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エルニーニョ監視速報(No.285)
2016年5月の実況と2016年6月〜2016年12月の見通し
気象庁 地球環境・海洋部
平成28年6月10日

  • 2014年夏に発生したエルニーニョ現象は、2016年春に終息したとみられる。
  • 今後、夏の間にラニーニャ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高い。
  • インド洋熱帯域の海面水温は基準値(*)より高い値が続いており、今後秋にかけて次第に基準値に近づくと予測される。
* 基準値は、その年の前年までの30年間の各月の平均値。西太平洋熱帯域とインド洋熱帯域では30年間の変化傾向による上昇分を加えている。

解説

エルニーニョ/ラニーニャ現象

  • 5月の実況: 2014年夏に発生したエルニーニョ現象は、2016年春に終息したとみられる。 5月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.1℃で基準値に近い値だった。エルニーニョ現象発生の判断に利用している5か月移動平均値は、3月までの22か月間+0.5℃以上だった(図1)。5月の太平洋赤道域の海面水温は、西部と中部で平年より高かったが、東部では平年並で平年より低い海域も見られた(図2図4)。海洋表層の水温は、西部から東部にかけてのほぼ全域で平年より低かった(図3図5)。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年並で、大気下層の東風(貿易風)は中部で平年並だった(図6図7図8)。このような海洋と大気の状態は、エルニーニョ現象が2016年春に終息したことを示している。
  • 今後の見通し: 今後、夏の間にラニーニャ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高い。 海洋表層の実況に見られる冷水(図3)は今後東進し、中部から東部にかけての海面水温が平年より低い状態を強めると考えられる。エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が、夏から秋にかけて基準値より低い値で推移すると予測している(図9)。以上のことから、今後、夏の間にラニーニャ現象が発生し、秋にかけて続く可能性が高い。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

  • 西太平洋熱帯域: 5月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図1)。今後夏から秋にかけて基準値より高い値が続くと予測される(図10)。
  • インド洋熱帯域: インド洋熱帯域の海面水温は、2015年3月から基準値より高い値だった(図1)。今後秋にかけて次第に基準値に近づくと予測される(図11)。

5月の日本と世界の天候への影響

  • 日本: 西日本と沖縄・奄美の高温にはインド洋熱帯域の高温が影響していたとみられる。
  • 世界: 西アフリカ南部、インド西部、東アジアの東部、東南アジア〜オーストラリア北東部、中米〜南米東部、カナダ西部の高温が、インド洋熱帯域高温時の天候の特徴に一致していた。

エルニーニョ監視海域の海面水温の予測(5か月移動平均)

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値の実況と予測を示した時系列グラフ エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測
  左の図は、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値(指数)の推移を示す。3月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、エルニーニョ予測モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)をボックスで示している。指数が赤/青の範囲に入っている期間がエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生期間である。
次回発表予定日時:7月11日14時

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