三宅島[みやけじま] Miyakejima【常時観測火山】


北緯 34°05′37″ 東経 139°31′34″ 標高 775m (雄山)(標高点)
三宅島地図
三宅島写真

三宅島全景 南西側上空から 2019年9月12日 気象庁撮影



概要

 直径8kmのほぼ円形の玄武岩~安山岩からなる成層火山。中央部に直径約3.5kmのカルデラがあり、その内側には2000年噴火により生じた直径約1.6kmのカルデラがある。山頂部の火口のほか、山腹に割れ目噴火による側火口が多く、海岸近くにはマグマ水蒸気爆発による爆裂火口(大路池(たいろいけ)など)が多数ある。玄武岩~安山岩のSiO2量は49.9~55.2wt.%である。
 最近500年間には17~69年の間隔で13回の噴火が起き、1回の噴出物量は2000~3000万トン程度である。2000年噴火までの有史時代の活動は、山頂から北-東南東、西-南南西の方向の山腹の割れ目火口からの短期間の噴火であり、時に山頂噴火を伴う。スコリアの放出・溶岩流出のほか、割れ目火口が海岸近くに達したときは海岸付近では激しいマグマ水蒸気爆発が起こりやすい(1983年噴火など)。
 噴火前後に地震活動を伴うが、地震活動域と噴火地点とは一致しないことがある。2000年噴火では島内で始まった地震活動が徐々に西方沖に移動して海底噴火に至り、その後山頂直下の地震活動が始まり山頂噴火・カルデラ形成へと推移した。1983年噴火では前年から南方海域での群発地震活動などがあり、噴火直前の地震活動は噴火開始の1時間半前からであった。1962年をはじめ、過去のいくつかの噴火では噴火後に有感地震が頻発した。
 2000年6月に始まった噴火活動では、山頂噴火が発生するとともにカルデラを形成した。さらに高濃度の二酸化硫黄を含む火山ガスの大量放出が続き、全島民が島外での避難生活を余儀なくされた。2005年2月1日、4年5ヶ月ぶりに避難指示が解除された。その後、二酸化硫黄を含む火山ガスの放出量は減少し、近年は少ない状態で推移している(2023年2月現在)。



噴火活動史

 各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1 万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。


「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくは有史以降の火山活動についてを参照のこと。



火山観測

 気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、地磁気観測点、監視カメラを設置し、関係機関の協力の下、三宅島の火山活動の監視・観測を行っています。その他、関係機関の協力の下、二酸化硫黄の放出量観測、火口内温度の測定も定期的に実施しています。



噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報




火山活動解説資料



火山防災連絡事務所、火山防災協議会など



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