本ページの内容は「日本の気候変動2020」に基づいており、今後、最新の「日本の気候変動2025」に基づく内容に更新する予定です。各振興局の最新の予測情報は「日本の気候変動2025振興局別リーフレット」をご覧ください。
北海道地方のこれからの気候の変化(将来予測)
はじめに
このページでは、北海道地方において20世紀末と21世紀末の間に起こると予測される気候の変化について示します。特に断りがない限り、20世紀末とは1980〜1999年の20年平均を、21世紀末とは2076〜2095年の20年平均を指します。
予測結果は、文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」で用いられている気象庁の予測に基づきます。ここでは以下の2通りの設定(シナリオと呼びます)で行った予測の結果を示しています。
- 4℃上昇シナリオ(RCP8.5):21世紀末※ の世界平均気温が工業化以前と比べて約4℃上昇。追加的な緩和策を取らなかった世界に相当。
- 2℃上昇シナリオ(RCP2.6):21世紀末※ の世界平均気温が工業化以前と比べて約2℃上昇。パリ協定の2℃目標が達成された世界に相当。
※ これらのシナリオにおいては、21世紀末は2081〜2100年の平均を表し、気象庁が用いている21世紀末と期間が異なることに留意願います。また、工業化以前とは産業革命前を指しますが、観測値が存在する1850~1900年の平均で代替します。
各グラフの元データは、グラフ下のリンクからCSV形式で取得できます。CSVファイルの内容や注意事項については、「将来予測CSVデータの注意事項(こちら)」をご覧ください。
気温、降水量、雪の変化について、詳細なマップについては、国立環境研究所の気候変動適応情報プラットフォーム(A-PLAT)から提供されています。
ページ内で折りたたまれている箇所(「クリックして開く/閉じる」と記載)をまとめて開く/閉じるには次のボタンを押下ください。
気温の変化
平均気温
- 北海道地方の年平均気温は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約5.0℃、2℃上昇シナリオで約1.6℃上昇すると予測されます。
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予測される変化(20 世紀末と21 世紀末の差)を棒グラフで示す。細い縦線は年々の変動幅を示す。 地域気候モデルによる計算結果。棒グラフの色は、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)に、それぞれ対応する。 棒グラフが無いところに描かれている細い縦線は、20 世紀末の年々変動の幅を示している。 |
高温/低温の日数
夏日(日最高気温25℃以上の日)
(クリックして開く/閉じる)
- 北海道地方の夏日の年間日数は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約52日、2℃上昇シナリオで約13日増加すると予測されます。
![]() (4℃上昇シナリオ) |
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変化傾向(増減)が4メンバーとも一致した格子点のみ、それらの平均値を表示(20世紀末、21世紀末ともに数値がゼロの場合は表示対象外)。 |
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20世紀末の観測成果(灰色部分)に対して、予測される変化(20 世紀末と21 世紀末の差)を加算または減算した棒グラフで示す。また、細い縦線は年々の変動幅を示す。 予測される変化を表す部分の色は、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 日数が減少する場合、減少量を斜線で示す。 |
真夏日(日最高気温30℃以上の日)
(クリックして開く/閉じる)
- 北海道地方の真夏日の年間日数は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約21日、2℃上昇シナリオで約3日増加すると予測されます。
![]() (4℃上昇シナリオ) |
![]() (2℃上昇シナリオ) |
変化傾向(増減)が4メンバーとも一致した格子点のみ、それらの平均値を表示(20世紀末、21世紀末ともに数値がゼロの場合は表示対象外)。 |
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20世紀末の観測成果(灰色部分)に対して、予測される変化(20 世紀末と21 世紀末の差)を加算または減算した棒グラフで示す。また、細い縦線は年々の変動幅を示す。 予測される変化を表す部分の色は、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 日数が減少する場合、減少量を斜線で示す。 |
猛暑日(日最高気温35℃以上の日)
(クリックして開く/閉じる)
- 北海道地方の猛暑日の年間日数は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約2日増加すると予測されます。
![]() (4℃上昇シナリオ) |
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変化傾向(増減)が4メンバーとも一致した格子点のみ、それらの平均値を表示(20世紀末、21世紀末ともに数値がゼロの場合は表示対象外)。 |
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20世紀末の観測成果(灰色部分)に対して、予測される変化(20 世紀末と21 世紀末の差)を加算または減算した棒グラフで示す。また、細い縦線は年々の変動幅を示す。 予測される変化を表す部分の色は、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 日数が減少する場合、減少量を斜線で示す。 |
熱帯夜(日最低気温25℃以上の日)
(クリックして開く/閉じる)
※ 熱帯夜とは、夜間の最低気温が25℃以上のことを指しますが、ここでは日最低気温25℃以上の日数を熱帯夜日数として扱います。
- 北海道地方の熱帯夜の年間日数は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約9日増加すると予測されます。
![]() (4℃上昇シナリオ) |
![]() (2℃上昇シナリオ) |
変化傾向(増減)が4メンバーとも一致した格子点のみ、それらの平均値を表示(20世紀末、21世紀末ともに数値がゼロの場合は表示対象外)。 |
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20世紀末の観測成果(灰色部分)に対して、予測される変化(20 世紀末と21 世紀末の差)を加算または減算した棒グラフで示す。また、細い縦線は年々の変動幅を示す。 予測される変化を表す部分の色は、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 日数が減少する場合、減少量を斜線で示す。 |
冬日(日最低気温0℃未満の日)
(クリックして開く/閉じる)
- 北海道地方の冬日の年間日数は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約58日、2℃上昇シナリオで約16日減少すると予測されます。
![]() (4℃上昇シナリオ) |
![]() (2℃上昇シナリオ) |
変化傾向(増減)が4メンバーとも一致した格子点のみ、それらの平均値を表示(20世紀末、21世紀末ともに数値がゼロの場合は表示対象外)。 |
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20世紀末の観測成果(灰色部分)に対して、予測される変化(20 世紀末と21 世紀末の差)を加算または減算した棒グラフで示す。また、細い縦線は年々の変動幅を示す。 予測される変化を表す部分の色は、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 日数が減少する場合、減少量を斜線で示す。 |
真冬日(日最高気温0℃未満の日)
(クリックして開く/閉じる)
- 北海道地方の真冬日の年間日数は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約51日、2℃上昇シナリオで約20日減少すると予測されます。
![]() (4℃上昇シナリオ) |
![]() (2℃上昇シナリオ) |
変化傾向(増減)が4メンバーとも一致した格子点のみ、それらの平均値を表示(20世紀末、21世紀末ともに数値がゼロの場合は表示対象外)。 |
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20世紀末の観測成果(灰色部分)に対して、予測される変化(20 世紀末と21 世紀末の差)を加算または減算した棒グラフで示す。また、細い縦線は年々の変動幅を示す。 予測される変化を表す部分の色は、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 日数が減少する場合、減少量を斜線で示す。 |
降水の変化
年降水量
- 北海道地方平均の年降水量は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオでは約120mm、2℃上昇シナリオでは約65mm、それぞれ増加すると予測されます。
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予測される変化(20 世紀末と21 世紀末の差)を棒グラフで示す。細い縦線は年々の変動幅を示す。 地域気候モデルによる計算結果。棒グラフの色は、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)に、それぞれ対応する。 棒グラフが無いところに描かれている細い縦線は、20 世紀末の年々の変動幅を示している。 |
短時間強雨
(クリックして開く/閉じる)
- 北海道地方における、1時間降水量30mm以上の短時間強雨の平均の年間発生回数は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約4.1倍、2℃上昇シナリオで約1.7倍増加すると予測されます。
- 北海道地方では、1時間降水量50mm以上の短時間強雨は現在ほとんど発生しませんが、将来(4℃上昇シナリオ、2℃上昇シナリオ)は発生する可能性があります。
- 短時間強雨の頻度が増加する最大の要因は、気温の上昇に伴って、大気が含むことのできる水蒸気が増加することであると考えられます。
- 予測される変化は4℃上昇シナリオの方が大きく、この点については信頼性があると考えられます。一方で、これらの頻度の定量的な増加率については不確実性が大きいことに注意が必要です。
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発生回数を棒グラフで示す。細い縦線は年々の変動幅を示す。 地域気候モデルによる計算結果。棒グラフの色は、灰色が20 世紀末に、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)の21 世紀末に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)の21世紀末に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 ただし、20 世紀末の値にはバイアス補正を加えているものの完全にバイアスが除去されている訳ではなく、観測値とは値が異なることに注意。 |
大雨
(クリックして開く/閉じる)
- 北海道地方における、日降水量100mm以上の大雨が降る日の年間日数は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約2.5倍増加すると予測されます。
- 北海道地方では、日降水量200mm以上の大雨が降る日は現在ほとんどありませんが、将来(4℃上昇シナリオ)は発生する可能性があります。
- 大雨の頻度が増加する最大の要因は、気温の上昇により、大気が含むことのできる水蒸気が増加することであると考えられます。
- ただし、これらの発生頻度の定量的な増加率については不確実性が大きいことに注意が必要です。
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発生回数を棒グラフで示す。細い縦線は年々の変動幅を示す。 地域気候モデルによる計算結果。棒グラフの色は、灰色が20 世紀末に、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)の21 世紀末に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)の21世紀末に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 ただし、20 世紀末の値にはバイアス補正を加えているものの完全にバイアスが除去されている訳ではなく、観測値とは値が異なることに注意。 |
年最大日降水量・無降水日数
(クリックして開く/閉じる)
- 北海道地方では、年最大日降水量(年間で最も降水量の多かった日の降水量)は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約28mm増加すると予測されます。
- 大雨の強度が増加する最大の要因は、気温の上昇により、大気が含むことのできる水蒸気が増加することであると考えられます。
- ただし、上記の定量的な増加率については不確実性が大きいことに注意が必要です。
- 北海道地方では、無降水日(日降水量が1mm未満の日)の年間日数は、20世紀末に比べて、21世紀末には2℃上昇シナリオで約4日減少すると予測されていますが、観測結果の変化傾向と一致しない地点もあり、予測の不確実性は大きいと考えられます。
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予測される変化(20 世紀末と21 世紀末の差)を棒グラフで示す。細い縦線は年々の変動幅を示す。 地域気候モデルによる計算結果。棒グラフの色は、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 棒グラフが無いところに描かれている細い縦線は、20 世紀末の年々の変動幅を示す。 |
雪の変化
年最深積雪
- 北海道日本海側の年最深積雪は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約39%、2℃上昇シナリオで約9%減少すると予測されます。
- ただし、21世紀末においても雪が降らなくなるわけでありません。降水量や大雨・短時間強雨の予測が示すように、気温が上昇することなどによって降水量が増え、なおかつ温暖化が進行しても雪として降るのに十分に寒冷な北海道においては、降雪や積雪が必ずしも減るわけではなく、大雪のリスクがなくなるとは限らないことに注意が必要です。詳しい解説は文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」本編第7章をご覧ください。
- 予測される変化は4℃上昇シナリオの方が大きく、この点については信頼性があると考えられます。一方で、雪の定量的な変化率については不確実性が大きいことに注意が必要です。
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20 世紀末を基準とした年最深積雪の比を棒グラフで示す。細い縦線は年々の変動幅を示す。 地域気候モデルによる計算結果。棒グラフの色は、灰色が20 世紀末に、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)の21 世紀末に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)の21世紀末に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 |
降雪量
(クリックして開く/閉じる)
- 北海道日本海側の年降雪量は、20世紀末に比べて、21世紀末には4℃上昇シナリオで約32%減少すると予測されます。2℃上昇シナリオでは有意な変化は予測されていません。
- ただし、21世紀末においても冬を通して雪が降らなくなるわけではなく、降水量の予測が示すように、気温が上昇することなどによって降水量が増え、なおかつ温暖化が進行しても雪として降るのに十分に寒冷な北海道においては、降雪や積雪が必ずしも減るわけではなく、大雪のリスクがなくなるとは限らないことに注意が必要です。詳しい解説は文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」本編第7章をご覧ください。
- 予測される変化は4℃上昇シナリオの方が大きく、この点については信頼性があると考えられます。一方で、雪の定量的な変化率については不確実性が大きいことに注意が必要です。
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20 世紀末を基準とした年降雪量の比を棒グラフで示す。細い縦線は年々の変動幅を示す。 地域気候モデルによる計算結果。棒グラフの色は、灰色が20 世紀末に、青が2℃上昇シナリオ(RCP2.6)の21 世紀末に、赤が4℃上昇シナリオ(RCP8.5)の21世紀末に、それぞれ対応する(各温度上昇シナリオについて、予測の信頼性が低い場合は非表示)。 |
台風の変化
- 日本付近の台風の強度は強まると予測されます。
- 日本の南海上において猛烈な台風が存在する頻度(一定期間あたり、その場所に存在する全台風に対する猛烈な台風の割合)が増加すると予測されます。
- 詳しくは、文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」本編第9章を参照ください。
海面水温の変化
- 日本近海の平均海面水温の上昇の度合いは、20世紀末(ここでは1986〜2005年平均)に比べて、21世紀末(ここでは2081-2100年平均)には、4℃上昇シナリオでは3.6±1.3℃、2℃上昇シナリオでは1.1±0.6℃と予測されます(不確実性の幅は90%信頼区間)。
- 詳しくは、文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」本編第13章を参照ください。
海面水位の変化
- 日本沿岸の平均海面水位の上昇の度合いは、20世紀末(ここでは1986〜2005年平均)に比べて、21世紀末(ここでは2081-2100年平均)には、4℃上昇シナリオでは0.71m(0.46〜0.97m)、2℃上昇シナリオでは0.39m(0.22〜0.55m)と予測されます。
- 詳しくは、文部科学省及び気象庁「日本の気候変動2020」本編第15章を参照ください。
お問い合わせ
札幌管区気象台 気象防災部 地域防災推進課
〒060-0002 北海道札幌市中央区北2条西18丁目2
TEL:011-611-6149