気象、地震、火山、海洋の知識 - 火山のはなし

 世界の火山は、プレートの境界(海溝沿い、海嶺)とプレート内にホットスポットとして分布しています。
 陸のプレートに沈み込んだ海のプレートから水のような成分が放出され、これにより上部マントルの一部が溶けてマグマが発生し、上昇します。このような過程でいったんマグマだまりに蓄えられるなど様々な作用を受けて地表に噴出し、これが海溝沿いの火山となります。したがって、海溝にほぼ平行に火山が分布することとなり、この火山分布の海溝側の境界を画する線を火山フロントといます(下図)。一般に火山フロント付近に火山が密集して、海嶺では、上部マントルから直接マグマが湧きだして、プレートが生成されています。一方、プレート内部を貫いて点状のマントルの湧き上がりがあり、ホットスポットと呼ばれるところがあります。ハワイに代表される火山はこのホットスポットの例です。 

マグマの発生

 噴火は地下深部で発生したマグマが地表に噴出する現象です。マグマはいったん地下数キロメーターの深さに蓄えられます.このマグマの容れ物のことを「マグマ溜まり」といいます.何らかの拍子に容れ物よりも中身のマグマの体積が大きくなると,容れ物(溜まりの天井の岩石)が壊れ,泡立って軽くなったマグマが上へ移動して噴火が起こります.マグマの体積が容れ物より大きくなる原因としては次のことが考えられます。


  1)マグマから結晶ができると同時に,マグマ中に溶け込んでいた水がガス化して(泡立って)全体が膨張すること,
  2)別のマグマが下から無理やり容れ物に注入してくること,
  3)ガス混じりのマグマが地震によって揺さぶられてマグマが膨張すること,


  以上のようなことが考えられ、火口が開いてマグマが噴出したり、発泡などが少ない場合には溶岩流として噴出することとなります。噴火の規模や機構については噴火を直接観察したり、過去の噴出物を観察することなどから解明に努力しています。