平成30年 No.13 週間火山概況 (3月23日~3月29日)

【火山現象に関する警報等の発表状況】

27日に鳥海山の噴火警戒レベルの運用を開始し、噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)を発表しました。その他の火山については、噴火に関する予報警報事項(警戒が必要な事項)に変更はありません。

表1 3月29日現在の火山現象に関する警報等の発表状況

特別警報・警報・予報 噴火警戒レベル及びキーワード 該当火山
火口周辺警報 レベル3(入山規制) 霧島山(新燃岳)、桜島、口永良部島
入山危険 西之島※
レベル2(火口周辺規制) 草津白根山(本白根山)、浅間山、霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)、薩摩硫黄島、諏訪之瀬島
火口周辺危険 硫黄島※
噴火警報(周辺海域) 周辺海域警戒 ベヨネース列岩※、福徳岡ノ場※
噴火予報 レベル1(活火山であることに留意) アトサヌプリ、雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、倶多楽、有珠山、北海道駒ヶ岳、恵山、岩木山、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、鳥海山、蔵王山、吾妻山、安達太良山、磐梯山、那須岳、日光白根山、草津白根山(白根山(湯釜付近))、新潟焼山、焼岳、御嶽山、白山、富士山、箱根山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、鶴見岳・伽藍岳、九重山、阿蘇山、雲仙岳、霧島山(御鉢)
活火山であることに留意 上記以外の活火山
※印のついた火山は火山現象に関する海上警報も発表中。

図1 噴火警報発表中の火山

図1 噴火警報及び火山現象に関する海上警報を発表中の火山(3月29日現在)




【警報発表中の火山の活動状況及び警報事項】


草津白根山(本白根山) [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]

 1月23日の噴火以降、噴火は発生していません。
 噴火後に多発した火口付近ごく浅部の火山性地震は、徐々に減少しながら継続しています。
 GNSS1)連続観測では、噴火に伴う変化以外に特段の変化は観測されていません。
 本白根山では、引き続き1月23日と同様な噴火が発生する可能性があります。本白根山の火口から概ね1kmの範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石2)に警戒してください。噴火時には、風下側で火山灰だけでなく小さな噴石2)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。


浅間山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 山頂火口からの噴煙は白色で、火口縁上概ね300m以下で推移しています。
 山頂付近直下の火山性地震は、多い状態で経過しました(図2)。火山性微動も多い状態で経過しました。
 山頂の南南西にある塩野山の傾斜計3)では、2016年12月頃からみられている北または北西上がりのわずかな変化は鈍化しています。GNSS連続観測によると、浅間山西部の一部の基線で2017年秋頃からみられていたわずかな伸びは停滞しています。
 火山活動はやや活発な状態で経過しています。今後も火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性があるため、山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。登山者等は地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
 浅間山 火山性地震の日別回数(2014年1月1日~2018年3月29日)
(▲はごく小規模な噴火を示す)  

図2 浅間山 火山性地震の日別回数(2014年1月1日~2018年3月29日) (▲はごく小規模な噴火を示す)


ベヨネース列岩 [噴火警報(周辺海域警戒)及び火山現象に関する海上警報]

 海上保安庁、第三管区海上保安本部によるこれまでの観測で、明神礁付近では火山活動によるとみられる変色水や気泡が時々観測されるなど、活動は活発な状態が続いています。今後、小規模な海底噴火が発生する可能性がありますので、明神礁付近及び周辺海域では海底噴火に警戒してください。また、周辺海域では海底噴火による浮遊物(軽石等)に注意してください。


西之島 [火口周辺警報(入山危険)及び火山現象に関する海上警報]

 海上保安庁、第三管区海上保安本部、海上自衛隊及び気象庁によるこれまでの観測では、2017年8月11日以降火口からの火山灰や噴石の噴出は認められず、8月24日には溶岩流の海への流入も止まっていたとみられます。しかし、約1年半の休止期間の後、2017年4月に噴火した経緯を踏まえると、今後も噴火が再開する可能性が考えられますので、火口から概ね1.5kmの範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。


硫黄島 [火口周辺警報(火口周辺危険)]

 阿蘇台陥没孔からの噴気は白色で、火口縁上概ね70m以下で経過しました。
 火山性地震は、やや少ない状態で経過しました。火山性微動は観測されていません。
 GNSS連続観測によると、島の隆起が継続しています。
 硫黄島の島内は全体に地温が高く、多くの噴気地帯や噴気孔があり、過去には各所で小規模な噴火が発生しています。
 火山活動はやや活発な状態で経過しており、火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想されますので、以前に小規模な噴火が発生した地点(ミリオンダラーホール(旧噴火口)等)及びその周辺では引き続き噴火に警戒してください。


福徳岡ノ場 [噴火警報(周辺海域警戒)及び火山現象に関する海上警報]

 海上保安庁、第三管区海上保安本部、海上自衛隊及び気象庁によるこれまでの観測によると、福徳岡ノ場付近の海面には長期にわたり火山活動によるとみられる変色水等が確認されるなど、活動はやや活発な状態で経過しています。今後も小規模な海底噴火が発生すると予想されますので、周辺海域では海底噴火に警戒してください。また、周辺海域では海底噴火による浮遊物(軽石等)に注意してください。


霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺) [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 硫黄山では、火山活動がやや高まった状態が続いています。
 ごく微小な地震を含む火山性地震は、概ねやや多い状態で経過しています。また、浅い所を震源とする低周波地震が時々発生しています。火山性微動は観測されていません。
 28日に実施した現地調査では、硫黄山周辺の噴気域でこれまでと同様に熱異常域を確認しましたが、前回(2月26日)と比べて特段の変化は認められませんでした。
 噴気は稜線上100mまで上がりました。
 硫黄山南西観測点の傾斜計では、16日頃から硫黄山方向がわずかに隆起する傾斜変動がみられています。
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸びが継続していましたが、新燃岳の2018年3月6日の噴火に伴い、3月6日から7日にかけて急激な収縮が観測されました。その後、再び霧島山を挟む基線での伸びが継続しています。このことから、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積している可能性があります。
 えびの高原の硫黄山から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、降灰及び風の影響を受ける小さな噴石(火山れき4))に注意してください。


霧島山(新燃岳) [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]

 新燃岳では、噴火活動が続いています。
 25日に噴火が2回発生し、そのうち1回は爆発的噴火でした。07時35分に発生した爆発的噴火では、噴煙が火口縁上3,200mまで上がり、弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口の中心から800mまで飛散しました。また、08時45分に発生した噴火では、噴煙が火口縁上2,100mまで上がり、ごく小規模な火砕流5)が新燃岳の火口縁から西側へ約400m(新燃岳火口の中心から約800m)流下しました。この噴火は、25日13時00分まで継続しました。
 26日に宮崎県の協力により実施した上空からの観測では、火口内の西側に新たな火孔を確認するとともに、火口縁の西側に火砕流の流下痕を確認しました。また、28日に実施した現地調査では、火口内の西側の火孔付近に明瞭な高温域や流下する北西側斜面の溶岩の縁辺に複数の高温域を確認しました。
 溶岩の火口内への噴出は9日頃には概ね停止したとみられていますが、火口の北西側から溶岩が流下し、観測を開始した9日18時頃から29日12時頃までに約85m流下しました。
 24日及び28日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量6)は1日あたり300トン(前回22日、600トン)と、やや減少しました。
 火山性地震は24日から25日にかけて多い状態となり、その後は少ない状態で経過しました。
 高千穂河原観測点の傾斜計では、噴火に伴い山体がわずかに隆起沈降する変動が観測されています。
 GNSS連続観測では、2017年7月頃から霧島山を挟む基線での伸びが継続していましたが、新燃岳の2018年3月6日の噴火に伴い、3月6日から7日にかけて急激な収縮が観測されました。その後、再び霧島山を挟む基線での伸びが継続しています。このことから、霧島山の深い場所で再びマグマが蓄積している可能性があります。
 弾道を描いて飛散する大きな噴石が火口から概ね3kmまで、火砕流が概ね2kmまで達する可能性があります。そのため、火口から概ね3kmの範囲では警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。2011年と同様に爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。地元自治体等が行う立入規制等にも留意してください。また、地元自治体等が発表する火山ガスの情報にも留意してください。なお、今後の降灰状況次第では、降雨時に土石流が発生する可能性がありますので留意してください。


桜島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]

 桜島では、活発な噴火活動が続いています。
 南岳山頂火口では、噴火が25回発生し、そのうち6回が爆発的噴火でした。弾道を描いて飛散する大きな噴石は、最大で7合目(南岳山頂火口より600mから900m)まで達しました。26日15時41分の爆発的噴火では、噴煙が火口縁上3,400mまで上がりました。また、同火口では、23日未明及び27日未明に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 昭和火口では、噴火は観測されていません。
 23日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、1日あたり1,300トン(前回2月23日、600トン)とやや多い状態でした。
 火山性地震は23日にやや多い状態となりましたが、その後は少ない状態で経過しました。噴火に伴う火山性微動は、27日頃までは断続的に発生し、その後も時々発生しました。
 姶良カルデラ(鹿児島湾奥部)の地下深部へのマグマ供給が継続しています。桜島では、南岳山頂火口を中心に、引き続き噴火活動が継続すると考えられます。昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石(火山れき4))が遠方まで風に流されて降るため注意してください。爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。


薩摩硫黄島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 硫黄岳火口では、噴煙は白色で火口縁上1,800mまで上がりました。同火口では、27日と28日の夜間に高感度の監視カメラで火映7)を観測しました。2月以降、火映が時々観測されており、熱活動が高まっていると考えられます。
 火山性地震は概ね少ない状態で経過し、火山性微動は観測されていません。
 24日、25日に実施した現地調査では、前回(2017年7月19日から23日)と比べて噴煙及び熱異常域の状況に特段の変化は認められませんでした。
 24日に実施した現地調査では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり600トン(前回2017年7月23日、1,000トン)とやや少ない状態でした。
 硫黄岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。また、火山ガスにも注意してください。


口永良部島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]

 新岳火口では、噴煙は白色で火口縁上700mまで上がりました。
 火山性地震は概ね多い状態で経過しており、低周波地震が時々発生しています。火山性微動は観測されていません。
 23日、24日、26日及び29日に東京大学大学院理学系研究科、京都大学防災研究所、屋久島町及び気象庁が実施した観測では、火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり100~200トン(前回15日、100トン)と、2018年1月以降わずかに減少しています。
 27日から29日にかけて実施した現地調査では、前回(14日から16日)と比べて噴煙及び熱異常域の状況に特段の変化は認められませんでした。
 地殻変動観測では、火山活動によると考えられる特段の変化は認められません。
 2015年5月29日と同程度の噴火が発生する可能性は低いものの、2017年10月以降火山性地震の活発化がみられること、噴煙量や火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は、2014年8月の噴火前よりも多い状態で経過していることから、引き続き噴火が発生する可能性があります。
 新岳火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石及び火砕流に警戒してください。向江浜地区から新岳の南西にかけての火口から海岸までの範囲では、火砕流に警戒してください。風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。


諏訪之瀬島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]

 御岳(おたけ)火口では、活発な噴火活動が続いています。
 同火口では、噴火が22回発生し、そのうち7回が爆発的噴火でした。27日09時29分に発生した噴火では、灰白色の噴煙が火口縁上2,200mまで上がりました。また、28日02時45分の爆発的噴火では、火口周辺に噴石が飛散しました。
 十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、25日に同火口から南南西約4kmの集落で降灰が確認されました。
 同火口では、期間を通して夜間に高感度の監視カメラで火映を観測しました。
 火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は時々発生しました。
 諏訪之瀬島では、長期にわたり噴火を繰り返しています。火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石に警戒してください。風下側では、火山灰だけでなく小さな噴石が遠方まで風に流されて降るおそれがあるため注意してください。



【噴火予報発表中の火山の活動状況及び予報事項】

秋田駒ヶ岳 [噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)]

 秋田駒ヶ岳では、火山性地震を1回観測しました。低周波地震、火山性微動は観測されておらず、地殻変動に特段の変化は認められません。
 東北地方整備局が設置している監視カメラによる観測では、特段の変化は認められません。
 28日に陸上自衛隊東北方面隊の協力により実施した上空からの観測では、女(め)岳(だけ)付近の噴気や地表面等の状況に大きな変化はなく、男女(おなめ)岳(だけ)付近にも特段の異常は認められませんでした。
 3月6日から低周波地震の発生が続いていましたが、15日以降は観測されておらず、現時点で火山活動が活発化する様子は認められません。
 なお、女岳周辺では地熱活動が続いており、火山性地震の増加が時々みられます。また、低周波地震も発生したことから、火山活動の状況に注意が必要です。山に立ち入る際には、最新の火山情報を確認してください。異常を感じたら、ただちに下山するなどの行動をとってください。
 また、女岳周辺では噴気活動がみられますので注意してください。


鳥海山 [噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)]

 鳥海山では、27日14時00分に噴火警戒レベルの運用を開始し、噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)を発表しました。火山活動は、これまでと変わらず静穏な状況で、噴火の兆候はみられません。


阿蘇山 [噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)]

 阿蘇山では、孤立型微動8)の多い状態が続いています。
 孤立型微動は、2月までは1日あたり50回前後発生していましたが、3月1日以降増加し、4日には1,049回発生しました。その後、発生回数は減少しましたが、10日以降も1日あたり200回から400回程度と、依然として多い状態が続いています。火山性地震は少ない状態、火山性微動の振幅は小さい状態で経過しています。
 中岳第一火口では、噴煙は白色で火口縁上400mまで上がりました。
 26日に実施した現地調査では、中岳第一火口内に緑色の湯だまりを確認しました。土砂噴出は観測されていません。湯だまり表面の最高温度は約67℃(前回15日:約64℃)、湯だまり量は中岳第一火口底の10割で前回(15日)から変化はありませんでした。火山ガス(二酸化硫黄)の放出量は1日あたり700トン(前回15日、1,200トン)とやや少ない状態でした。
 GNSS連続観測では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
 中岳第一火口では、火口内で土砂や火山灰が噴出し、火口縁に影響を及ぼす可能性があります。また、火口付近では火山ガスに注意してください。



上記以外の火山では、期間中、火山活動に特段の変化はなく、予報事項に変更はありません。


全国の常時観測火山の観測データは、気象庁ホームページでもご覧になれます。
http://www.data.jma.go.jp/vois/data/tokyo/open-data/data_index.html

1) GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称です。
2) 噴石は、その大きさによる風の影響の程度の違いによって到達範囲が大きく異なります。本文中「大きな噴石」とは「風の影響を受けず弾道を描いて飛散する大きな噴石」のことであり、「小さな噴石」とはそれより小さく「風に流されて降る小さな噴石」のことです。
3) 傾斜計とは、火山活動による山体の傾きを精密に観測する機器です。火山体直下へのマグマの貫入等により変化が観測されることがあります。1μrad(マイクロラジアン)は1km先が1mm上下するような変化量です。
4) 霧島山・桜島では「火山れき」の用語が地元で定着していると考えられることから、付加表現しています。
5) 火砕流とは、火山灰や岩塊、火山ガスや空気が一体となって急速に山体を流下する現象です。火砕流の速度は時速数十kmから時速百km以上、温度は数百℃にも達することがあります。
6) 火口から放出される火山ガスには、マグマに溶けていた水蒸気や二酸化硫黄、硫化水素など様々な成分が含まれており、これらのうち、二酸化硫黄はマグマが浅部へ上昇するとその放出量が増加します。気象庁では、二酸化硫黄の放出量を観測し、火山活動の評価に活用しています。
7) 火映とは、赤熱した溶岩や高温のガス等が、噴煙や雲に映って明るく見える現象です。
8) 阿蘇山特有の微動で、火口直下のごく浅い場所で発生しており、周期0.5~1.0秒、継続時間10秒程度で、中岳西山腹観測点の南北動の振幅が5μm/s以上のものを孤立型微動としています。

注)本資料には速報的な内容を含みます。データについては精査により、後日修正することがあります。
  詳細については、毎月発表の火山活動解説資料を参照してください。

表2 火山現象に関する警報等の発表履歴 (3月23日~3月29日)

発表日時 火山名 特別警報・
警報・予報
概要
3月27日14時00分 鳥海山 噴火予報 噴火警戒レベルの運用を開始
3月25日07時42分
3月25日09時01分
霧島山
(新燃岳)
降灰予報(速報) 噴火発生から1時間以内に予想される降灰量分布や小さな噴石の落下範囲を予想
3月26日02時38分
3月26日15時49分
3月26日15時58分
3月27日08時40分
3月28日10時35分
3月29日09時09分
桜島 降灰予報(速報) 噴火発生から1時間以内に予想される降灰量分布や小さな噴石の落下範囲を予想
3月25日21時43分
3月25日22時55分
3月26日00時33分
3月26日23時17分
3月27日09時39分
3月27日10時28分
3月27日14時23分
諏訪之瀬島 降灰予報(速報) 噴火発生から1時間以内に予想される降灰量分布や小さな噴石の落下範囲を予想
3月25日08時04分
3月25日09時13分
3月25日09時32分
3月25日14時11分
霧島山
(新燃岳)
降灰予報(速報) 噴火発生から6時間先までに予想される降灰量分布や降灰開始時刻を予想
3月25日12時20分
3月25日13時33分
3月26日03時00分
3月26日16時13分
3月27日08時51分
3月27日09時23分
3月27日12時50分
3月28日10時51分
3月28日11時24分
3月28日15時28分
3月28日16時45分
3月29日09時19分
桜島 降灰予報(速報) 噴火発生から6時間先までに予想される降灰量分布や降灰開始時刻を予想
3月25日21時58分
3月25日23時13分
3月26日00時43分
3月26日23時30分
3月27日09時50分
3月27日11時02分
3月27日12時23分
3月27日13時11分
3月27日14時52分
諏訪之瀬島 降灰予報(速報) 噴火発生から6時間先までに予想される降灰量分布や降灰開始時刻を予想
毎日 02時から3時間毎に8回 草津白根山
霧島山(えびの高原(硫黄山)周辺)
霧島山(新燃岳)
桜島
薩摩硫黄島
口永良部島
諏訪之瀬島
降灰予報(定時) 噴火した場合に予想される、降灰範囲及び小さな噴石の落下範囲を予想

【参考】 火山現象に関する警報等と噴火警戒レベル等の対応表

特別警報・警報・予報 噴火警戒レベルとキーワード 噴火警戒レベルを運用していない火山に対するキーワード
噴火警報※ レベル5(避難) 居住地域厳重警戒
レベル4(避難準備)
火口周辺警報 レベル3(入山規制) 入山危険
レベル2(火口周辺規制) 火口周辺危険
噴火予報 レベル1(活火山であることに留意) 活火山であることに留意

海底火山については、噴火警報(周辺海域)(キーワード:周辺海域警戒)と噴火予報(キーワード:活火山であることに留意)で発表します。
※印のついた噴火警報は、特別警報に位置づけられています。



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