2025年夏(6月〜8月)の天候

2025年9月1日 作成

2025年夏(6月〜8月)の特徴

* 気温は、北・東・西日本でかなり高かった。日本の夏の平均気温は最も高かった

気温は、夏を通じて偏西風が平年より北に偏って流れやすく、暖かい空気に覆われたため、北・東・西日本でかなり高く、1946年の統計開始以降、それぞれ夏として1位の高温となった。また、全国153の気象台等のうち132地点で、夏の平均気温が歴代1位の高温となった。日本の夏の平均気温(*)の基準値からの偏差は+2.36℃となり、統計を開始した1898年以降の夏として1位の高温となった。

* 降水量は、北・東日本太平洋側でかなり少なかった

降水量は、太平洋高気圧に覆われやすく、前線や低気圧の影響を受けにくかった北・東日本太平洋側でかなり少なかった。

* 日照時間は、北・東・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった

日照時間は、太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、北・東・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった。

概況

日本付近では夏を通じて偏西風が平年より北に偏って流れやすく、全国的に暖かい空気に覆われた。また、梅雨前線の活動が弱く、北・東・西日本は太平洋高気圧に覆われて晴れて気温が高い日が多かったため、夏の平均気温はかなり高かった。夏の平均気温平年差は、北日本で+3.4℃、東日本で+2.3℃、西日本で+1.7℃となり、1946年の統計開始以降、夏として1位の高温となった。全国のアメダス地点で観測された猛暑日の地点数の積算は、現在と比較可能な2010年以降では、最も多かった2024年の8821地点を超えて、9385 地点となった。また、全国153の気象台等のうち132地点で、夏の平均気温が歴代1位の高温となった(9地点のタイ記録を含む)。地球温暖化等の長期的な気候変動の監視に用いる15地点の観測値による日本の夏の平均気温(*)の基準値からの偏差は+2.36℃で、これまで最も高かった2023年、2024年の+1.76℃を0.60℃上回り、統計を開始した1898年以降の夏として1位の高温となり、3年連続の記録的な高温の夏となった。

夏の日照時間は、太平洋高気圧に覆われやすかった北・東・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった。夏の日照時間平年比は、東日本日本海側で140%、東日本太平洋側で137%となり、1946年の統計開始以降、夏として1位の多照となった。夏の降水量は、前線や低気圧の影響を受けにくかったため、北・東日本太平洋側でかなり少なく、西日本日本海側と西日本太平洋側では少なかった。

沖縄・奄美では、6月と8月は太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かったが、7月は台風や湿った空気の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かった。

春から盛夏期に向かう季節の進行がかなり早く、東北地方を除き5月に梅雨入り、6月に梅雨明けとなり、梅雨入り・明けが記録的に早い地域もあった。

(*)都市化による影響が比較的小さく、長期間の観測が行われている地点から、地域的に偏りなく分布するように選定した15地点(網走、根室、寿都、山形、石巻、伏木、飯田、銚子、境、浜田、彦根、宮崎、多度津、名瀬、石垣島)の気象台等の観測値を用いた統計。

平均気温は、北日本、東日本、西日本ではかなり高かった。沖縄・奄美では高かった。

降水量は、北日本太平洋側、東日本太平洋側ではかなり少なかった。西日本日本海側、西日本太平洋側では少なかった。北日本日本海側、東日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。

日照時間は、北日本日本海側、北日本太平洋側、東日本日本海側、東日本太平洋側、西日本日本海側、西日本太平洋側ではかなり多かった。沖縄・奄美では平年並だった。

気温、降水量、日照時間等の気候統計値

平均気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布 地域平均平年差、地域平均平年比の1位の値の更新状況
(図表)気温平年差、降水量平年比、日照時間平年比の分布

* 平均気温の高い記録を更新した地域

北日本、東日本、西日本、北海道地方、東北地方、関東甲信地方、北陸地方、東海地方、近畿地方、中国地方、四国地方、九州北部地方、九州南部

九州南部・奄美地方(タイ)

* 平均気温の低い記録を更新した地域

なし

* 降水量の多い記録を更新した地域

なし

* 降水量の少ない記録を更新した地域

なし

* 日照時間の多い記録を更新した地域

東日本、東日本日本海側、東日本太平洋側、北海道太平洋側、関東甲信地方、北陸地方、東海地方、近畿地方、近畿太平洋側、中国地方、山陰

北日本(タイ)、東北南部(タイ)、近畿日本海側(タイ)

* 日照時間の少ない記録を更新した地域

なし

旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過 平均気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均)
(図表)旬降水量の地域平均平年比、旬間日照時間の地域平均平年比の経過
この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1
(図表)気温の地域平均平年差の経過(5日移動平均) この図は翌月はじめに作成したものです。数日後により新しいデータを反映して図を作成していますので、引用等する場合は可能な限りこちらに掲載の図をご利用ください。(※1

全国のアメダス地点で観測された猛暑日の地点数の積算

夏の期間(6月1日〜8月31日)の推移を表し、この夏(赤線)と併せて2010年以降の主な高温年も示している。

月別の天候経過

6月の天候

7月の天候

8月の天候

循環場

500hPa高度場等の特徴

亜熱帯ジェット気流は、ユーラシア大陸から日本付近で平年より大きく北に偏って流れたため、日本付近の500hPa高度は平年より顕著に高く、全国的に暖かい空気に覆われやすいとともに、梅雨前線の活動が弱かった。海面気圧では、太平洋高気圧が強く日本付近に張り出し、北・東・西日本を中心に高気圧に覆われて晴れた日が多かった。一方、オホーツク海付近は低圧部となっており、北・東・西日本には暖かく湿った空気が流れ込んだ時期もあった。沖縄・奄美付近は平年からの隔たりが小さく 、太平洋高気圧に覆われやすい時期と、台風や湿った空気の影響を受けやすい時期があった。

月別値で作成した図を表示しています。 (※2、翌月はじめに暫定版として作成・掲載している日別値の図はこちら 翌月はじめに暫定的に日別値で作成した図で、月末までのデータを含まない事があります。6日頃に月別値で作成した図を掲載します。(月別値の図は掲載後にこちらで確認できます)
2025年夏(6月〜8月)平均500hPa高度・偏差の分布(単位:m) 2025年夏(6月〜8月)平均850hPa気温・偏差の分布(単位:℃)
2025年夏(6月〜8月)平均海面気圧・偏差の分布(単位:hPa) 2025年夏(6月〜8月)平均外向き長波放射量の偏差の分布(単位:W/m2
外向き長波放射量(OLR)の図は翌月数日経ってから作成しています。
※ 米国海洋大気庁(NOAA)が作成する外向き長波放射量(OLR)のデータが欠損により利用できない場合には、OLR偏差図は描画されません。

資料





: 特に作成日の言及がない図は、本資料を掲載した月初時点に作成したものです。

※1 : リンク先の図表類は、平年値更新時などに再作成されることがあります。リンク先にある平年値期間などの記述をご確認ください。

※2 : こちらに掲載しているものと同じ図を表示しています。平年値が変わった場合などには図を再作成することがあるため、解説内容と齟齬が生じることもあります。

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