オゾン層・紫外線の年のまとめ(2024年)


  気象庁が実施しているオゾン観測と紫外線観測の結果を中心に、毎年の状況の調査解析結果を掲載しています。
  2023年以前はこちらをご覧下さい。

オゾン層の状況

  ここでは、世界平均のオゾン量の減少傾向が止まり、オゾン量がほぼ一定で最も少なかった1994~2008年の累年平均値を参照値としているが、衛星観測によるオゾン全量については、データの一部が存在しない等の理由により、1997~2006年の累年平均値を比較の対象としている。

世界のオゾン層

  • 2024年の年平均オゾン全量は、両半球高・中緯度で広く正偏差となり、赤道付近では概ね負偏差となりました。特に北半球高緯度と南大洋の太平洋側では顕著な正偏差となりました。顕著な正偏差の要因として、北半球高緯度については、冬季から春季にかけて北極域へオゾンの輸送が活発だったこと、南大洋の太平洋側については、南極オゾンホールの位置が比較的アフリカ大陸側に偏っていたことが考えられます。 (「世界のオゾン層の状況(2024年)」参照)

南極オゾンホール


北半球高緯度のオゾン層


つくば及び南極昭和基地の上空のオゾン層

  • 2024年のつくばの月平均オゾン全量は、1月、3月、4月、5月、6月、12月に多く注)なりました。南極昭和基地上空の月平均オゾン全量は、4月、5月、8月に多く、1月に少なくなり、1月は観測開始(1961年)以来、1月として最も少ない値となりました。 (「つくば及び南極昭和基地の上空のオゾン層の状況(2024年)」参照)


注)ここでは、月平均値の参照値(1994~2008年の月別累年平均値)からの差が、参照値の標準偏差以内にあるときを「並」、それより大きいときを「多い」、それより小さいときを「少ない」としている。


紫外線の状況

つくばと南極昭和基地の紫外線

  • 2024年のつくばにおける月平均紅斑紫外線量は5、6、8、9、11、12月に多く注)なり、特に12月は1990年の観測開始からその月として最も多い値、11月はその月として2番目に多い値、9月はその月として3番目に多い値となりました。これらは、日照時間が多かったことが要因と考えられます。
  • 南極昭和基地における月平均紅斑紫外線量は、1月に多くなりました。これらは主にオゾン全量が少なかったことが要因と考えられます。
    「日積算紅斑紫外線量の月平均値グラフ」の2024年、及び 「紫外線の経年変化」を参照)

注)ここでは、月平均値の参照値(1994~2008年の月別累年平均値)からの差が、参照値の標準偏差以内にあるときを「並」、それより大きいときを「多い」、それより小さいときを「少ない」としている。


オゾン層・紫外線の経年変化


参考資料



関連情報



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