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エルニーニョ監視速報(No.284)
2016年4月の実況と2016年5月〜2016年11月の見通し
気象庁 地球環境・海洋部
平成28年5月12日

  • 2014年夏に発生したエルニーニョ現象は弱まりつつある。
  • エルニーニョ現象は春の間に終息するとみられ、夏にはラニーニャ現象が発生する可能性が高い。

解説

エルニーニョ/ラニーニャ現象

  • 4月の実況: 2014年夏に発生したエルニーニョ現象は弱まりつつある。 4月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.8℃で、3月より0.8℃低くなった。エルニーニョ現象発生の判断に利用している5か月移動平均値は、2月までの21か月間+0.5℃以上だった(図1)。4月の太平洋赤道域の海面水温は、中部で平年よりかなり高かったが、東部では平年に近づき、平年より低い海域も見られた(図2図4)。海洋表層の水温は、西部から東部にかけてのほぼ全域で平年より低かった(図3図5)。太平洋赤道域の対流活動は日付変更線付近で平年より活発で、大気下層の東風(貿易風)は中部で平年より弱かった(図6図7図8)。このような大気の状態にはエルニーニョ現象時の特徴がまだ見られるが、海洋の状態はエルニーニョ現象が弱まりつつあることを示している。
  • 今後の見通し: エルニーニョ現象は春の間に終息するとみられ、夏にはラニーニャ現象が発生する可能性が高い。 海洋表層の実況に見られる冷水(図3)は今後東進し、東部の海面水温が平年より低い状態を強めると考えられる。エルニーニョ予測モデルは、エルニーニョ監視海域の海面水温が、夏から秋にかけて基準値より低い値で推移すると予測している(図9)。以上のことから、エルニーニョ現象は春の間に終息するとみられ、夏にはラニーニャ現象が発生する可能性が高い。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

  • 西太平洋熱帯域: 4月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値だった(図1)。夏には基準値より高い値になり、秋にかけて続くと予測される(図10)。
  • インド洋熱帯域: 4月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より高い値だった(図1)。今後、夏にかけて基準値より高い値で推移し、秋には次第に基準値に近づくと予測される(図11)。

4月の日本と世界の天候への影響

  • 日本: 東日本以西の高温と西日本の多雨・寡照にはエルニーニョ現象が影響していたとみられる。
  • 世界: 西アフリカ、マダガスカル付近、インド南部、東南アジア及びオーストラリア東部の高温がエルニーニョ現象時の天候の特徴と一致していた。

エルニーニョ監視海域の海面水温の予測(5か月移動平均)

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値の実況と予測を示した時系列グラフ エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測
  左の図は、エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値(指数)の推移を示す。2月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、エルニーニョ予測モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)をボックスで示している。指数が赤/青の範囲に入っている期間がエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生期間である。
次回発表予定日時:6月10日14時

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