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エルニーニョ監視速報(No.287)
2016年7月の実況と2016年8月〜2017年2月の見通し
気象庁 地球環境・海洋部
平成28年8月10日

  • エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いているとみられる。
  • 今後秋の終わりまでにラニーニャ現象が発生する可能性が高い(70%)。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値の実況と予測を示した時系列グラフ
図1 エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値
5月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、エルニーニョ予測モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)をボックスで示している。指数が赤/青の範囲に入っている期間がエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生期間である。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率(予測期間:2016年6月〜2016年12月)

平均期間
2016年 6月2016年4月〜2016年8月
7月2016年5月〜2016年9月
8月2016年6月〜2016年10月
9月2016年7月〜2016年11月
10月2016年8月〜2016年12月
11月2016年9月〜2017年1月
12月2016年10月〜2017年2月
エルニーニョ現象 平常 ラニーニャ現象
図2 5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率
エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が+0.5℃以上/-0.4℃〜+0.4℃/-0.5℃以下の範囲に入る確率を、それぞれ赤/黄/青の横棒の長さで月ごとに示す。気象庁の定義では+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態が6か月以上持続した場合にエルニーニョ(ラニーニャ)現象の発生としているが、エルニーニョ監視速報においては速報性を損なわないように、原則として1か月でも+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態となった場合に「エルニーニョ(ラニーニャ)現象が発生」と表現している。

解説

エルニーニョ/ラニーニャ現象

  • 7月の実況: エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いているとみられる。 7月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は-0.6℃で基準値より低い値だった(図3)。太平洋赤道域の海面水温は、中部から東部にかけて平年より低く、西部で平年より高かった(図4図6)。海洋表層の水温は、西部から東部にかけてのほぼ全域で平年より低かった(図5図7)。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、大気下層の東風(貿易風)は中部で平年より強かった(図8図9図10)。このような海洋と大気の状態はラニーニャ現象の発生が近いことを示しているが、東部太平洋赤道域の海面水温の変化は緩やかであることから、ラニーニャ現象の発生には至っていないと判断される。
  • 今後の見通し: 今後秋の終わりまでにラニーニャ現象が発生する可能性が高い(70%)。 海洋表層の冷水は5月から6月にかけてその中心が東進した後、7月には中部で停滞している(図5図7)。この冷水は中部の海面水温を平年より低い状態で維持するように働いていると考えられる。エルニーニョ予測モデルにおけるラニーニャ現象の発達は緩やかで、エルニーニョ監視海域の海面水温が、秋にかけては基準値に近い値か基準値より低い値で推移すると予測している(図11)。冬は基準値より低い値で推移すると予測しているが、予測の不確実性が大きい。以上のことから、今後秋の終わりまでにラニーニャ現象が発生する可能性が高い(70%)(図1図2)。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

  • 西太平洋熱帯域: 7月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値だった(図3)。今後冬にかけて基準値より高い値が続くと予測される(図12)。
  • インド洋熱帯域: インド洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図3)。今後冬にかけて基準値に近い値が続くと予測される(図13)。
* 基準値は、その年の前年までの30年間の各月の平均値。西太平洋熱帯域とインド洋熱帯域では30年間の変化傾向による上昇分を加えている。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率値(図2)と主文における見通しの表現

発生確率
エルニーニョ平常ラニーニャ主文における表現(発生確率は例)
現象現象
50%以上30%以下エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
60%40%0%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
エルニーニョ50%40%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生50%50%0%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)40%40%20%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
40%50%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
40%60%0%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
30%以下50%以上ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
0%40%60%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
ラニーニャ10%40%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生0%50%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)20%40%40%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
10%50%40%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
0%60%40%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
平常の状態
への移行30%以下50%以上30%以下平常の状態になる(が続く)可能性が高い(50%)。
(持続)
次回発表予定日時:9月9日14時

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