大阪府周辺では、京都府・大阪府・兵庫県の3府県の境界付近で地殻内の地震活動が定常的にみられます。ここでは2018年6月18日にM6.1の地震が発生しています。また、和歌山県も地殻内の地震活動が活発な領域です。
他にはフィリピン海プレート内部の地震があり、大阪府周辺では深さ60km程度の場所で発生しています。
また、大阪府周辺には活断層が多数存在し、それぞれの長期評価は下表のとおりです。
大阪府周辺では、京都府・大阪府・兵庫県の3府県の境界付近で地殻内の地震活動が定常的にみられます。ここでは2018年6月18日にM6.1の地震が発生しています。また、和歌山県も地殻内の地震活動が活発な領域です。
他にはフィリピン海プレート内部の地震があり、大阪府周辺では深さ60km程度の場所で発生しています。
また、大阪府周辺には活断層が多数存在し、それぞれの長期評価は下表のとおりです。
図1 大阪府周辺の震央分布図及び断面図
(2000年~2024年に発生したM≧2.0の地震)
地震調査研究推進本部の長期評価による活断層のうち、大阪府に近い活断層をランク毎に色分けして表示している。
大阪府周辺の活断層の長期評価結果
断層帯名 起震断層/活動区間 |
予想する 地震規模(M) |
活断層の ランク*1 |
30年以内の 地震発生確率 |
地震後 経過率*2 |
---|---|---|---|---|
三方・花折断層帯 花折断層帯/中南部 |
7.3程度 | A*ランク | ほぼ0%~0.6% | 0.2~0.7 |
三峠・京都西山断層帯 京都西山断層帯 |
7.5程度 | A*ランク | ほぼ0%~0.8% | 0.3~0.7 |
有馬-高槻断層帯 | 7.5程度 | Zランク | ほぼ0%~0.04% | 0.2~0.4 |
六甲・淡路島断層帯 主部/六甲山地南縁 -淡路島東岸区間 |
7.9程度 | Aランク | ほぼ0%~1% | 0.2~0.6 |
奈良盆地東縁断層帯 | 7.4程度 | S*ランク | ほぼ0%~5% | 0.2~2.2 |
生駒断層帯 | 7.0~7.5程度 | Aランク | ほぼ0%~0.2% | 0.2~0.5 |
上町断層帯 | 7.5程度 | S*ランク | 2%~3% | 1.1~2より大 |
大阪湾断層帯 | 7.5程度 | Zランク | 0.005%以下 | 0.4以下 |
中央構造線断層帯 金剛山地東縁区間 |
6.8程度 | Zランク | ほぼ0% | 0.2~0.3 |
中央構造線断層帯 五条谷区間 |
7.3程度 | Xランク | 不明 | 不明 |
中央構造線断層帯 根来区間 |
7.2程度 | Aランク | 0.008%~0.3% | 0.4~0.6 |
中央構造線断層帯 紀淡海峡-鳴門海峡区間 |
7.5程度 | A*ランク | 0.005%~1% | 0.4~0.8 |
*1: | 今後30年以内の地震発生確率が3%以上を「Sランク」、0.1~3%を「Aランク」、0.1%未満を「Zランク」、不明(すぐに地震が起きることが否定できない)を「Xランク」と表記している。地震後経過率が0.7以上ある活断層については、ランクに「*」を付記している。 |
*2: | 最新活動(地震発生)時期から評価時点までの経過時間を、平均活動間隔で割った値。最新の地震発生時期から評価時点までの経過時間が、平均活動間隔に達すると1.0となる。 |
これらの活断層の評価は地震調査研究推進本部が行っており、地震発生確率は2025年1月1日時点を基準としている。
活断層の中には複数の活動区間を持つものもあるが、大阪府に近い活動区間を掲載している。
No. | 発生年月日 和暦 |
M*3 | 地震名、震央地名 | 津波 | 大阪府における*4 | 資料 | ||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
震度 | 主な被害 | 概要 | 詳細 | |||||
1 | 887年8月26日 仁和3年 |
8.0 ~ 8.5 | 南海道沖 (仁和地震) |
あり | 津波による死者多数 | - | - | |
2 | 1361年8月3日 正平16年 |
8 1/4 ~ 8.5 | 南海道沖 (正平地震) |
あり | 四天王寺倒壊により、圧死者5人 津波による被害あり |
- | - | |
3 | 1510年9月21日 永正7年 |
6.5 ~ 7.0 | 摂津・河内 (永正地震) |
死者あり 河内藤井寺、その他2社倒壊、人家の被害多数 |
- | - | ||
4 | 1579年2月25日 天正7年 |
6.0 ±1/4 |
摂津 | 四天王寺の鳥居崩壊 | - | - | ||
5 | 1596年9月5日 慶長1年 |
7 1/2 ±1/4 |
京都及び畿内 (慶長伏見地震) |
(6) | 堺で死者600余名、人家被害多数 | - | - | |
6 | 1662年6月16日 寛文2年 |
7 1/4 ~ 7.6 | 琵琶湖西岸 (寛文近江・若狭地震) |
(5~6) | 大坂城、高槻城、岸和田城破損 大阪で若干の死者 |
- | - | |
7 | 1707年10月28日 宝永4年 |
8.6 | 東南海道沖 (宝永地震) |
あり | (6) | 大阪で死者約750人、他に津波により死者多数 船舶被害1,300、落橋50 |
- | - |
8 | 1854年12月23日 安政1年 |
8.4 | 安政東海地震 | あり | (5) | 大阪で倒壊200軒 | - | - |
9 | 1854年12月24日 安政1年 |
8.4 | 安政南海地震 | あり | (5~6) | 津波による死者多数 船舶被害1,800、落橋10 |
- | - |
10 | 1891年10月28日 明治24年 |
8.0 | 濃尾地震 | (5) | 死者24人、負傷者94人、家屋全壊1,011棟 | - | ||
11 | 1899年3月7日 明治32年 |
7.0 | 紀伊大和地震 | (4) | 大阪砲兵工廠、小学校等損傷 | - | - | |
12 | 1927年3月7日 昭和2年 |
7.3 | 北丹後地震 | あり | 4 | 死者21人、負傷者126人 住家全壊127棟、住家半壊117棟 |
||
13 | 1936年2月21日 昭和11年 |
6.4 | 河内大和地震 | 5 | 死者8人、負傷者52人、住家全壊4棟 | |||
14 | 1944年12月7日 昭和19年 |
7.9 | 昭和東南海地震 | あり | 4 | 死者14人、負傷者135人、住家全壊199棟 | ||
15 | 1946年12月21日 昭和21年 |
8.0 | 昭和南海地震 | あり | 4 | 死者32人、負傷者46人、住家全壊234棟 | ||
16 | 1952年7月18日 昭和27年 |
6.7 | 吉野地震 | 4 | 死者2人、負傷者75人、住家全壊9棟 | |||
17 | 1995年1月17日 平成7年 |
7.3 | 平成7年(1995年)兵庫県南部地震 (阪神・淡路大震災) ⇒特設ページへ |
あり | 4 | 死者31人、負傷者3,589人 全壊895棟、半壊7,232棟 |
- | |
18 | 2000年10月6日 平成12年 |
7.3 | 平成12年(2000年)鳥取県西部地震 | 4 | 負傷者4人 | - | - | |
19 | 2004年9月5日 平成16年 |
7.4 | 東海道沖 | あり | 4 | 負傷者10人 【平成16年9月6日現在】 |
- | - |
20 | 2011年3月11日 平成23年 |
9.0 | 平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震 (東日本大震災) ⇒特設ページへ |
あり | 3 | 負傷者1人 長周期地震動により大阪府咲洲庁舎では内装材や防火戸等の一部に破損被害が生じたほか、エレベータの停止や閉じ込め事象が発生した。 |
- | - |
21 | 2013年4月13日 平成25年 |
6.3 | 淡路島付近 | 5弱 | 負傷者5人 | - | - | |
22 | 2018年6月18日 平成30年 |
6.1 | 大阪府北部 ⇒特設ページへ |
6弱 | 死者6人、負傷者384人 住家全壊20棟、住家半壊471棟 【令和元年8月20日現在】 |
- | ||
23 | 2024年1月1日 令和6年 |
7.6 | 令和6年能登半島地震 ⇒特設ページへ |
あり | 4 | 負傷者5人 【令和7年3月11日現在】 |
- | - |
*3: | 地震の規模(マグニチュード)。ただし平成23年(2011年)東北地方太平洋沖地震はモーメントマグニチュード。 | ||
*4: | 平成7年(1995年)兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)までの被害は、地震調査研究推進本部の「都道府県ごとの地震活動」や大阪府の「地域防災計画」から引用している。その後の地震については総務省消防庁の資料による。 また、1919年より前の地震の震度については大阪府地域防災計画に記載されている震度を括弧付きで掲載している。 |
図2 大阪府に被害を及ぼした地震
図3 大阪府に被害を及ぼした地震
(近畿地方周辺を拡大)
上表に掲載の地震を描画。橙線は地震調査研究推進本部による活断層、赤線は海溝軸。
ただし1884年以前の震源要素は理科年表、1885年~1918年の震源要素は茅野・宇津(2001)、宇津(1982,1985)による*5。
*5: | 宇津徳治(1982):日本付近のM6.0以上の地震および被害地震の表:1885年~1980年, 震研彙報,57,401-463. 宇津徳治(1985):日本付近のM6.0以上の地震および被害地震の表:1885年~1980年(訂正と追加),震研彙報, 60, 639-642. 茅野一郎・宇津徳治(2001):日本の主な地震の表,「地震の事典」第2版, 朝倉書店, 657pp. |