<データの概要>
紫外線予測システムは、大気大循環モデル MRI-AGCM3 と全球化学輸送モデル
を結合させたモデル MRI-CCM2(水平格子間隔約 110 km 鉛直層数 64 層)を用
います。全球化学輸送モデルで成層圏オゾン(オゾン層)の予測を行い、紫外線
情報の基礎データを提供します。
オゾンは、化学的な反応により生成・消滅を繰り返すとともに、大気の流れによ
り輸送されます。オゾンの生成源として、成層圏のオゾン層付近の他に、地表付
近の(主として人為起源の)前駆物質からの反応によるものがあります。南極上
空のオゾン量が極端に少なくなる現象をオゾンホールと呼びます。極夜の低温
時に発生する極成層圏雲の粒子表面の化学反応によって、人為起源の塩素化合
物から塩素分子が生成される。極夜を脱して太陽光が届き始めると、紫外線によ
る光解離によって塩素原子が生成され、触媒としてオゾン破壊反応を促進し、オ
ゾンホールができます。また、オゾンは太陽放射を吸収し、赤外放射を射出する
ことによって、大気の気温場に影響を与えるため、温室効果気体として地球の気
候変動に基礎的に関わっています。オゾンをはじめ、塩素系、臭素系、フロン類、
ハロン類など大気中の微量成分気体は相互に化学反応を起こす場合があるため、
これらの過程がモデルに組み込まれています。
また、即時的に利用可能な衛星データでナッジングすることで観測情報を取り
込んでいます。
この紫外線予測システムの結果は、紫外線解析データや紫外線予測データとし
て、紫外線対策に資するために上空から地表面に向かう紫外線の強度をUVイ
ンデックスを用いて以下の通り提供しています。
・紫外線解析データ: 当日の 6 時から 18 時までの毎正時における全国の紫外
線の強さの状況を推定したデータ
・紫外線予測データ(晴天): 快晴の場合に、当日と翌日の 6 時から 18 時時ま
での毎正時における日本付近の紫外線の強さを予測したデータ
・紫外線予測データ(天気を考慮): 天気を考慮して、当日もしくは翌日の 6 時
から 18 時までの毎正時における全国の紫外線の強さを予測したデータ
○紫外線情報の解説
https://www.data.jma.go.jp/env/uvhp/3-55uvindex_info.html
○令和 5 年度数値予報解説資料集(1.7.18 化学輸送モデル(全球・領域))
https://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/nwpkaisetu/latest/1_7_18.pdf
<データの詳細リンク先>
ご利用の際、フォーマットなどの詳細は以下の「気象庁情報カタログ」のページでご確認ください。
○紫外線・オゾン層
https://www.data.jma.go.jp/add/suishin/cgi-bin/catalogue/make_product_page.cgi?id=ShigaiOz
<入手方法>
気象庁情報カタログのページに記載のある通り、気象業務支援センターから入手できます。