平成27年 No.29 週間火山概況 (7月10日~7月16日)
【火山現象に関する警報等の発表状況】
いずれの火山についても、噴火に関する予報警報事項(警戒が必要な事項)に変更はありません。表1 7月16日現在の火山現象に関する警報等の発表状況
特別警報・警報・予報 | 噴火警戒レベル及びキーワード | 該当火山 |
噴火警報 | レベル5(避難) | 口永良部島※ |
火口周辺警報 | レベル3(入山規制) | 箱根山、桜島 |
入山危険 | 西之島※ | |
レベル2(火口周辺規制) | 吾妻山、草津白根山、浅間山、御嶽山、阿蘇山、霧島山(新燃岳)、諏訪之瀬島 | |
火口周辺危険 | 硫黄島※ | |
噴火警報(周辺海域) | 周辺海域警戒 | 福徳岡ノ場※ |
噴火予報 | レベル1(活火山であることに留意) | 雌阿寒岳、十勝岳、樽前山、有珠山、北海道駒ヶ岳、秋田焼山、岩手山、秋田駒ヶ岳、安達太良山、磐梯山、那須岳、新潟焼山、焼岳、富士山、伊豆東部火山群、伊豆大島、三宅島、九重山、雲仙岳、霧島山(御鉢)、薩摩硫黄島 |
活火山であることに留意 | 上記以外の活火山 |
図1 噴火警報及び火山現象に関する海上警報を発表中の火山(7月16日現在)
【警報発表中の火山の活動状況及び警報事項】
吾妻山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]
火山活動はやや活発な状態で経過しています。
大穴火口付近直下が震源とみられる火山性地震は38回発生しました(前期間は37回:図2)。火山性微動は観測されていません。
浄土平の傾斜計1)では、2014年4月頃以降緩やかな西側(火口方向側)上がりの変動が継続しています。
GNSS2)連続観測では、2014年9月頃から一切経山(いっさいきょうざん)南山腹観測点が関係する基線で緩やかな変化がみられており、一切経山付近の膨張を示すと考えられます。
大穴火口からの噴気はやや活発な状態が続いています。また、一切経山南山腹の大穴火口外の噴気も引き続きみられています。
大穴火口付近では小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大穴火口周辺(火口から概ね500mの範囲)では弾道を描いて飛散する大きな噴石3)に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、大穴火口の風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石3)、火山ガスに注意してください。
図2 吾妻山 火山性地震の発生状況(2014年4月1日~2015年7月16日)
草津白根山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]
火山活動はやや活発な状態で経過しています。
湯釜付近及びその南側を震源とする火山性地震が2014年3月上旬から増加しています。8月20日以降はやや少ない状態で経過していますが、2015年1月以降は一時的な火山性地震の増加もみられています。
GNSS2)観測によると、湯釜を挟む基線で2014年4月頃からわずかな伸びの変化がみられていましたが、2015年4月頃より鈍化しています。また、湯釜周辺に東京工業大学が設置した傾斜計1)によると、2014年3月から湯釜付近浅部での膨張を示す変動が継続しています。全磁力観測によると、2014年5月以降の湯釜近傍地下の温度上昇を示す変化は、2014年7月以降停滞しています。
湯釜火口内北東部や北壁及び水釜火口の北から北東側にあたる斜面で熱活動の活発な状態が継続しています。また、北側噴気地帯のガス組成及び湯釜湖水の化学成分の活動活発化を示す変化が継続しています。
今後、小規模な噴火が発生する可能性があることから、湯釜火口から概ね1㎞の範囲では噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石3)に警戒してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、ところどころで火山ガスの噴出が見られ、周辺のくぼ地や谷地形などでは滞留した火山ガスが高濃度になることがありますので、注意してください。
浅間山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]
6月19日の噴火以降、噴火は観測されていませんが、火山活動はやや活発な状態で経過しています。
4月下旬頃から増加している山頂直下のごく浅い所を震源とする体に感じない火山性地震は、やや多い状態で経過しています(図3)。
GNSS2)連続観測によると、2009年秋頃から縮みの傾向がみられていましたが、2015年5月頃から一部の基線でわずかな伸びがみられます。傾斜計1)による地殻変動観測では、特段の変動は認められません。
山頂火口で、夜間に高感度カメラで確認できる程度の微弱な火映4)を引き続き観測しています。10日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1,100トン(前回7月6日2,200トン)と引き続き多い状態で継続しています。火口からの噴煙は白色で、火口縁上800m以下で経過していますが、噴煙量は6月以降増加傾向がみられます。
浅間山では、山頂火口から概ね2kmの範囲では、弾道を描いて飛散する大きな噴石3)に警戒が必要です。登山者等は地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。また、風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石3)に注意してください。
図3 浅間山 火山性地震の日別回数(2015年4月1日~7月16日)
御嶽山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]
山頂火口からの噴煙は、白色で火口縁上600m以下で経過しています。
火山性地震は、少ない状態で経過していますが、2014年8月以前の状態には戻っていません。火山性微動は2014年12月以降観測されていません。
御嶽山では、火山活動は低下した状態が継続しており、2014年10月中旬以降、噴火は観測されていません。地殻変動観測では火山活動の高まりを示す変化は観測されていません。
一方、弱いながらも噴煙活動や地震活動が続いていることから、2014年9月27日よりも規模の小さな噴火が突発的に発生する可能性は否定できません。
御嶽山では、火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石3)に警戒してください。風下側では降灰及び風の影響を受ける小さな噴石3)に注意してください。
箱根山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]
7月1日の噴火以降、噴火は観測されていませんが、火山活動は活発な状態で経過しています。
10日以降実施した現地調査及び大涌谷に設置している遠望カメラによる観測では、6月29日以降に大涌谷で確認した火口や噴気孔、またその周辺の大涌谷温泉供給施設から引き続き蒸気が勢いよく噴出しているのを確認しています。
火山性地震は、7月に入ってから減少しており、今期間は少ない状態で経過しました。低周波地震及び火山性微動は観測されていません。また、噴出現象に伴うとみられる空振も観測されていません。
国土地理院のGNSS2)連続観測によると、箱根山周辺の基線で4月から山体の膨張を示す地殻変動がみられます。
今後も小規模な噴火が発生する可能性がありますので、大涌谷周辺の概ね1kmの範囲では小規模な噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石3)に警戒してください。風下側では火山灰や小さな噴石3)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。地元自治体等の指示に従って危険な地域には立ち入らないでください。
西之島 [火口周辺警報(入山危険)及び火山現象に関する海上警報]
これまでの海上保安庁、海上自衛隊等の観測によると、西之島では活発な噴火活動が続いています。
西之島では、今後も新たに形成された陸地にある火口で噴火活動が継続すると考えられます。また、西之島周辺の海底で噴火が発生する可能性も引き続き考えられ、噴火による影響が海上まで及んだ場合、弾道を描いて飛散する大きな噴石3)や水面を高速で広がるベースサージ6)等の影響が概ね2kmの範囲に及ぶおそれがありますので、西之島の中心から概ね4km以内の範囲では噴火に警戒してください。
硫黄島 [火口周辺警報(火口周辺危険)及び火山現象に関する海上警報]
火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
GNSS2)観測によると、地殻変動は2014年12月上旬頃から隆起の傾向がみられ、2015年3月頃から隆起速度が上がっています。また、2015年4月中旬頃から西向きの変動速度が上がっています。
硫黄島の島内は全体に地温が高く、多くの噴気地帯や噴気孔があり、過去には各所で小規模な噴火が発生しています。このことから火山活動はやや活発な状態で経過しており、火口周辺に影響を及ぼす噴火が発生すると予想されますので、従来から小規模な噴火が発生した地点(ミリオンダラーホール(旧噴火口)等)及びその周辺では噴火に警戒してください。
福徳岡ノ場 [噴火警報(周辺海域警戒)及び火山現象に関する海上警報]
これまでの海上保安庁海洋情報部、第三管区海上保安本部、海上自衛隊及び気象庁による観測によると、福徳岡ノ場付近の海面には長期にわたり火山活動によるとみられる変色水等が確認されるなど、やや活発な状態で経過しており、今後も小規模な海底噴火が発生すると予想されますので、周辺海域では噴火に警戒してください。
阿蘇山 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]
阿蘇山では、今期間噴火は観測されていません。
遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上600mまで上がりました。
15日に実施した現地調査では、141火孔7)内の一部に湯だまりを確認しました。赤外熱映像装置8)による観測では、湯だまりの温度は約80℃と高い状態でした。
また、二酸化硫黄の放出量は1日あたり1,200トン(前回8日1,700トン)と多い状態でした。
火山性微動の振幅は、大きな状態が継続していましたが、14日の04時頃以降は小さな状態となっています。(図4)。
GNSS2)連続観測では、深部にマグマだまりがあると考えられている草千里を挟む基線の伸びは2015年3月頃から停滞しています。
中岳第一火口では火山活動が停滞する傾向がみられるものの、活発な火山活動が続いていることから、中岳第一火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石3)に警戒してください。火口周辺では強風時に小さな噴石3)が1kmを超えて降るため、風下側では火山灰だけではなく小さな噴石3)にも注意してください。
図4 阿蘇山 火山性微動の30分間平均振幅(2014年8月1日~2015年7月16日)
霧島山(新燃岳) [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]
火山性地震は少ない状態で経過しています。火山性微動は観測されていません。
傾斜計1)では、火山活動に伴う特段の変化は認められません。
GNSS2)連続観測では、新燃岳の北西数kmの地下深くにあると考えられるマグマだまりの膨張を示す地殻変動は、2013年12月頃から伸びの傾向が見られていましたが、2015年1月頃から停滞しています。
新燃岳では火口周辺に影響を及ぼす小規模な噴火が発生する可能性がありますので、新燃岳火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石3)に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石3)(火山れき9))が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。降雨時には、泥流や土石流に注意してください。
桜島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル3、入山規制)]
桜島では、噴火活動が続いています。
昭和火口では、爆発的噴火が3回発生し、弾道を描いて飛散する大きな噴石3)が最大6合目(昭和火口より300~500m)まで達しました。
同火口では夜間に高感度カメラ10)で明瞭に見える火映4)を10日に観測しました。
また、6月27日頃から振幅の大きな火山性微動が時々発生しています。これに伴って、周辺の一部地域では鳴動が確認されています。気象条件等によっては、数十km離れた場所でも鳴動が聞こえることがあります。
南岳山頂火口では、16日にごく小規模な噴火が発生しました。南岳山頂火口で噴火が発生したのは、2015年6月22日以来です。
火山性地震は少ない状態で経過しています。
15日に実施した現地調査では、二酸化硫黄の放出量は1日あたり600トン(前回8日400トン)とやや少ない状態でした。
地殻変動観測では、桜島島内で2014年12月下旬頃から山体の隆起と膨張と考えられる変化が継続しています。今後、多量の火山灰を降らせる噴火が発生する可能性があります。
また、姶良カルデラ深部では長期的に膨張が進行してきており、引き続き活発な噴火活動が継続すると考えられますので、火山活動の推移に注意してください。
昭和火口及び南岳山頂火口から概ね2kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石3)及び火砕流に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石3)(火山れき9))が遠方まで風に流されて降るため注意してください。爆発的噴火に伴う大きな空振によって窓ガラスが割れるなどのおそれがあるため注意してください。また、降雨時には土石流に注意してください。
口永良部島 [噴火警報(噴火警戒レベル5、避難)及び火山現象に関する海上警報]
口永良部島の新岳では、今期間噴火は観測されていません。
遠望観測では、白色の噴煙が最高で火口縁上500mまで上がりました。
火山性地震は、13日にやや多くなりました(図5)。火山性微動は観測されていません。
今後も、5月29日と同程度の噴火が発生する可能性があります。大きな噴石3)の飛散及び火砕流の流下が切迫している居住地域では、厳重な警戒(避難等の対応)をしてください。屋久島町の避難等の指示に従ってください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石3)が遠方まで風に流されて降るため注意してください。
降雨時には土石流の可能性があるため注意してください。
新岳火口から半径2海里以内の周辺海域では、噴火による影響が及ぶ恐れがありますので、噴火に警戒してください。
図5 口永良部島 火山性地震の日別回数(2015年3月1日~7月16日)
諏訪之瀬島 [火口周辺警報(噴火警戒レベル2、火口周辺規制)]
諏訪之瀬島では、今期間噴火は観測されていません。
御岳(おたけ)火口では、夜間に高感度カメラで見える火映を16日に観測しました。
火山性地震は少ない状態で経過しました。火山性微動は観測されていません。
諏訪之瀬島では、長期にわたり噴火を繰り返しています。今後も火口周辺に影響を及ぼす程度の噴火が発生すると予想されますので、火口から概ね1kmの範囲では、噴火に伴う弾道を描いて飛散する大きな噴石3)に警戒してください。風下側では火山灰だけでなく小さな噴石3)が風に流されて降るおそれがあるため注意してください。
【噴火予報発表中の火山の活動状況及び予報事項】
雌阿寒岳 [噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)]
13日15時頃から、ポンマチネシリ火口付近のやや深いところを震源とする火山性地震が増加しています。地震の規模は小さく、火山性微動は観測されていません。2006年や2008年の噴火前の地震増加の際にみられた、低周波地震の増加や、震源が深い所から浅い所へ移動するといった現象は観測されず、地震回数は上記の活動と比較して少ない状況です(図6)。
なお、地殻変動や、遠望カメラによる火口付近の状況に特段の変化は認められませんでした。
雌阿寒岳では直ちに噴火に至る兆候は認められませんが、全磁力連続観測によると、ポンマチネシリ96-1火口近傍の地下では、2015年3月中旬以降熱活動が活発化している可能性があります。今後の火山活動の推移に注意してください。
図6 雌阿寒岳 火山性地震の発生状況(日回数及び積算回数 2003年1月1日~2015年7月17日) 日回数(暫定値):13日81回、14日119回、15日140回、16日199回、17日(12時まで)31回
十勝岳 [噴火予報(噴火警戒レベル1、活火山であることに留意)]
13日18時頃から、62-2火口直下の浅いところを震源とする規模の小さな火山性地震が増加しました。14日14時以降少ない状況で推移しています。
また、14日05時51分頃発生した旧噴火口付近を震源とする地震(マグニチュード1.0(暫定値))では、宿泊者からの通報によると山麓の吹上温泉地区で震度1程度の身体に感じる揺れがありました。この地震は今回地震が増加した領域から離れていました。周辺で揺れを感じる地震が十勝岳で発生したのは、2012年12月2日以来です。
火山性微動は観測されず、地殻変動や遠望カメラによる62-2火口及び大正火口の状況に特段の変化は認められませんでした。
十勝岳では直ちに噴火に至る兆候は認められませんが、ここ数年、山体浅部の膨張、大正火口の噴煙量増加、地震増加、火山性微動の発生、発光現象及び地熱域の拡大などが観測されており、長期的にみると十勝岳の火山活動は高まる傾向にありますので、今後の火山活動の推移に注意してください。
八丈島 [噴火予報(活火山であることに留意)]
14日12時頃から、八丈島の北西沖を震源とする地震活動が活発となり、八丈町樫立などで震度1以上を観測する地震が15日に5回、16日に4回発生しています。
この地震活動の震源は深く、島から離れています。また、その他の観測データには特段の変化は認められていません。そのため、現在のところ火山活動に直接つながるものではないと考えられます。
現時点では八丈島直下の地震活動は低調です。
八丈島近海では、最近では2013年に島の北西沖を震源とする地震活動が活発になりました。
火山活動に特段の変化はありませんが、八丈島は活火山であることに留意してください。
上記以外の火山では、期間中、火山活動に特段の変化はなく、予報事項に変更はありません。
1) 火山活動による山体の傾きを精密に観測する機器。火山体直下へのマグマの貫入等により変化が観測されることがあります。1μrad(マイクロラジアン)は1km 先が1mm 上下するような変化量です。
2) GNSS(Global Navigation Satellite Systems)とは、GPSをはじめとする衛星測位システム全般を示す呼称です。
3) 噴石については、その大きさによる風の影響の程度の違いによって到達範囲が大きく異なります。本文中「大きな噴石」とは「風の影響を受けず弾道を描いて飛散する大きな噴石」のことであり、「小さな噴石」とはそれより小さく「風に流されて降る小さな噴石」のことです。
4) 火映は赤熱した溶岩や高温のガス等が、噴煙や雲に映って明るく見える現象です。
5) センサーで周囲の岩盤から受ける力による体積の変化をとらえ、岩石の伸びや縮みを精密に観測する機器。火山体直下へのマグマの注入等により変化が観測されます。
6) 火山ガスと火山灰等の混合物が、水面や地表面を高速で横方向に広がり、地表の物を巻き込む現象で、人体や建物、船舶等に大きな被害を与える恐れがあり、とても危険です。
7) 阿蘇山では、火口内の火山灰や噴石を噴出する孔を火孔と呼んでいます。火山活動に伴い、火孔の位置が変わったり、同時に複数個の火孔が開口したりしたことがあり、明瞭に区別するために、141火孔のように西暦の下2桁と通し番号で命名しています。
8) 赤外熱映像装置は物体が放射する赤外線を感知して温度分布を測定する測器です。熱源から離れた場所から測定することができる利点がありますが、測定距離や大気等の影響で実際の熱源の温度よりも低く測定される場合があります。
9) 霧島山・桜島では「火山れき」の用語が地元で定着していると考えられることから、付加表現しています。
10)九州地方整備局大隅河川国道事務所が黒神河原上流に設置したカメラ等によります。
注)本資料には速報的な内容を含みます。データについては精査により、後日修正することがあります。
詳細については、毎月発表の火山活動解説資料を参照してください。
表2 火山現象に関する警報等の発表履歴 (7月10日~7月16日)
発表日時 | 火山名 | 特別警報・ 警報・予報 |
概要 |
毎日02時から3時間毎に8回 | 阿蘇山 桜島 口永良部島 諏訪瀬島 |
降灰予報(定時) | 噴火した場合に予想される、降灰範囲及び 小さな噴石の落下範囲を予想 |
毎日07時、17時 | 三宅島 | 火山ガス予報 | 島内の火山ガスの分布予想 |
【参考】 火山現象に関する警報等と噴火警戒レベル等の対応表
特別警報・警報・予報 | 噴火警戒レベルとキーワード | 噴火警戒レベルを運用していない火山に対するキーワード |
噴火警報※ | レベル5(避難) | 居住地域厳重警戒 |
レベル4(避難準備) | ||
火口周辺警報 | レベル3(入山規制) | 入山危険 |
レベル2(火口周辺規制) | 火口周辺危険 | |
噴火予報 | レベル1(活火山であることに留意) | 活火山であることに留意 |
海底火山については、噴火警報(周辺海域)(キーワード:周辺海域警戒)と噴火予報(キーワード:活火山であることに留意)で発表します。
※印のついた噴火警報は、特別警報に位置づけられています。