1.気象データの全体像

気象データには、さまざまな要素(気温、降水量、風向風速など)があり、空間的(地上付近、上空など)、時間的(過去・現在・未来、観測や予報の間隔や対象期間)にさまざまなものがあります。

気象庁では、日々さまざまな観測データを収集し、スーパーコンピュータ等で解析・予測を行い、気象情報・データを作成しています。気象庁が収集・作成するデータは1日当たり2,100GBにもなります。これには海洋や地震・津波・火山のデータなども含まれます。

民間気象事業者等では、エリアを限定した詳細な予報や、スポーツ・健康・美容など分野に特化した情報など、顧客のニーズに応じた使いやすい気象データを作成・提供しています。

そのほかに、大学や国立研究開発法人などの研究機関でも、気象データを作成・提供している場合があります。研究機関が提供するデータは、研究活動にのみ利用可能であるなど、利用目的が限定される場合があります。

図:気象庁が作成・提供している主な気象データ
出典:2023年11月29日開催 令和5年度第3回気象データのビジネス活用セミナー(データ解説編) 気象庁プレゼン資料
https://www.wxbc.jp/wp-content/uploads/2023/11/dseminar2023-03/dseminar2023-03-2.pdf
(閲覧日:2024年1月23日)

2.気象データの入手について

気象庁のデータは、気象庁ホームページから直接入手する方法、(一財)気象業務支援センターから入手する方法、民間事業者当から入手する方法があります。また、民間事業者等が作成する気象データについては、その事業者等から入手することになります。

図:気象データ入手方法

(1)気象庁ホームページから入手する

気象庁のデータは、気象庁ホームページから入手可能なものもあります。アメダスの観測データや天気予報などが代表例です。

ただし、気象庁ホームページは、即時的・安定的な入手や大量のデータ取得が難しい場合があります。このため、ビジネス利用の場合には、後述の(2)、(3)で示すように(一財)気象業務支援センターや民間事業者から入手いただくことをお勧めします。気象庁のデータの種類や入手方法については、「付録:気象庁データの紹介」をご覧ください。また、更に詳細な解説等を掲載している「気象データ高度利用ポータルサイト」もご覧ください。

(2)気象業務支援センターから入手する

気象庁データの即時的・安定的な提供を受けたい場合や、数値予報モデルの結果や過去のアメダスデータを一括で入手したいなど大量のデータが必要な場合には、(一財)気象業務支援センターから入手いただくルートがあります。

○気象業務支援センター 「オンライン気象情報」
http://www.jmbsc.or.jp/jp/online/online.html

○気象業務支援センター 「過去の気象データについて」
http://www.jmbsc.or.jp/jp/offline/offline.html

(3)民間事業者等から入手する

顧客のニーズ等に応じて独自の観測や予報を行い、それらのデータを提供している民間事業者等があります。また、気象庁のデータを使いやすい形式に加工して提供している事業者もあります。どちらのデータも、さまざまなデバイスに対応するなどニーズに応じた形で提供されています。

データの提供だけでなく、気象データを用いたデータ分析などその他データと合わせた活用方法についてのコンサルティングを実施している事業者もあります。

WXBCホームページでは、法人会員の提供する気象関連サービスを紹介するページを設けています。

○WXBC「気象関連サービス紹介」
https://www.wxbc.jp/memberserviceintroduction/

(4)研究機関等から入手する

研究機関において、気象データを作成・提供している場合があります。データの利用にあたっては、各機関が定めている規約等に従ってください。

例えば、(国研)農業・食品産業技術総合研究機構からは、「農研機構メッシュ農業気象データ」を入手できます。このデータは、2023年12月のWXBCのデータテクノロジー研修「気象データ分析チャレンジ!」でも取り上げており、データの扱いについての解説もしています。

○農研機構メッシュ農業気象データ
https://amu.rd.naro.go.jp/

データ統合・解析システム(DIAS、事務局:(国研)海洋研究開発機構、事業補助:文部科学省)では、「気象庁第3次長期再解析(JRA-3Q)」など、気象庁のデータを含む気象データを入手できます。また、国内の気候変動研究プログラム等において作成された気候変動予測データ、さまざまな機関の観測データなども入手可能です。

○データ統合・解析システム
https://diasjp.net/