2005年 No.14　火山の概況　（平成17年3月31日〜平成17年4月6日）

　ポンマチネシリ96-1火口の噴煙の状況に変化はなく、高温の状態が続いていたと推定される。

　62-2火口の噴煙活動は活発な状態が続いており、高温の状態が続いていたと推定される。遠望カメラによる噴煙の高さは火口縁上おおむね200ｍで推移した。

　Ａ火口およびＢ噴気孔群の噴煙の状況に変化はなく、高温の状態が続いていたと推定される。

　４月３日17時41分に山頂の北北東約10kmでM(マグニチュード)4．5(暫定)の地震(最大震度３)が発生し、その後、その周辺で余震と思われる地震が多発した。震源は山体から離れており、火山活動と直接の関連はないと考えられる。

　今期間、噴火は観測されなかった。
　白色噴煙は山頂火口より連続して噴出しており、最高で火口縁上約400ｍまで上がった。また、微弱な火映がほぼ連日山麓の高感度カメラ¹⁾で観測され、４月２日未明には山頂の南約８kmの軽井沢測候所から肉眼でも確認された。
　火山性地震及び微動は依然としてやや多い状態が続いており、地震が１日当たり71〜95回、微動が０〜３回観測された。
1) 気象庁及び国土交通省関東地方整備局利根川水系砂防事務所が山麓に設置。

　４月５日に上空から行った観測²⁾では、火口周辺及び火口内に大きな変化はなく、赤外熱映像装置³⁾による観測では、火口内の最高温度は110℃であった（前回（３月22日）は87℃）。火山ガス観測では、二酸化硫黄の放出量は日量3,300〜6,900トンで依然として多い状態であった。
　白色噴煙は山頂火口より連続して噴出しており、最高で火口縁上約800ｍまで上がった。
　４月３日17時〜20時台にやや低周波の地震が増加した。また、20時52分に低周波地震が発生し、三宅村神着で震度１が観測され、地震に伴い弱い空振も観測された。その後地震は減少した。この間、噴煙活動等その他の観測データに特に変化はみられなかった。地震は３日に111回と多く観測されたが、その他の日は１日当たり０〜15回と少ない状態であった。
2) 海上自衛隊の協力による
3) 赤外熱映像装置は物体が放射する赤外線を感知して温度分布を測定する測器であり、熱源から離れた場所から測定することができる利点があるが、大気その他の影響で実際の熱源の温度よりも低く測定される場合がある。

　31日に阿蘇山測候所が行った現地観測によると、中岳第一火口の状況は、湯だまりの色は灰色、量は約３割で、表面温度は70℃とやや高い状態であった（前期間は68℃）。湯だまりの中央部付近で約10ｍ、その他数箇所で２〜３ｍの高さの土砂噴出が観測された。
　噴煙は白色で噴煙の高さの最高は火口縁上約300ｍ（前期間は200ｍ）であった。
　孤立型微動の発生回数は998回で前期間（670回）より増加し、やや多い状態であった。火山性微動の発生はなかった（前期間もなし）。火山性地震の発生回数は456回で前期間（318回）より増加し、やや多い状態であった。
　地殻変動等その他の観測データには特段の変化はなかった。

　今期間、御鉢火口の噴気活動はやや活発で、４月２〜３日に時々噴気が監視カメラで観測され、高さの最高は火口縁上約100ｍであった。監視カメラで噴気が観測されたのは３月14日以来であった。地震活動等その他の観測データに特に変化はなかった。

　期間中、噴火はなかった（前期間もなし）。噴煙活動も低調で、鹿児島地方気象台（南岳の西南西約11km）で降灰は観測されなかった（前期間もなし）。

　地震活動、噴煙活動等の観測データには特段の変化はなかった。

　今期間の火山性地震の発生回数は９回で、前期間（46回）より減少し、少ない状態であった。火山性微動は、継続時間の短いものが時々発生し、期間中の回数は３回であった（前期間は３回）。監視カメラ（新岳の北西約４kmに設置）による観測では、今期間噴気は観測されなかった（前期間は30日に火口縁上約10ｍの噴気を観測）。

　噴火が４〜６日に発生した。十島村役場諏訪之瀬島出張所によると、４〜６日に火山灰を含む噴煙が上がっているの確認された。また、監視カメラ⁴⁾による観測で、６日12時07分に火口縁上約700ｍまで上がり北西に流れる灰白色の噴煙が観測された。
　火山性微動は４〜６日に断続的に観測され、一時連続して観測された。
4) 御岳の北北東約25kmの中之島に設置。