地震は地下で起こる岩盤の「ずれ」により発生する現象です。ずれで発生した震動が地中を伝わって地表に到達すると、私たち人間もその揺れを体に感じます。
また、海底下で大きな地震が発生すると、断層運動により海底が隆起もしくは沈降します。これに伴って海面が変動し、大きな波となって四方八方に伝播するものが津波です。
地震は地下で起こる岩盤の「ずれ」により発生する現象です。ずれで発生した震動が地中を伝わって地表に到達すると、私たち人間もその揺れを体に感じます。
また、海底下で大きな地震が発生すると、断層運動により海底が隆起もしくは沈降します。これに伴って海面が変動し、大きな波となって四方八方に伝播するものが津波です。
詳しくは気象庁HPでもご紹介しています。以下をご覧ください。
南海トラフとは、駿河湾から日向灘沖にかけての海底の溝状の地形を指します。
トラフとは、海溝より浅くて幅の広い、海底の溝状の地形のことです。南海トラフは、フィリピン海プレートがユーラシアプレートの下に沈み込んでいるために形成されました。
図1 日本付近のプレートの模式図
南海トラフ沿いで発生する、陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり跳ね上がることで発生する地震のことを、「南海トラフ地震」と呼んでいます。
以下の①→②→③の状態が繰り返されるため、南海トラフ地震は繰り返し発生します。
① | 南海トラフ沿いのプレート境界では、海側のプレート(フィリピン海プレート)が陸側のプレート(ユーラシアプレート)の下に1年あたり数cmの速度で沈み込んでいます。 |
② | プレートの境界が強く固着しているため、陸側のプレートが地下に引きずり込まれ、ひずみが蓄積されます。 |
③ | 陸側のプレートが引きずり込みに耐えられなくなり、限界に達して跳ね上がることで地震が発生します。 |
図2 南海トラフ地震発生のメカニズムの模式図
前回の南海トラフ地震(昭和東南海地震(1944年)及び昭和南海地震(1946年))が発生してから約80年が経過した現在では、次の南海トラフ地震発生の切迫性が高まっています。
概ね100~150年間隔で、津波を伴う大規模地震が発生しています。
その発生過程には以下のように多様性があり、今後も大規模地震の発生が一度では終わらない可能性があります。
図3 南海トラフ地震の発生履歴
科学的に想定されている最大クラスの南海トラフ地震を「南海トラフ巨大地震」と呼んでいます。
この地震では、下図のオレンジ色の領域全体が震源域*となり、地震の規模(マグニチュード)は9程度となります。太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波が襲来するほか、広い範囲で強い揺れが2~3分程度続き、最大震度は7と想定されています。
南海トラフ巨大地震の想定は、政府の中央防災会議が実施しています。上記の想定は南海トラフ地震の一つのケースとして整理されたものであり、実際にこの想定どおりの揺れや津波が発生するとは限りませんが、このような揺れや津波が起こっても耐えうるよう、日頃からの地震への備えが重要です。
*: | 震源域とは、地震により地下の岩盤にずれ(破壊)が生じる領域で、面的な広がりを持っています。震源域が海域に及ぶと、津波が発生する可能性があります。 |
震度や津波の高さの想定について、詳しくは以下をご覧ください。
図4 南海トラフ巨大地震の想定震源域