秋田駒ヶ岳[あきたこまがたけ] Akita-Komagatake【常時観測火山】
北緯39°45′40″ 東経140°47′58″ 標高1,637m (男女岳)(三角点・駒ケ岳) |
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![]() 秋田駒ヶ岳全景 南東側上空から 2010年4月9日 気象庁撮影 |
概要
玄武岩~安山岩の成層火山。 山頂部北東側の北部カルデラ(1.2㎞×1.0㎞)と南西側の南部カルデラ(3㎞×2㎞)が相接しており、カルデラ形成期の火砕流堆積物・降下火砕物が山麓や火山東方に分布する。 北部カルデラは男女岳(おなめだけ)(最高峰)などの火砕丘や溶岩にほとんど埋められており、カルデラ北縁から北西方に溶岩が流下している。 男岳は北部・南部両カルデラの接合部西縁上の峰。 南部カルデラには女岳・小岳・南岳火砕丘があり、それらからの溶岩流がカルデラ底を覆い、カルデラ南西縁から西方へ流下している。
20世紀初頭までは北部カルデラ内の硫黄沈殿物から噴気の上昇が認められていた。 また、山麓には温泉が多くみられる。 有史以降、水蒸気噴火しか知られていなかったが、1970~1971年の噴火では、ストロンボリ式小爆発を反復して溶岩流を流出した。 構成岩石のSiO2量は48.6~70.8 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
約11000~13000年前に、山頂付近から規模の大きなプリニー式噴火(小岩井軽石)や火砕流(生保内(おぼない)火砕流)の噴出、さらに水蒸気プリニー式噴火(柳沢軽石)が発生し、南北2つのカルデラが形成された。その後、カルデラ内で後カルデラ活動が起こり、プリニー式噴火やブルカノ式噴火によって大量の火砕物を噴出し、女岳や小岳などの火砕丘が形成された。カルデラ形成後の活動は約10000~7000年前と、約4000~1000年前に集中している。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 秋田駒ヶ岳 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSSを設置し、関係機関協力の下、秋田駒ヶ岳の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 秋田駒ヶ岳の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 秋田駒ヶ岳の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。