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エルニーニョ監視速報(No.286)
2016年6月の実況と2016年7月〜2017年1月の見通し
気象庁 地球環境・海洋部
平成28年7月11日

  • エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いているとみられる。
  • 夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性はこれまでの予測に比べて小さくなり、ラニーニャ現象の発生が秋になる可能性も出てきた。

解説

エルニーニョ/ラニーニャ現象

  • 6月の実況: エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いているとみられる。 6月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は-0.1℃で基準値に近い値だった(図1)。太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部にかけて平年より低かった(図2図4)。海洋表層の水温は、西部から東部にかけてのほぼ全域で平年より低かった(図3図5)。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年並で、大気下層の東風(貿易風)は中部で平年並だった(図6図7図8)。このような海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いていることを示している。
  • 今後の見通し: 夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性はこれまでの予測に比べて小さくなり、ラニーニャ現象の発生が秋になる可能性も出てきた。 海洋表層の冷水は5月から6月にかけてその中心が東進したが、この間、6月前半の西風偏差によって弱められた(図3図5図8)。冷水は今後東進して中部から東部にかけての海面水温が平年より低い状態を夏の間は強めるが、秋は前月に予測していたよりもその効果は小さいと考えられる。エルニーニョ予測モデルではこうした実況の変化を反映して前月よりもラニーニャ現象の発達が緩やかとなり、エルニーニョ監視海域の海面水温が、夏から秋にかけて基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測されている(図9)。以上のことから、夏の間にラニーニャ現象が発生する可能性はこれまでの予測に比べて小さくなり、ラニーニャ現象の発生が秋になる可能性も出てきた。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

  • 西太平洋熱帯域: 6月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値だった(図1)。今後秋にかけて基準値より高い値が続くと予測される(図10)。
  • インド洋熱帯域: インド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図1)。今後秋にかけて基準値に近い値が続くと予測される(図11)。
* 基準値は、その年の前年までの30年間の各月の平均値。西太平洋熱帯域とインド洋熱帯域では30年間の変化傾向による上昇分を加えている。

エルニーニョ監視海域の海面水温の予測(5か月移動平均)

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値の実況と予測を示した時系列グラフ エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測
  左の図は、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値(指数)の推移を示す。4月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、エルニーニョ予測モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)をボックスで示している。指数が赤/青の範囲に入っている期間がエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生期間である。
次回発表予定日時:8月10日14時

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