「阪神・淡路大震災」特設サイト

阪神・淡路大震災を契機とした震度観測の改善

 兵庫県南部地震の発生以降に、気象庁が行ってきた震度観測の改善について記載しています。

震度観測点の充実

 兵庫県南部地震の翌年(1996年)以降、気象庁では震度観測点をそれまでの約300箇所から600箇所以上に増強しました。
 また、この地震を機に自治体が独自に震度計を設置し、自らの初動防災対応に活用するようになりました。自治体など気象庁以外の機関が整備した震度計のデータも取り込むことで、きめ細かい震度情報を発表できるようになりました。​

1994年と2023年の震度観測点
震度観測点(左:1994年、右:2023年)
震度観測点数(1984~2023年)
震度観測点数(1984~2023年)


震度階級の細分化、地震情報の改善​

 1995年当時は震度0から震度6までは体感等により震度観測を行うこととしていましたが、震度7については現地調査により決定するものとなっていました。気象庁は、その後1996年に震度階級を改正し現在の10階級に分割すると同時に、震度7についても計測震度計で速報できるようにしました。​​

平成7年の地震情報 令和6年の地震情報
阪神淡路大震災当時の地震情報
令和6年1月1日の能登半島地震の地震情報


震度観測の変遷

実施年月 震度観測の変遷
1884年
(明治17年)
約600箇所の観測点で体感による震度の観測を開始
※当時は地震計による地震の観測体制が十分でなく、震動の強弱や揺れの方向等についての体感や被害調査等により、地震現象を把握していた
※震度階級は4階級(微、弱、強、烈)
1898年
(明治31年)
震度階級を7階級に細分化(震度0~6)
1904年
(明治37年)
気象官署や民間への委託をあわせ1437の観測所から震度データを収集
※昭和30年代にもほぼ同数の観測点が維持される
1908年
(明治41年)
震度階級に説明を付ける
1936年
(昭和11年)
震度階級の説明に人間の感覚や室内の状況、家屋の被害などを記述
1948年
(昭和23年)
福井地震
1949年
(昭和24年)
福井地震をきっかけとして、震度階級を8階級に細分化(震度7を追加)
体感による速報を開始(防災面を重視)
※震度の速報は震度6までとし、震度7は後日の調査により被害状況から判定するものとする
1958年
(昭和33年)
順次観測所の整理を実施
※昭和30年代に入り、地震計による地震の観測体制が構築されてきたことから、地震現象の把握のための震度観測はその役目を終える
※昭和63年には、全国158箇所の気象官署において震度観測が行われるのみとなった
1978年
(昭和53年)
震度6までの全ての階級に体感を示す
※震度階級の説明において、室内の状況、家屋の被害などのみを記載している階級があった
※体感による観測をより適切に行えるよう、気象庁の地震観測の指針(地震観測指針(観測編))に震度6までのすべての階級で体感の説明を示した
1988年
(昭和63年)
震度観測検討委員会の報告(昭和63年2月)を受けて、震度の機械観測(震度の計測化)の試験を開始
※体感による震度観測自体は廃止せず、震度の計測化を並行して進める
1993年
(平成5年)
震度観測点を約300箇所に増強
1995年
(平成7年)
平成7年(1995年)兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)
※この地震を機に、地方公共団体が独自に震度計を設置し、自らの初動防災対応に活用
1996年
(平成8年)
震度観測点を約600箇所に増強
1996年4月
(平成8年)
震度計による震度観測の開始(体感による観測の廃止)
1996年10月
(平成8年)
震度階級を10階級に細分化(震度5と震度6について、それぞれ「弱」と「強」に細分化)するとともに、
震度7についても計測震度計で速報できるようにした
1997年11月
(平成9年)
気象庁の震度情報に地方公共団体の震度データを含めて発表開始


参考資料

震度に関する検討会
震度の活用と震度階級の変遷等に関する参考資料(平成21年3月)[PDF形式:4.01MB]

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