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サイエンスカフェ

「札幌の空をみつめて150年」-データが語る気候の変化-

明治9年(1876年)に札幌で観測を開始して以来、150年にわたり空を見上げ、風を感じ、雨や雪を記録し続けてきました。
天気や気候は、毎日の暮らしのすぐそばにあります。このサイエンスカフェでは、気象観測が始まった頃のお話や、観測地点や観測技術がどのように変わってきたのかを紹介しながら、地球温暖化や気候変動が私たちの生活に与える影響について、みなさんと一緒に考えていきます。難しい話は抜きにして、疑問や気づきを自由に語り合う時間です。
どうぞお気軽にご参加ください。

~イベントは終了しました~

イベント情報

日時:8月1日(土)
場所:紀伊国屋書店札幌本店 1Fインナーガーデン
参加料:無料


案内
・会場内は自由席となります。開場時間になりましたら、会場内へご案内いたします。
・イベント会場での録音は固くお断りいたします。

チラシ

当日の様子

Q&A(当日お答えできなかった質問)

Q 周期1秒台の地震動が強いと、家屋被害が大きくなるそうですが、免振装置へ負荷がかかる周期はどのくらいなのでしょうか。

気象庁の専門外ですが、免震の建物は揺れやすい周期を長くなるように建てられているそうです。普通の家が壊れやすい周期1~2秒の揺れには強いですが、3~5秒の揺れに対しては大きく揺れて(免振装置に負荷がかかって)しまうようです。下記のページが参考になると思います。

耐震工学 | STRUCTURE ONLINE-TEXTBOOK 固有周期と共振とは?建物の揺れの基礎をわかりやすく解説|構造設計ナビ
Q 胆振東部地震では、計測震度6.4とほぼ震度7だった。むかわ町で家屋の全壊率が6%前後と聞きました。家屋の全壊は、揺れの大きさよりも周期の違いによる影響の方が大きいと思いますか。

家屋への影響は揺れの周期が1~2秒で、その揺れが大きいほど影響が大きくなります。揺れの大きさと周期の双方が関係します。

Q 昔の地震は、全壊率3割以上をもって震度7相当と見なされていると読んだことがあります。建築技術・耐震性の向上で倒壊しづらく、また雪国の建物は耐震性に優れ壊れにくいはずです。今、建物被害から震度計のない場所の震度を推定しようとした場合、どのような基準で判断するのでしょうか。

現在、気象庁では建物被害から震度を推定しませんので基準はありません。

Q 先日、熊本で大きな地震がありましたが、札幌でも複数の断層があると聞いています。今後、札幌で直下型地震が起きる可能性は、どの程度なのでしょうか?

表に現れている活断層については調べられているものもありますが、札幌市が想定している伏在断層のような地下に埋もれている活断層はよくわかっていないため、起きる可能性がどの程度かはわかりません。しかし、地震調査研究推進本部という国の機関が公表している確率論的地震動予測地図によると、石狩平野周辺では、今後30年間に震度6弱以上の揺れに見舞われる確率は「高い」と評価されています。

Q 今の場所(北2西18)に気象台が移転する理由として、鉄道による振動ノイズを避けることも理由の一つだったと説明されていましたが現在、鉄道や自動車、ビル工事などのノイズへの対策はどのように処理されているのでしょうか。

昔は震源や地震の規模の決定に使用する地震計を気象台に設置しました。鉄道によるノイズが少ないものの、街中であるため人工ノイズの影響が少なからずありました。現在は人工ノイズが少ない街から離れた郊外などに高感度地震計が設置されることが多いです。

Q 400年前の千島海溝巨大地震について、規模感など現時点でどの程度判明されているのでしょうか。

17世紀に千島海溝沿いで東日本大震災級、あるいはそれに近い超巨大地震が発生した可能性が高いとされています。主な証拠は津波堆積物の痕跡です。地震調査研究推進本部は、Mw8.8程度以上と評価しています。北海道では、最大震度7、30m近い高さの津波が想定されています。

Q 現在、千島海溝沿いでは東日本大震災と比べどの程度プレートにひずみが溜まっているのでしょうか。

この領域では17世紀に超巨大地震が発生したと考えられており、それから約400年経過しています。GPS観測などからプレート間に相当量のひずみが蓄積している可能性が指摘されていますが、その程度には不確実性があり、東日本大震災前との単純な比較や地震発生時期の予測はできません。

Q 札幌周辺の活断層を形成した要因と、その活断層が地震を起こすリスクを教えてください。

札幌周辺を含む北海道では、太平洋プレートが北海道が乗っている陸のプレートの下に沈み込んでいます。この影響で陸のプレートの内部にひずみが溜まり、そのひずみを解消するため活断層が動いて地震が発生します。札幌市の東側(江別市、南幌町、長沼町、千歳市方面)に延びる石狩低地東縁断層帯という活断層があります。この活断層が活動した場合、石狩平野では震度6弱以上の揺れが予測されています。下記のページが参考になると思います。

■地震調査研究推進本部 【参考】 石狩低地東縁断層帯南部の地震による予測震度分布 (平成22年8月26日) ■札幌市の被害想定 dai4jisoutei.pdf
Q 活火山の定義は1万年前ですが、概ね1万2年前の噴火である濁川カルデラが将来噴火する可能性はありますか。

現時点では、可能性は非常に低いと考えられますが、全くないとは言い切れません。世界中の火山についての統計学的な研究から、多くの火山は1万年くらい間隔があくと再び噴火する可能性が極めて低くなる、ということが確かめられていて、それをもとにしたのが日本の活火山の定義になります。もちろん例外もあり、1万年よりも少し長く間を開けて活動を再開した火山も、実は存在しているのです(例えば有珠山など)。また一方で、濁川カルデラは火山活動の履歴についてまだまだ研究段階の火山でもあります。今後新たな研究により、もっと最近まで噴火が起きていたことが判明するかもしれません。もしそうであれば再び噴火する可能性は格段に上がりますし、研究成果を元に、新たに活火山として認定される可能性もあります。

Q 将来、活火山に分類される火山(定義の変更も含めて)はありますか。

将来、活火山に分類されるかもしれない火山は全国にたくさんあります。多くは過去の活動の履歴がまだはっきりわかっていない火山です。現在も地質調査をはじめとした様々な研究が続けられていて、その結果によっては新たな活火山が増える可能性があります(逆に活火山から格下げとなる場合も、ごく稀ですがあり得ます)。

Q 集中豪雨と線状降水帯の違いは。

集中豪雨とは同じような場所で数時間にわたり強く降る大雨で、集中豪雨の雨雲が線状に列をなしてほぼ同じ場所で降る大雨を線状降水帯と言います。

Q 線状降水帯は、発生からどのくらいの時間で大雨となるのでしょうか。

線状降水帯発生の情報が発表されたときには、すでに大雨となっていることが考えられます。

Q 線状降水帯や酷暑日など新しい用語が増えていますが、これからも増えそうでしょうか。増えるとしたら、どのような用語が考えられるのでしょうか。

新たに住民の生活に強い影響を及ぼす気象現象が頻繁に発生する場合に新しい用語が増える可能性はありますが、どのような用語になるかはわかりません。(酷暑日は国民からの投票により決まりました)

Q 2030年に向けて線状降水帯や特別警報は、どの程度の精度向上を目標とされているのでしょうか。また、向上に向けてどのような研究などを行っているのでしょか。

大雨や台風の災害では、数日前や夜間になる前など早い段階で早期の警戒と避難ができるよう目標をかかげていて、数値予報の精度向上等の研究をしています。

Q AIを用いた天気予報と予報官が考える天気予報では、それぞれ得手不得手はあるのでしょうか。

AIを用いた天気予報はどのようなものになるのかまだわかりませんが、AIは大量のデータを短時間に処理することが得意と思われます。気象庁が発表している天気予報は石狩・空知・後志地方などの広い範囲を一つの予報文で発表しており、その作成にあたっては数値予報資料や観測データなどを活用し、予報官が内容を確認した上で発表しています。AIと予報官それぞれの役割や特徴について、今後の技術の発展や運用状況を見ていく必要があります。

Q 天気予報を作成するうえで気象レーダーによる雨雲の情報などを活用されていると思われますが、気象レーダー以外に気象衛星やその他の情報から雨雲の位置や量などをとらえることはできないのでしょうか。

気象衛星の赤外放射画像や気象衛星からのレーダーにより雨の可能性や量を推定しています。

Q 昔の天気予報を発表する業務と、昨今の天気予報を発表する業務を比較した場合、機材が発達して昔と比べると楽になったと思いますが、「昔は大変だった。苦労した」という点があれば、伺いたいです。

昔は気象衛星や気象レーダー、アメダス観測網などが整っていない時代であり、気象通報所や委託観測所などの観測データを活用していましたが、現在のように広範囲の気象状況をリアルタイムかつ詳細に把握することは容易ではありませんでした。また、数値予報の精度も現在ほど高くはなかったことから、実況の把握と予測の両方で大変でした。

Q 観測したデータをもとに天気予報を作っていると思いますが、昔と今では観測したデータから天気予報を作るまで、どの程度の時間を要するのでしょうか。

明治から昭和初期にかけては、各地から集められた観測データをもとに手作業で天気図を作成し解析していたため天気予報に必要な資料が整うまで数時間から半日以上かかることもありました。現在は、世界各国からのデータ収集とアメダスや気象レーダー、気象衛星からの膨大な観測データがネットワーク経由でリアルタイムに自動集約され、スーパーコンピュータによる数値予報計算(シミュレーション)に即座にかけられます。データの受信からコンピュータによるシミュレーション計算の終了までおよそ数十分から2〜3時間程度で処理されます。

Q 北海道に上陸した台風は、この150年間にどのくらいの数あったのでしょうか。

台風の上陸回数の統計を取り始めた1951年から2026年7月までで北海道へは7回上陸しています。

Q 2016年の台風が印象深く記憶に残っています。台風が1月に3つ上陸するのはどのくらい珍しいことだったのでしょか。

台風の統計を取り始めた1951年以降では、1965年に2つ上陸した記録はありましたが2016年8月の一月に3個の上陸は初めてでした。

Q 吹雪や大雪を今以上に精度よく予報するためには、どのような変化や変更、改善があれば良いと思いますか。

数値予報の精度向上とともに、吹雪や大雪の状況を時間的・空間的により緻密に把握できる観測・観測技術の向上が、予報精度の改善につながると考えています。

Q 札幌管区気象台では、暴風雪や大雪への防災に対して、どのような取組を行っているのでしょうか。

暴風雪や大雪が予想されるときには、事前に北海道や各防災機関と情報を交換しながら防災対応を行っています。

Q 今後、暴風雪や大雪にも洪水や土砂災害と同様に警戒レベルを付与した警戒情報として発表する可能性はあるのでしょうか。

暴風雪や大雪では、屋内にとどまって安全を確保するのが基本ですが、こうした現象に関する情報のあり方については、関係する機関や分野が多岐にわたることから、今後別途検討が行われるものとされています。将来的な情報提供のあり方については、警戒レベルを付した情報や、特別警報と警報の間に新たな情報を設けることも含め、その必要性が検討されるものと考えられます。

Q 北海道に「梅雨」が無いといいますが、最近の気象状況を見ると北海道にも「梅雨」はあるのではないでしょうか。

北海道でも雨や曇りの日が多い梅雨のような時期もありますが無い年も多く、あっても期間が短いため、気象庁は北海道では梅雨としては扱っていません。

Q 3か月予報などでは「平年並み」とよく聞きます。「平年並み」は過去30年の平均と聞いたことがありますが、直近10年を見ると高温化していると感じますが基準となる気温は変更するのでしょうか。

現在の「平年並み」や「平年値」は1991年から2020年までの30年の値から求めていて10年ごとに計算し直しています。2031年には2001年から2030年までの値を用いて更新されるので、近年の観測結果は次の平年値の計算に反映されます。

Q 天気予報を見ていると「夜のはじめ頃」とよく聞きますが、何時頃を指しているのでしょうか。

夜のはじめ頃とは18時から21時(午後6時から午後9時)を指します。これは、季節や日本の地域を問わず同じ表現です

Q テレビ等で1週間の天気予報をみることができますが、いつ頃から週間予報が発表されるようになったのでしょうか。また、技術の進展により2週間予報が発表されることはあるのでしょうか。

1973年(昭和48年): 週間天気予報の発表がスタート(当時は週1回のみ)
1979年(昭和54年): 発表が週2回(火・金)へ増加し、気温の予報も開始
1988年(昭和63年)10月: 現在の毎日(日別)発表へと移行しています。
気象庁の週間天気予報は7日先までですが、気象庁では、1週間から数カ月先の情報について、その利便性の向上や利活用の促進に向けた検討を進めています。2週間先を含む、より先の予報情報の提供についても、予測技術の向上や利用者ニーズを踏まえながら検討されるものと考えられます。

Q 手稲山には、放送施設など多数ありますが、気象観測を山の上で行うことをしないのでしょうか。

手稲山では昭和45年9月4日から雨量の観測を行っています。現在はラジオゾンデやウインドプロファイラ等による高層気象観測が行われており、高層の気象状況を把握する手段が充実しています。このため、高い山の上で新たに気象観測を行う必要性は以前に比べて小さくなっていますが、観測のあり方については、技術の進展や観測ニーズなどを踏まえながら検討されるものと考えられます。

Q この150年で記録に残る北海道内における世界的に珍しい気象現象はありますか。

珍しい現象とは言えないかもしれませんが、北海道は流氷がみられる場所としては、北半球で最も低緯度に位置しています。また、札幌市は人口100万人以上の都市では降雪量世界一の街です。

Q 明治12年にエゾシカが大量死した大豪雪の際、小樽では4m以上積雪を観測したのに、札幌ではそこまでの雪は降らなかったのは、どのような気象状況だったのでしょうか。どんな風向きなら小樽だけが降るのでしょうか。また、この時全道的にみると、他の地域ではどのような豪雪だったのでしょうか。

小樽市周辺が大雪となり札幌市(気象台付近)であまり雪が降らないパターンとしては、西北西風系の冬型気圧配置で強い雪雲が積丹半島沿いに小樽市方面に入り続けるパターン。また、北北東風系の冬型気圧配置が続き、強い雪雲が小樽市周辺に入り続けるパターンが考えられます。1879年(明治12年)2月22日から24日にかけ、北海道は記録的な大雪と暴風雪に見舞われたと記録されている文献もあるようですが、当時の天気図は無く気圧配置や全道的な降雪の分布はわかりません。

Q 松前藩時代の天気の記録は、存在しているのでしょうか。※廃藩置県:明治4年(1871年)

松前藩時代の天気の記録は気象庁には存在していません。札幌管区気象台は明治9年(1876年)から記録があります。なお、気象庁で一番古い記録は、函館の明治5年(1872年)からです。

Q 観測項目として、風や気温、雨量、雲形などがありますが、太陽の様子を観測する装置はあるのでしょうか。また、観測しているのであれば、太陽の変化は天気に影響するのでしょうか。

太陽フレアや黒点活動等の太陽の様子については、気象庁では観測をしておりません。一方、気象庁が行っている太陽に関連した観測としては、太陽が照っている時間を観測する「日照計」と太陽から得るエネルギーを観測する「全天日射計」があります。日照時間は天気予報には直接かかわらないですが、気候変動の評価や天気の統計に利用しています。日射量は、予想最高・最低気温や雲の発生などについて天気予報に利用されています。

Q ラジオゾンデは今も上がっていますか。

はい。今も観測しています(現在はGPSゾンデと呼んでいます)

Q 観測機器(アメダス)を設置する際、正確な観測結果を得るための設置環境基準はあるのでしょうか。

はい、基準はあります。例えば、雨量計の観測では、樹木や建物から10メートル以上離れた場所に設置するのが望ましい等です。

Q 観測技術は、年々進歩しているものと思われますが、次に予定している最新の観測機器はありますか。

最近進化した観測機器として、アメダスでは風向風速を観測するのに風車型風向風速計から超音波型風向風速計に変わりました。その他の観測機器も、観測する仕組みは同じものでも、より正確に測れるよう進化しています。また、今後の観測技術の高度化として、気象レーダーの二重偏波化や、次期気象衛星における赤外サウンダの活用などが検討されており、線状降水帯をはじめとする現象の監視や予測精度向上が期待されています。

Q 札幌管区気象台の”露場”を移転する計画はあるのでしょうか。

現時点ではありません。

Q アメダスによる観測が始まる前は、委託観測による観測を行っていたと思いますが、その当時の観測データは公開されていないのでしょうか。どのようにしたら閲覧することができますか。

気象庁ホームページでは公開していませんが、気象業務支援センターからデータを入手することが可能です(有料)。

Q この150年間で観測機器はどの様に変化し精度が向上していったのでしょうか。

例えば気温は、当初は水銀を用いた温度計などを用い、毎日決められた時刻に職員が温度計を読み取り気温を記録していましたが、現在は、電気式温度計を用いて1分毎に気温データがコンピュータへ自動で記録されています。同様に風向風速や降水量なども全て自動化されています。

Q 札幌における気象観測は、移転を繰り返したと説明されていましたが、移転に伴いデータ断となっているのでしょうか。継続された値となっているのでしょうか。継続されているとした場合、補正などは行われているのでしょうか。

移転当時の観測方法として、データ断となっているものはありません。統計として、観測値や極値は補正などを行わず使用できるものとなっております。

Q 1872年(明治5年)の観測データは、今も使用しているのでしょうか。

札幌では観測を開始したのは1876年(明治9年)なので、1872年(明治5年)の観測データはありません。なお、函館では1872年(明治5年)から観測を開始しており、気候変動の評価として使用する場合があります。

Q 札幌管区気象台の敷地で風向風速計のプロペラが回っているのを最近見かけました。周りが高い建物に囲まれていますが、観測に問題はないのでしょうか。

気象台の敷地内にある風向風速計は点検のため設置されているものです。札幌の風向風速を実際に観測している風向風速計は気象台のとなり、北海道開発局にあります鉄塔の上に設置されています。

Q 2100年頃の気温分布の説明がありましたが、このまま進むと大陸の氷は溶けてしまう可能性ありますか?

すべての氷が溶けるには至らなさそうですが、とくにグリーンランドの氷の融解は進むものと予想され、すでにそのような兆候が出ています。

Q 2050年はわりと近い未来ですが、予想どおりの気温分布で進むと我々の生活にどのような変化がありますか?

生活様式の変化は気象学の範疇ではありませんが、ここのところ北海道内でも冷房が普及し、さらには小中学校の夏休みが調整されており、着実に暑い夏に備える生活になっているかと思います。

Q 年々気温が高くなるといわれていますが、この先の北海道の気温はどのように変化していくと予想されるのでしょうか? 10・20・30・40・50年と10年単位で教えていただけると嬉しいです。

10年単位の予想は、海洋循環の挙動と関係し難しいです。いまのところある程度の確実性をもって予測ができるのは、それよりも緩やかな変化に対してだけです。

Q 将来の気温を予測するうえで、どのような観測要素があるとより詳細に変化をとらえることができますか?

将来の予測の”将来”がどの時間を意味しているかによりますが、明日明後日であれば、上流側にあたる地点で上空の気温や気圧などを詳細に観測することで予測精度は上がることが期待できます。”将来”がそれより長くなると、観測で現況を捉えることよりも、数値シミュレーションによるところが大きくなります。気候変動予測などでは、二酸化炭素などの温室効果気体を長期にモニタリングすることも重要です。

Q 気候変動により、道内に生息する動物に変化があれば教えてください。特に昆虫が気になります。

専門分野ではないのでお答えが難しいところですが、高温に適応できる生物が繁殖しやすくなることは考えられます。

Q 温暖化の影響を年々実感し、危機感を抱いております。一方で、この気温上昇を人間活動が原因であると認めない意見もあります。専門家の視点でこの意見について、どのようにお考えですか?

さまざまな証拠を積み重ねると、かなりの確度をもって、人間活動が原因であるということがいえます。

Q 温暖化において、都市化の影響はどの程度含まれているのでしょうか。都市化の影響がない場合と比べるとどのような差があるのでしょうか?

札幌市内の長期の気温上昇では地球温暖化の影響と都市化の影響はおよそ半々と言えます。

Q 太陽の黒点における年活動は、温暖化との影響はあるのでしょうか?

関係はないと考えられています。ただし、黒点の変動により太陽入射量が変化するため、気候へ与える影響については慎重に検討する必要はあります。

Q 今後、北海道も酷暑日を記録するような気候になるのでしょうか?

当面ないものと考えていますが、フェーン現象など特定の条件が重なった場合に酷暑日かそれに近い記録が出ることはあり得ます。

Q 北海道の人口が減っていると報道されていましたが、人口が減ることによって将来の気温上昇速度を遅らせる要因と成りえますか?

都市化など人間活動自体が気温上昇をもたらすことはありえますが、人口の増減と気象の間には直接的関係はありません。

Q 高緯度地域ほど、気温上昇が大きいのはなぜですか?

黒い方が日射を吸収しやすいというアイスアルベドフィードバックが利くためです。

Q 地球温暖化の要因として、CO2の増加量、人間の原因、自然の原因に区分すると、どのような割合となっているのか。

ご質問の解釈が難しいですが、CO2の増加は地球温暖化の主たる要因です。自然変動由来のCO2変動はありますが、人為起源のCO2増加に比べると明らかに時間スケールが異なり、また一方的な上昇ではないなど、特徴が異なります。

Q 開拓士がいた頃は、アメリカ人や英国人が北海道に沢山住んでいたのでしょうか?

開拓使は概ね78人の外国人技師を雇用し、そのうち48人がアメリカ人でした。イギリス人は4人、このほか中国、ロシア、ドイツ、オランダ、フランスの各国から技師を雇用し、北海道の近代化を担う人材を育成していくことになります。

Q 函館丸は主にどのような用途で使用されたのでしょうか?

続豊治、福士成豊が製作に関わった箱館丸(函館丸)は、主に輸送船として使われました。いくつものマスト(帆)を持つ西洋型帆船は、和船に比べて速力もあり、かつ大型化しているため、その輸送力に期待されました。

Q 気象庁では、天気予報以外でAIをどのように活用しているのですか。

天気予報以外では、文章を作ったり情報を整理したりするときにAIを活用し始めています。みなさんがAIに質問するのと似たような使い方です。これからもっと活用が広がるかもしれません。

Q 今後気象庁では、AIをどんどん活用していくのでしょうか。また、どのような場面で今後AIを活用していくのでしょうか。

気象庁では、これからAIをもっと活用していくことを考えています。天気予報だけでなく、海洋、地震、火山などの観測や予測でもAIの活用を進めていく予定です。たくさんのデータをAIに学ばせて、より正確で役立つ情報を届けられるよう研究が進められています。

Q 説明で気象レーダーの設置場所が、高層建築物の影響によりどんどん高い位置へ移転していますが、現在の場所において環境悪化が見込まれたとき、次はどこへ移設するのでしょうか。

気象レーダーは、雨雲を広い範囲で観測できるよう、山の上や高い場所に設置されています。もし周りの環境が変わり観測への影響が懸念される場合には、その状況を踏まえながら必要な対応を検討することになります。一方で、現在のレーダー観測所周辺の観測環境は良好に保たれていますが、観測環境が悪化しないよう、引き続き気象レーダーの重要性について広くご理解いただきながら、観測環境の維持に努めてまいります。

Q 近年「北海道・三陸沖後発地震注意情報」は「熱中症警戒アラート」などの情報が運用開始となったが、新たな情報発表に向けて検討しているものはありますか。

気象庁では、防災気象情報をより分かりやすく、より早く提供できるよう改善を進めています。例えば、線状降水帯については、令和11年頃から大雨の可能性が高い市町村を半日程度前から分布図で示し、早期の備えにつなげる予定です。また、火山分野でも、大規模噴火時の降灰予測情報について、火山灰の降る範囲や量をより分かりやすく伝えるための改善が検討されています。

Q いつから夏休み帳や冬休み帳に天気を書くことになったのですか。

いつから始まったのかは分かっていませんが、昔から夏休み帳や冬休み帳には天気を書く欄がありました。毎日空を見て、天気や季節の変化に気づき、天気に興味を持ってもらえたらうれしいです。

Q 将来、人為的に気象や火山など操作できるような時代はくるのでしょうか

将来どうなるかは分かりませんが、今の技術では天気や地震、火山の活動を自由に操作することはできません。雨を降りやすくする研究などは行われていますが、台風を止めたり、地震や火山の噴火を思い通りに起こしたり止めたりすることはできません。これからも気象庁では観測や研究を進めていきますし、皆さんも自然の変化を早く知り、災害に備えることが大切です。

Q 気象庁と防災庁のかかわりを教えてください。

防災庁はまだできていません(令和8年8月時点)が、災害への備えや対応を進めるための組織として準備が進められています。気象庁は災害につながる情報を発表し、防災庁はその情報を活用してみなさんの安全を守る役割になると考えられています。

Q 新幹線のホームが早くできてほしいです。

新幹線が早くできると便利になりますね。気象台の仕事ではありませんが、安全に整備が進むとよいですね。

Q 新しいビルが建つのが楽しみです。

新しいビルができるのが楽しみですね。札幌のまちがさらに元気になるとよいですね。

Q 庭の植物(いわゆる雑草)が去年と比べると、今年変化した。前にはなかった花が咲くなどしているが、温暖化の影響でしょうか。

庭の植物が去年と違って見えるからといって、それだけで地球温暖化の影響とは言えません。植物は、風や鳥などによって種が運ばれ、新しい場所で育つことがあります。そのため、これまで見たことのない花が咲いたのかもしれません。 地球温暖化の影響を調べるためには、長い期間にわたって同じような変化が続いているかを見ることが大切です。