Q1 南海トラフ地震臨時情報はどのような時に発表されますか?
以下の場合に発表します。
- 南海トラフ沿いで異常な現象が観測され、その現象が南海トラフ沿いの大規模な地震と関連するかどうか調査を開始した場合、または調査を継続している場合
- 観測された異常な現象の調査結果を発表する場合
1.の「異常な現象」とは、南海トラフの想定震源域またはその周辺でM6.8以上の地震が発生した場合、または南海トラフの想定震源域のプレート境界で通常とは異なるゆっくりすべりが発生した可能性のある場合を指します。これらの場合、「調査中」というキーワードを付記して南海トラフ地震臨時情報を発表します。
また、2.の「調査結果」として、「巨大地震警戒」「巨大地震注意」「調査終了」のいずれかのキーワードを付記した南海トラフ地震臨時情報を発表します。
なお、平時において南海トラフ沿いで今後30年以内に大規模地震が発生する確率は80%程度で、1週間に換算すると千回に1回程度です。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震警戒)が発表された場合には、十数回に1回程度となり、平時より百倍程度高い状況となります。
南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)が発表された場合には、数百回に1回程度となり、平時より数倍高い状況となります。
Q2 南海トラフ地震臨時情報が発表されたらどうすれば良いですか?
南海トラフ地震臨時情報の発表をきっかけに、政府が防災対応の呼びかけを行います。
大規模地震発生の可能性が平時よりも高まっているため、日頃からの地震への備えを再確認する必要があります。
南海トラフ地震臨時情報のキーワードによって防災対応が異なります。
「南海トラフ地震臨時情報
(巨大地震警戒)」が発表された場合
日頃からの地震への備えを再確認してください。
地震が発生してからの避難では間に合わない沿岸部などにお住まいの方は、1週間の事前避難を行ってください。
「南海トラフ地震臨時情報
(巨大地震注意)」が発表された場合
「南海トラフ地震臨時情報
(調査終了)」が発表された場合
通常の生活で問題ありません。ただし、大規模地震発生の可能性がなくなったわけではないことに注意が必要です。
下図はリーフレット「南海トラフ地震 -その時の備え-」より、南海トラフ発生後の防災対応の流れの概要です。
図1 地震発生後の防災対応の流れ
Q3 南海トラフ地震が発生した時の津波警報等について詳しく知りたいです。
想定震源域内で地震の規模(マグニチュード)が8を超えるような地震が発生したと判断した場合、精度のよい地震の規模をすぐに求めることができないため、南海トラフ巨大地震の想定をもとに大津波警報・津波警報・津波注意報(以下「津波警報等」)を発表します。
この場合、予想される津波の高さは、通常の5段階の数値表現でなく、「巨大」や「高い」と表現します。この表現が使われた場合は非常事態です。東日本大震災のような巨大な津波が襲来するおそれがあり、特に迅速な避難が必要です。
その後、地震の規模が精度よく求められた時点で津波警報等を更新し、予想される津波の高さも数値表現で発表します。
また、想定震源域に瀬戸内海や紀伊水道も含まれるため、大阪湾や瀬戸内海へもすぐに津波が到達するという情報を発表します。
津波警報・注意報の種類
種類 |
発表基準 |
発表される津波の高さ |
想定される被害と取るべき行動 |
数値での発表 (予想される津波の高さ区分) |
巨大地震の場合の発表 |
大津波警報 |
予想される津波の最大波の高さが高いところで3mを超える場合。 |
10m超 (10m<予想される津波の最大波の高さ) |
巨大 |
巨大な津波が襲い、木造家屋が全壊・流失し、人は津波による流れに巻き込まれます。 沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください。 |
10m (5m<予想される津波の最大波の高さ≦10m) |
5m (3m<予想される津波の最大波の高さ≦5m) |
津波警報 |
予想される津波の最大波の高さが高いところで1mを超え、3m以下の場合。 |
3m (1m<予想される津波の最大波の高さ≦3m) |
高い |
標高の低いところでは津波が襲い、浸水被害が発生します。人は津波による流れに巻き込まれます。 沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど安全な場所へ避難してください。 |
津波注意報 |
予想される津波の最大波の高さが高いところで0.2m以上、1m以下の場合であって、津波による災害のおそれがある場合。 |
1m (0.2m≦予想される津波の最大波の高さ≦1m) |
(表記しない) |
海の中では人は速い流れに巻き込まれ、また、養殖いかだが流失し小型船舶が転覆します。 海の中にいる人はただちに海から上がって、海岸から離れてください。 |
Q4 気象庁が発表する「津波の到達予想時刻」について詳しく知りたいです。
気象庁が発表する「津波の到達予想時刻」とは、津波によって海面が変化し始める時刻を指します。
津波から命を守るためには、大きな波が来る前に逃げる必要があるため、気象庁では海面が変化し始める時刻を発表しています。
下図は、ある地点における、津波の高さ変化の例です。震源域の位置や断層の方向によって、突然高い津波が押し寄せたり、最初は小さくとも後から大きい津波が来たりと、色々なパターンが考えられますが、実際にどこの地点でどのようなパターンになるか予測することは困難です。また、高さ20~30cm程度の津波でも人は速い流れに巻き込まれてしまうおそれがあり大変危険です。
津波警報等が発表された場合はただちに高台など安全な場所へ避難し、自治体の指示に従って避難を続けてください。
図2 津波波形の模式図
Q5 気象庁が発表する情報はどこで知ることができますか?
テレビ、ラジオ、インターネットなどに加え、大津波警報・津波警報は携帯電話の緊急速報メールや防災行政無線などでも知ることができます。
気象庁HPでは、以下のページで公開しています。
海岸にいるときに強い揺れを感じたら、すぐに津波が到達するおそれがあるため、ただちに高台など安全な場所へ避難しましょう。
高台への避難が完了してから、気象庁が発表する正確な情報を得るようにしてください。デマに惑わされないよう、注意が必要です。