気象、地震、火山、海洋の知識 - 警報・注意報のはなし

暴風警報・強風注意報

 台風や低気圧及び季節風などで強い風が吹くと、そのエネルギー(風圧)により建物や植物、交通機関などが被害を受けることがあります。


建築物の破損・倒壊

 風圧によって直接、家屋や鉄塔、煙突などが倒壊したり、屋根・窓などが壊れたり飛ばされたりします。また飛んできた瓦や看板により窓ガラスが割れ、そこから強風が吹き込んで屋根が飛ばされることもあります。近年は建築中の建物の足場やビニールハウスなどの破損が増えています。また飛散物によって電線が切断され、停電や電車が止まるなどの障害を引き起こすこともあります。


樹木の折損・倒木、果実の落果、農作物の折損・倒伏

 平均風速が17メートルを超えると、樹木の枝が折れるなどの被害が出始めます。また25メートルを超えると根こそぎ倒れる木も出てきます。リンゴなどの果実は落下したり擦れあって傷が付いて商品価値がなくなります。  また、イネの開花期での強風は、不結実を発生させます。


車両の運行障害

 列車や自動車は特に横風によって脱線・横転などの被害が発生します。特に橋の上や川筋、谷筋では強風が吹きやすく、高速で走る車両ほど影響を受けやすくなります。

暴風



航空機の運行障害

 航空機は風による影響を受けやすく、離着陸時の横風は特に影響を受けるため、欠航することがあります。


船舶の運行障害

 強風による高波の影響はもちろんですが、帆船やヨットは強風によって転覆することがあります。


塩害

 強風で巻き上げたれた海上の海塩粒子はときに内陸まで達し、広範囲で塩害を引き起こすことがあります。塩害にはミカンやイネなどの農作物被害の他、送電施設に付着して絶縁障害を発生させることがあります。


フェーン(乾風害)

 フェーン現象は、高温で乾燥した強風を伴います。植物から多量の水分を奪いとり、立ち枯れやイネの白穂を発生させます。


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