キーワードを入力し検索ボタンを押下ください。



エルニーニョ監視速報(No.294)
2017年2月の実況と2017年3月〜2017年9月の見通し
気象庁 地球環境・海洋部
平成29年3月10日

  • エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いている。
  • 春から夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性もある(40%)が、平常の状態が続く可能性の方がより高い(60%)。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値の実況と予測を示した時系列グラフ
図1 エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値
12月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、エルニーニョ予測モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)をボックスで示している。指数が赤/青の範囲に入っている期間がエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生期間である。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率(予測期間:2017年1月〜2017年7月)

平均期間
2017年 1月2016年11月〜2017年3月
2月2016年12月〜2017年4月
3月2017年1月〜2017年5月
4月2017年2月〜2017年6月
5月2017年3月〜2017年7月
6月2017年4月〜2017年8月
7月2017年5月〜2017年9月
エルニーニョ現象 平常 ラニーニャ現象
図2 5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率
エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が+0.5℃以上/-0.4℃〜+0.4℃/-0.5℃以下の範囲に入る確率を、それぞれ赤/黄/青の横棒の長さで月ごとに示す。気象庁の定義では+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態が6か月以上持続した場合にエルニーニョ(ラニーニャ)現象の発生としているが、エルニーニョ監視速報においては速報性を損なわないように、原則として1か月でも+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態となった場合に「エルニーニョ(ラニーニャ)現象が発生」と表現している。

解説

エルニーニョ/ラニーニャ現象

  • 2月の実況: エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いている。 2月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.5℃で基準値より高い値だった(図3)。太平洋赤道域の海面水温は、西部と東部で平年より高く、中部では平年より低い状態が1月に比べて弱まった(図4図6)。海洋表層では、1月に中部から東部で見られた水温が平年より低い状態は2月には次第に弱まった。一方、西部では海洋表層の水温が平年より高い状態が続いた(図5図7)。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発だったが、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年並だった(図8図9図10)。このように、大気と海洋の状態にはエルニーニョ/ラニーニャ現象時の特徴が明瞭ではなく、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いている。
  • 今後の見通し: 春から夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性もある(40%)が、平常の状態が続く可能性の方がより高い(60%)。 1月から2月にかけて東部太平洋赤道域で海面水温の正偏差域が広がり(図6)、1月に中部から東部の海洋表層に見られた冷水は弱まって、2月下旬には西部から東部にかけての太平洋赤道域のほぼ全域で暖水が見られるようになった(図7)。こうした実況の変化を反映して、エルニーニョ予測モデルの予測も前月に比べて高温寄りに変化し、エルニーニョ監視海域の海面水温が、予測期間中、基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測している(図11)。以上のことから、春から夏にかけてエルニーニョ現象が発生する可能性もある(40%)が、平常の状態が続く可能性の方がより高い(60%)(図1図2)。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

  • 西太平洋熱帯域: 2月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図3)。今後夏にかけて基準値に近い値で推移すると予測される(図12)。
  • インド洋熱帯域: 2月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値だった(図3)。春から夏にかけて概ね基準値に近い値で推移すると予測される(図13)。
* 基準値は、その年の前年までの30年間の各月の平均値。西太平洋熱帯域とインド洋熱帯域では30年間の変化傾向による上昇分を加えている。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率値(図2)と主文における見通しの表現

発生確率
エルニーニョ平常ラニーニャ主文における表現(発生確率は例)
現象現象
50%以上30%以下エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
60%40%0%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
エルニーニョ50%40%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生50%50%0%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)40%40%20%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
40%50%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
40%60%0%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
30%以下50%以上ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
0%40%60%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
ラニーニャ10%40%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生0%50%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)20%40%40%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
10%50%40%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
0%60%40%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
平常の状態
への移行30%以下50%以上30%以下平常の状態になる(が続く)可能性が高い(50%)。
(持続)
次回発表予定日時:4月10日14時

このページのトップへ