嶽山では、火山活動は低下した状態が継続しており、2014年10月中旬以降、噴火は観測されていません。地殻変動観測では火山活動の高まりを示す変化は観測されていません。
 一方、弱いながらも噴煙活動や地震活動が続いていることから、2014年9月27日よりも規模の小さな噴火が突発的に発生する可能性は否定できません。
 御嶽山では、火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石1)に注意してください。


箱根山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]

 火山活動は活発な状態で経過しています。
 8月6日に実施した現地調査及び大涌谷に設置している遠望カメラによる観測では、6月29日以降に大涌谷で確認した火口や噴気孔、またその周辺の大涌谷温泉供給施設から引き続き蒸気が勢いよく噴出しているのを確認しています。
 火山性地震は、7月に入ってから減少しており、今期間は少ない状態で経過しました。低周波地震及び火山性微動は観測されていません。
 国土地理院のGNSS3)連続観測によると、箱根山周辺の基線で4月から山体の膨張を示す地殻変動がみられています。6月以降は一部の基線で伸びの速度がやや低下したものの、引き続き山体の膨張を示す地殻変動がみられています。
 今後も小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大涌谷周辺の概ね1kmの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では火山灰や小さな噴石1)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。


西之島 [火口周辺警報(入山危険)及び火山現象に関する海上警報]

 西之島では活発な噴火活動が続いています。
 7月31日に海上保安庁が上空からの観測を実施し、第7火口での噴火活動の継続を確認しました。
 第7火口内の北側に新たな小火口が形成され、第7火口は拡大していました(図5)。
 第7火口周辺及び火砕丘の広範囲に硫黄の析出と思われる黄色く変色した噴気帯があり、この付近と火砕丘北東斜面から火山ガスが放出されていました。爆発を伴う噴火はなく、灰白色の噴煙が連続的に放出され、ほぼ垂直に上昇していました。
 火砕丘東側斜面から流出した溶岩は、東方向と南東~南方向に流れていました。また、東方向に流れている溶岩のやや北側でも、溶岩が南東方向に流れて海岸に達していました。
 西之島周囲の海岸線には、薄い黄緑色の変色水が、幅約100~200mで分布していました。
 なお、西之島及び新たな陸地には、津波を発生させる恐れのある、海岸線に平行して走る断層やクラックは認められませんでした。
 西之島では、今後も新たに形成された陸地にある火口で噴火活動が継続すると考えられます。また、西之島周辺の海底で噴火が発生する可能性も引き続き考えられ、噴火による影響が海上まで及んだ場合、弾道を描いて飛散する大きな噴石1)や水面を高速で広がるベースサージ5)等の影響が概ね2kmの範囲に及ぶおそれがありますので、西之島の中心から概ね4km以内の範囲では噴火に警戒してください。
 西之島の状況 31日12時28分 海上保安庁提供  

図5 西之島の状況 31日12時28分 海上保安庁提供


硫黄島 [火口周辺警報(火口周辺危険)及び火山現象に関する海上警報]

 今期間、火山性地震はやや少ない状態で経過しています。8月6日10時36分頃から継続時間約3分10秒の振幅の小さな火山性微動を観測しました。
 GNSS3)観測によると、地殻変動は2014年12月上旬頃から隆起の傾向がみられ、2015年3月頃から隆起速度が上がっています。また、2015年4月中旬頃から西向きの変動速度が上がっています。
 硫黄島の海上自衛隊からの連絡によると、8月7日(期間外)02時43分頃から島北部の海岸付近で断続的にごく小規模な噴火が発生しました。噴火に伴うと考えられる火山性微動が断続的に観測されています。この付近で噴火が発生したのは、1980年3月13日以来です。
 硫黄島の島内は全体に地温が高く、多くの噴気地帯や噴気孔があり、過去には各所で小規模な噴火が発生しています。このことから火山活動はやや活発な状態で経過しており、火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想されますので、従来から小規模な噴火が発生した地点(ミリオンダラーホール(旧噴火口)等)及びその周辺では噴火に警戒してください。


福徳岡ノ場 [噴火警報(周辺海域警戒)及び火山現象に関する海上警報]

 これまでの海上保安庁海洋情報部、第三管区海上保安本部、海上自衛隊及び気象庁による観測によると、福徳岡ノ場付近の海面には長期にわたり火山活動によるとみられる変色水等が確認されるなど、やや活発な状態で経過しており、今後も小規模な海底噴火が発生すると予想されますので、周辺海域では噴火に警戒してください。


阿蘇山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 阿蘇山では、今期間噴火は観測されていません。
 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上900mまで上がりました。
 7月31日、8月3日及び5日に実施した現地調査では、141火孔6)内の湯だまり内にごく小規模な土砂噴出を確認しました。赤外熱映像装置7)による観測では、湯だまりの温度は約90℃と高い状態でした。また、141火孔6)南西側の噴気孔の温度は約600℃と高い状態でした。6日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1,100トン(前回7月29日1,800トン)と多い状態でした。
  火山性微動の振幅は小さな状態となっています(図6)。孤立型微動はやや多い状態で経過しています。火山性地震は時々発生しています。
 GNSS3)連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線の伸びは2015年3月頃から停滞しています。
 中岳第一火口では、火山活動が停滞する傾向がみられるものの、活発な火山活動が続いていることから、中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。火口周辺では強風時に小さな噴石1)が1kmを超えて降るため、風下側では火山灰だけではなく小さな噴石1)にも注意してください。
 阿蘇山 火山性微動の30分間平均振幅(2014年8月1日~2015年8月6日)  

図6 阿蘇山 火山性微動の30分間平均振幅(2014年8月1日~2015年8月6日)


霧島山(新燃岳) [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 火山性地震は時々発生しています。火山性微動は観測されていません。
 傾斜計2)では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
 GNSS3)連続観測では、新燃岳の北西数kmの地下深くにあると考えられるマグマだまりの膨張を示す地殻変動は、2013年12月頃から伸びの傾向が見られていましたが、2015年1月頃から停滞しています。
 新燃岳では火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、新燃岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石1)(火山れき8))が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。降雨時には、泥流や土石流に注意してください。


桜島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]

 桜島では、噴火活動が続いています。
 昭和火口では、爆発的噴火が2回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石1)が最大6合目(昭和火口より300~500m)まで達しました。
 南岳山頂火口では、8月3日にごく小規模な噴火が発生しました。南岳山頂火口で噴火が発生したのは、2015年7月16日以来です。
 火山性地震、火山性微動は少ない状態で経過しています。
 地殻変動観測では、桜島の山体が膨張した状態となっています。今後、多量の火山灰を降らせる噴火が発生する可能性があります。
 また、姶良カルデラ深部では長期的に膨張が進行してきており、引き続き活発な噴火活動が継続すると考えられますので、火山活動の推移に注意してください。
 昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)及び火砕流に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石1)(火山れき8))が遠方まで風に流されて降るため注意してください。爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。


口永良部島 [噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)及び火山現象に関する海上警報]

 口永良部島では、今期間噴火は観測されていません。
 遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上500mまで上がりました。
 火山性地震は時々多く発生しました(図7)。火山性微動は観測されていません。
 8月3日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所及び気象庁が実施した観測では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり300トン(前回7月30日600トン)とやや少ない状態でした。
 今後も、5月29日と同程度の噴火が発生する可能性があります。大きな噴石1)の飛散及び火砕流の流下が切迫している居住地域では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。屋久島町の避難等の指示に従ってください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石1)が遠方まで風に流されて降るため注意してください。降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。新岳火口から半径2海里以内の周辺海域では、噴火による影響が及ぶ恐れがありますので、噴火に警戒してください。
 口永良部島 火山性地震の日別回数(2015年3月1日~8月6日)
注:口永良部島では停電及び通信障害により、欠測となっている地震計があり検知力が低下しています。このため、7月21日にさかのぼって計数基準を見直しています。
 

図7 口永良部島 火山性地震の日別回数(2015年3月1日~8月6日)
注:口永良部島では停電及び通信障害により、欠測となっている地震計があり検知力が低下しています。このため、7月21日にさかのぼって計数基準を見直しています。


諏訪之瀬島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 御岳(おたけ)火口では、7月30日(期間外)と31日に小規模な噴火が発生し、31日18時20分の噴火では噴煙が火口縁上1,300mまで上がりました。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、7月30日から8月2日にかけて、火口から南南西約4kmの集落で降灰が確認されました。
 火山性地震は時々発生し、火山性微動は断続的に発生しました。
 今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石1)に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石1)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。



上記以外の火山では、期間中、火山活動に特段の変化はなく、予報事項に変更はありません。

1) 噴石については、その大きさによる風の影響の程度の違いによって到達範囲が大きく異なります。本文中「大きな噴石」とは「風の影響を受けず弾道を描いて飛散する大きな噴石」のことであり、「小さな噴石」とはそれより小さく「風に流されて降る小さな噴石」のことです。
2) 火山活動による山体の傾きを精密に観測する機器。火山体直下へのマグマの貫入等により変化が観測されることがあります。1μrad(マイクロラジアン)は1km 先が1mm 上下するような変化量です。
3) GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称です。
4) 火映は赤熱した溶岩や高温のガス等が、噴煙や雲に映って明るく見える現象です。
5) 火山ガスと火山灰等の混合物が、水面や地表面を高速で横方向に広がり、地表の物を巻き込む現象で、人体や建物、船舶等に大きな被害を与える恐れがあり、とても危険です。
6) 阿蘇山では、火口内の火山灰や噴石を噴出する孔を火孔と呼んでいます。火山活動に伴い、火孔の位置が変わったり、同時に複数個の火孔が開口したりしたことがあり、明瞭に区別するために、141火孔のように西暦の下2桁と通し番号で命名しています。
7) 赤外熱映像装置は物体が放射する赤外線を感知して温度分布を測定する測器です。熱源から離れた場所から測定することができる利点がありますが、測定距離や大気等の影響で実際の熱源の温度よりも低く測定される場合があります。
8) 霧島山・桜島では「火山れき」の用語が地元で定着していると考えられることから、付加表現しています。

注)本資料には速報的な内容を含みます。データについては精査により、後日修正することがあります。
  詳細については、毎月発表の火山活動解説資料を参照してください。

表2 火山現象に関する警報等の発表履歴 (7月31日~8月6日)

発表日時 火山名 特別警報・
警報・予報
概要
7月31日 18時27分 諏訪之瀬島 降灰予報(速報) 噴火発生から1時間以内に予想される降灰量分布や小さな噴石の落下範囲を予想
7月31日 18時48分 諏訪之瀬島 降灰予報(詳細) 噴火発生から6時間先までに予想される降灰量分布や降灰開始時刻を予想
毎日 02時から3時間毎に8回 阿蘇山
桜島
口永良部島
諏訪之瀬島
降灰予報(定時) 噴火した場合に予想される、降灰範囲及び小さな噴石の落下範囲を予想
毎日07時、17時 三宅島 火山ガス予報 島内の火山ガスの分布予想

【参考】 火山現象に関する警報等と噴火警戒レベル等の対応表

特別警報・警報・予報 噴火警戒レベルとキーワード 噴火警戒レベルを運用していない火山に対するキーワード
噴火警報※ レベル5(避難) 居住地域厳重警戒
レベル4(避難準備)
火口周辺警報 レベル3(入山規制) 入山危険
レベル2(火口周辺規制) 火口周辺危険
噴火予報 レベル1(活火山であることに留意) 活火山であることに留意

海底火山については、噴火警報(周辺海域)(キーワード:周辺海域警戒)と噴火予報(キーワード:活火山であることに留意)で発表します。
※印のついた噴火警報は、特別警報に位置づけられています。



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