北但馬地震(1925年)特集ページ

作成:2025年3月12日

 1925年(大正14年)5月23日、兵庫県北部を震源とするマグニチュード(M)6.8の地震が発生し、兵庫県に甚大な被害をもたらしました。
 日本海側では、この北但馬地震(北但大震災)以外にも過去に大きな地震が何度も発生しており、津波により兵庫県北部に被害が発生したこともあります。
 過去の災害から学び、地震・津波に備えていただき、日頃の災害対策や見直しにご活用ください。

北但馬地震の概要

発生日時1925年5月23日 11時09分
震央北緯35度33.8分 東経134度50.0分
深さ0km
地震の規模(M)6.8
最大震度6 (注:当時の震度階級の最大)

震源は気象庁地震カタログによる

 当日の豊岡の気象データ(リンク)

降水量0.0mm
気温平均16.2℃ 最高23.7℃ 最低10.6℃
平均風速0.8m/s
最大風速・風向2.5m/s 東

 北但馬地震は兵庫県北部を震源とする陸域の浅い地震で、豊岡測候所で震度6を観測しました。 この地震は、円山川流域、特に豊岡、城崎の町に甚大な被害をもたらしました。 当時、建築物の大半が木造であったため、地震の初動で建物の多くは一気に倒壊しました。 また、地震の発生が昼時であったため、食事準備で火を使っていた民家や旅館では、家屋倒壊に伴い瞬く間に火の手が上がり、多くの建物が消失しました。

 一方、港村田結(現在の豊岡市田結)では83戸中82戸が全壊し、村民65人がその下敷きになりました。 一瞬にして3か所から火が燃え上がりましたが、村民は救助より消火を優先して延焼を食い止め、消火後に58人を助け出しました。(豊岡市ホームページによる)


注:震度階級に震度7が導入されたのは1949年からです。震度5と6に強と弱が設けられ、震度階級が10段階になったのは1996年以降です。



北但馬地震の震度

 兵庫県の豊岡で震度6を観測し、神戸、洲本で震度4、その他京都府、奈良県、和歌山県、鳥取県、徳島県、香川県でも震度4を観測しました。 また、東北地方から九州地方にかけて震度3~1を観測しました。


 各地の震度(震度4以上)

兵庫県震度6豊岡
震度4神戸、洲本
京都府震度4京都、宮津
奈良県震度4橿原
和歌山県震度4和歌山
鳥取県震度4境港
徳島県震度4徳島
香川県震度4多度津

注:震度階級に震度7が導入されたのは1949年からです。震度5と6に強と弱が設けられ、震度階級が10段階になったのは1996年以降です。



北但馬地震後の活動状況(1925年~1927年)

 北但馬地震の発生後、地震活動が一時的に活発となりましたが、時間の経過とともに次第に減衰しました。

 北但馬地震が発生した2年後の1927年には北丹後地震が発生し、京都府を中心に大きな被害が発生しました。


震央分布図

震央分布図(M≧5.0、深さ0~60km)

規模別地震活動経過図

左図内の規模別地震活動経過図

 北丹後地震が発生した1927年3月7日以降をピンクにして区別しています。

 震央分布図中の紫色の破線は地震調査研究推進本部の長期評価による活断層を示しています。



北但馬地震の被害写真集

 北但馬地震の被害写真を掲載しています。

 これらの写真は気象台職員が撮影したものです。ご利用の際には「気象庁提供」のクレジットの記載をお願いいたします。


豊岡町の倒壊家屋

豊岡町の倒壊家屋

城崎町の焼け跡

城崎町の焼け跡

北但大震災震災記念碑(豊岡市田結)

北但大震災震災記念碑(豊岡市田結)

 これ以外の写真もこちらに多数掲載しています。 → 被害状況の写真一覧




北但馬地震による被害

 被害の激しかったのは円山川流域の河口から南、豊岡に至る狭い地域でした。特に豊岡と城崎の町が甚大な被害を受け、兵庫県内では421人の尊い命が奪われました。


 兵庫県
町村名死者負傷者全壊半壊焼失
豊岡87293489301483
八条271342
新田1328121
三江81550
田鶴野813102118
五荘595620
内川11136150
城崎2721983010548
33243438142148
竹野83161
中筋48401
中竹野11
香住
口佐津415
国府21323
42180412757232180
 港村
町村名死者負傷者全壊半壊焼失
小島152352
瀬戸43348531
津居山19826837145
気比6151622
田結74682
畑上34
三原21
37182438142148

被害数は、日本被害地震総覧による。

リンク

 北但馬地震以外にも、気象台では過去の大きな地震の特集を関係する気象台ホームページに掲載しています。
 過去の災害から学び、地震・津波に備えていただき、日頃の災害対策や見直しにご活用ください。


「阪神・淡路大震災」

「日本海側の地震」


 気象庁ホームページでは地震や津波から身を守るためにどうしたらいいかを解説しています。 これらのサイトをご覧いただき、地震への備えを改めて確認してください。