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エルニーニョ監視速報(No.295)
2017年3月の実況と2017年4月〜2017年10月の見通し
気象庁 地球環境・海洋部
平成29年4月10日

  • 東部太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなっているが、依然としてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いている。
  • エルニーニョ現象が夏の終わりまでに発生する可能性は50%である。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の経過と予測

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値の実況と予測を示した時系列グラフ
図1 エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値
1月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、エルニーニョ予測モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)をボックスで示している。指数が赤/青の範囲に入っている期間がエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生期間である。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率(予測期間:2017年2月〜2017年8月)

平均期間
2017年 2月2016年12月〜2017年4月
3月2017年1月〜2017年5月
4月2017年2月〜2017年6月
5月2017年3月〜2017年7月
6月2017年4月〜2017年8月
7月2017年5月〜2017年9月
8月2017年6月〜2017年10月
エルニーニョ現象 平常 ラニーニャ現象
図2 5か月移動平均値が各カテゴリー(エルニーニョ現象/平常/ラニーニャ現象)に入る確率
エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値が+0.5℃以上/-0.4℃〜+0.4℃/-0.5℃以下の範囲に入る確率を、それぞれ赤/黄/青の横棒の長さで月ごとに示す。気象庁の定義では+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態が6か月以上持続した場合にエルニーニョ(ラニーニャ)現象の発生としているが、エルニーニョ監視速報においては速報性を損なわないように、原則として1か月でも+0.5℃以上(-0.5℃以下)の状態となった場合に「エルニーニョ(ラニーニャ)現象が発生」と表現している。

解説

エルニーニョ/ラニーニャ現象

  • 3月の実況: 東部太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなっているが、依然としてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いている。 3月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差は+0.5℃で基準値より高い値だった(図3)。太平洋赤道域の海面水温は、西部と東部で平年より高く、日付変更線付近では平年より低かった(図4図6)。海洋表層では、西部と東部で平年より高い状態が強まり、中部で平年より低い状態が強まった(図5図7)。太平洋赤道域の日付変更線付近の対流活動は平年より不活発で、中部の大気下層の東風(貿易風)は平年より強かった(図8図9図10)。東部太平洋赤道域の海面水温が平年より高くなっているが、大気と海洋の状態にはエルニーニョ/ラニーニャ現象時の特徴が明瞭には見られず、依然としてエルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態が続いていることを示している。
  • 今後の見通し: エルニーニョ現象が夏の終わりまでに発生する可能性は50%である。 東部太平洋赤道域では2月から3月にかけて海面水温の正偏差が維持され(図6)、大気下層の西風偏差により海洋表層の暖水が強まったが、中部太平洋赤道域では大気下層の東風偏差により海洋表層の冷水が強まった(図7図10)。こうした実況の変化を反映して、2〜3か月先までのエルニーニョ予測モデルの予測は前月に比べて高温寄りに変化したが、夏以降の予測は先月とほぼ同様で不確実性が大きく、エルニーニョ監視海域の海面水温が、春のうちは基準値より高い値、夏は基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測している(図11)。以上のことから、エルニーニョ現象が夏の終わりまでに発生する可能性は50%である(図1図2)。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

  • 西太平洋熱帯域: 3月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値に近い値だった(図3)。今後夏にかけて基準値に近い値で推移すると予測される(図12)。
  • インド洋熱帯域: 3月のインド洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値だった(図3)。今後夏にかけて次第に基準値に近づくと予測される(図13)。
* 基準値は、その年の前年までの30年間の各月の平均値。西太平洋熱帯域とインド洋熱帯域では30年間の変化傾向による上昇分を加えている。

エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率値(図2)と主文における見通しの表現

発生確率
エルニーニョ平常ラニーニャ主文における表現(発生確率は例)
現象現象
50%以上30%以下エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
60%40%0%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
エルニーニョ50%40%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生50%50%0%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)40%40%20%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
40%50%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
40%60%0%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
30%以下50%以上ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
0%40%60%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
ラニーニャ10%40%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生0%50%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)20%40%40%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
10%50%40%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
0%60%40%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
平常の状態
への移行30%以下50%以上30%以下平常の状態になる(が続く)可能性が高い(50%)。
(持続)
次回発表予定日時:5月12日14時

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