エルニーニョ監視速報(No.405)
2026年5月の実況と2026年6月〜2026年12月の見通し
気象庁 大気海洋部
令和8年6月10日

  • 2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられる。
  • 今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)。

エルニーニョ監視指数の経過と予測

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値の実況と予測を示した時系列グラフ
図1 エルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値の経過と予測
エルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値について、3月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、大気海洋結合モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)をボックスで示している。監視指数の5か月移動平均値が赤(+0.5℃以上)/青(-0.5℃以下)の範囲に入っている状態で6か月以上持続した場合に、エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生としている。エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値はその年の前年までの30年間の各月の平均値。

エルニーニョ監視指数の確率予測(予測期間:2026年4月〜2026年10月)

平均期間各月の確率
2026年 4月2026年2月〜2026年6月
5月2026年3月〜2026年7月
6月2026年4月〜2026年8月
7月2026年5月〜2026年9月
8月2026年6月〜2026年10月
9月2026年7月〜2026年11月
10月2026年8月〜2026年12月
高い 平常 低い
図2 各月のエルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値が各カテゴリー(高い/平常/低い)に入る確率(%)
エルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値が高い(+0.5℃以上)/平常(-0.4℃〜+0.4℃)/低い(-0.5℃以下)の範囲に入る確率を、それぞれ赤/黄/青の横棒の長さで月ごとに示す。気象庁の定義では、監視指数の5か月移動平均値が高(低)い状態で6か月以上持続した場合にエルニーニョ(ラニーニャ)現象の発生としているが、エルニーニョ監視速報においては速報性の観点から、実況と予測を合わせた監視指数の5か月移動平均値が高(低)い状態で6か月以上持続すると見込まれる場合に「エルニーニョ(ラニーニャ)現象が発生」と表現している。

解説

エルニーニョ/ラニーニャ現象

  • 5月の実況:2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられる。 5月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+1.2℃で、基準値より高い値となった(図3)。エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の3月の値は+0.4℃で、基準値に近い値だったが、上昇傾向が続いている。太平洋赤道域の海面水温は、中部と東部を中心に全域で平年より高かった(図4図6)。太平洋赤道域の海洋表層の水温は、中部と東部を中心に全域で平年より高かった(図5図7)。対流活動は、太平洋赤道域の日付変更線付近ではほぼ平年並だったが、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年より弱まった(図8図9図10)。このような大気と海洋の状態は、海洋はエルニーニョ現象時の特徴がすでに現れ、大気にもその特徴が現れ始めていることを示している。このことから、2026年春からエルニーニョ現象が発生しているとみられる。
  • 今後の見通し:今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)。 実況では、太平洋赤道域の海洋表層で見られる暖水が東進している。大気海洋結合モデルは、この暖水の東進が太平洋赤道域の中部から東部の海面水温を平年より高い状態で維持するように働くとともに、その後も大気と海洋の相互作用により強化された海洋表層の暖水の東進が継続することに伴い、エルニーニョ監視海域の海面水温が秋にかけて上昇し、基準値より高い値で推移すると予測している(図11)。以上のことから、今後、秋にかけてエルニーニョ現象が続く見込み(100%)。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

  • 西太平洋熱帯域: 5月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図3)。今後、秋にかけて基準値より低い値で推移すると予測される(図12)。
  • インド洋熱帯域: 5月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値だった(図3)。今後、夏は基準値より低い値か基準値に近い値で推移し、秋は基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測される(図13)。

5月の日本と世界の天候への影響

  • 日本: エルニーニョ現象時の特徴は明瞭に見られなかった。今後の日本の天候については、最新の季節予報を参照されたい。
  • 世界: 中米~中部太平洋熱帯域の高温傾向が、エルニーニョ現象時の特徴に一致していた。

主文におけるエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率と見通しの表現

* 主文におけるエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率は、図2の各月の確率を基に、エルニーニョ監視海域の監視指数の5か月移動平均値が+0.5℃以上/-0.5℃以下の状態が6か月以上持続する可能性を総合的に評価したもの。
 主文における表現は、この発生確率を基に季節単位で下表の表現を用いて記述するが、状況により異なる表現を用いることもある。
発生確率
エルニーニョ平常ラニーニャ主文における表現(発生確率は例)
現象現象
50%以上30%以下エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
60%40%0%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
エルニーニョ50%40%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生50%50%0%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)40%40%20%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
40%50%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
40%60%0%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
30%以下50%以上ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
0%40%60%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
ラニーニャ10%40%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生0%50%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)20%40%40%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
10%50%40%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
0%60%40%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
平常の状態
への移行30%以下50%以上30%以下平常の状態になる(が続く)可能性が高い(50%)。
(持続)
次回発表予定日時:7月10日14時

このページのトップへ