気候系監視速報 ~気候系の診断情報~

 気象庁では、世界各地で起こった異常気象、それをもたらしたと考えられる大気大循環、海洋の状態等気候系を監視しています。これらの監視結果に基づき、月々の気候系の特徴をとりまとめた「気候系監視速報」を作成しています。
 なお、年間の異常気象・天候や気候系の特徴に関する総合的な情報は「気候変動監視レポート」をご覧ください。
※「気候系監視速報」は、2023年5月号(2023年6月発表)から気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)による大気循環場データ及び全球海面水温解析データ(COBE-SST2、MGDSST)に基づいて記述しています。

気候系の特徴(2024年9月)

  • 対流活動は、平年と比べて、カリブ海付近、西アフリカ北部、インド北部~フィリピンの東海上で活発、インド洋、中部太平洋熱帯域、南米中部で不活発だった。
  • 対流圏下層では、北太平洋で広く高気圧性循環偏差となり、太平洋高気圧は日本付近への張り出しが強かった。
  • 東アジア~北太平洋中緯度帯で偏西風が平年の位置より北寄りを流れ、特に東アジア付近で顕著だった。
  • 500hPa高度は、ロシア西部から東アジアにかけて波列状の偏差パターンとなり、東アジア付近では顕著な正偏差となった。
  • 北半球中緯度及び熱帯域の層厚換算温度はいずれも記録的に高かった。
  • 月平均気温は全国的にかなり高く、1946年の統計開始以降、東日本と西日本では9月として1位、沖縄・奄美では2017年と並んで1位タイの高温となった。

気候系監視速報


<過去分:2007年3月~2024年8月>

2011年5月号から2021年4月号までは、平年の期間を1981~2010年として記述しています。
2011年4月号までは、平年の期間を1979〜2004年として記述しています。
2014年1月号まではJRA-25/JCDASによる大気循環場データに基づいて記述しています。
2014年2月号から2023年4月号まではJRA-55による大気循環場データに基づいて記述しています。
2023年5月号からは気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)による大気循環場データに基づいて記述しています。


項目別の詳細情報

大気の循環・雪氷・海況図表類

2024年3月18日 「大気の循環・雪氷・海況図表類」について、気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)を用いた図表を、熱帯低気圧解析の品質が改善されたデータに基づくものに更新しました。外向き長波放射量(OLR)に基づく1991年以降のすべての図を、米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)より提供されたBlended OLRを用いたものに更新しました。
※外向き長波放射量(OLR)関連の図表や指数の値は、米国海洋大気庁(NOAA)気候予測センター(CPC)によるデータの提供状況によっては、更新が遅れる場合や灰色で塗られた欠損表示となる場合があります。

関連情報

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