2006年 No.36 火山の概況 (平成18年9月1日 〜 平成18年9月7日)

【噴火が観測された火山】

桜島 [比較的静穏な噴火活動(レベル2)
6日に爆発的噴火が発生した。

【活動が活発もしくはやや活発な状態である火山】

十勝岳 [やや活発な状況]
62-2火口では高温状態が続いていると推定される。
樽前山 [やや活発な状況]
A火口及びB噴気孔群では高温状態が続いていると推定される。
浅間山 [やや活発な状況(レベル2)
噴煙活動のやや活発な状態が続いている。
三宅島 [やや活発な状況]
噴煙活動は活発で、多量の火山ガスの放出が続いている。
薩摩硫黄島 [やや活発な状況(レベル2)
噴煙活動はやや活発で、火山性地震のやや多い状態が続いている。
口永良部島 [やや活発な状況(レベル2)
火山性地震のやや多い状態が続いている。
 
諏訪之瀬島 [活発な状況(レベル3)
長期的には噴火活動は活発な状態が続いているが、今期間噴火は発生しなかった。


図1  各火山の今期間の火山活動度レベル及び記事を掲載した火山
図1  活動解説を掲載した各火山の今期間の活動状況


注1 本資料で示すレベルは、火山活動度レベルを導入した火山におけるレベルである。

注2 記号の意味
 ▲:噴火が観測された火山
 ●:活動が活発もしくはやや活発な状態である火山
 ◇:静穏な状態であるが観測データに変化のあった火山、もしくはその他の記事を掲載した火山
 ①②等の丸付き数字:火山活動度レベル

注3 記事は、▲、●(注2参照)に該当する火山について掲載する。
 その他の火山については、特記事項のある場合に掲載する。



【各火山の活動解説】

 各記号の意味は次のとおり。▲:噴火が観測された火山。●:活動が活発もしくはやや活発な状態である火山。◇:静穏な状態であるが観測データ等に変化があった火山、もしくはその他の記事を掲載した火山。


● 十勝岳  [やや活発な状況]

 62-2火口では依然として高温の状態が続いていると推定される。同火口からの噴煙活動はの噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上50〜100mで推移した。
 地震活動は低調な状態が続いている。GPSによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。


● 樽前山  [やや活発な状況]

 A火口及びB噴気孔群では依然として高温の状態が続いていると推定される。
 噴煙活動・地震活動は低調な状態が続いている。傾斜計及びGPSによるによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。


● 浅間山  [やや活発な状況 (レベル2)]

 噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上100〜200mで推移した。今期間、山麓に設置した高感度カメラ1)では火映は観測されなかった。
 火山性地震の回数は1日あたり3〜14回と少ない状態で経過した。火山性微動は観測されなかった。傾斜計及びGPSによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。

1) 気象庁及び国土交通省関東地方整備局利根川水系砂防事務所が設置。


● 三宅島  [やや活発な状況]

 噴煙活動は活発な状態が続いており、噴煙高度は火口縁上200〜300mで推移した。
 5日に行った火山ガス観測では、二酸化硫黄の放出量は1日あたりそれぞれ2,800〜4,000トン、(前回8月29日 2,400〜3,900トン/日)と、依然として多量の火山ガスの放出が続いている。
 火山性地震の回数は1日あたり12〜37回とやや少ない状態で経過した。火山性微動は観測されなかった。GPSによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。


▲ 桜島  [比較的静穏な噴火活動(レベル2)]

 6日に爆発的噴火が発生した。当時山頂部は雲に覆われていたが、その後昭和火口に爆発の形跡が認められないことから、南岳山頂火口で発生したと推定される。南岳山頂火口では3日および4日に噴煙高度が火口縁上1,000〜1,500mに達する噴火が時々発生した。昭和火口では噴火は発生しなかった。
 火山性地震及び火山性微動はやや多い状態が続いている。GPSなどによる地殻変動観測では特段の変化はなかった。


● 薩摩硫黄島  [やや活発な状況 (レベル2)]

 硫黄岳山頂火口の噴煙活動はやや活発な状態が続いており、噴煙高度は最高で火口縁上200mであった。
 火山性地震はやや多い状態が続いている。4日、7日にごく小規模な火山性微動が2回観測された。


● 口永良部島  [やや活発な状況 (レベル2)]

 火山性地震はやや多い状態が続いている。火山性微動は観測されなかった。監視カメラ(新岳の北西約4kmに設置)による観測では噴気等は認められなかった。


● 諏訪之瀬島  [活発な状況 (レベル3)

 長期にわたり噴火を繰り返すなど、火山活動は活発な状態が続いているが、今期間は噴火は観測されず、火山性地震および火山性微動は少ない状態で経過した。




表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

表1 最近1か月に記事を掲載した火山及び各火山のレベル

表2 火山情報発表状況
火 山 名 情報の種類及び号数 発表日時 概 要
浅 間 山 火山観測情報第35号 1日16:00 8月25日〜9月1日15時の活動状況。8月29日に実施した火山ガス観測の結果。レベルは2。
三 宅 島 火山観測情報
第244〜250号
(1日1回発表)
1日〜7日
16:30
前日16時〜当日16時の活動状況及び上空の風の予想。5日に実施した火山ガス観測の結果。


このページのトップへ