主な天候の特徴・気象災害
概況
年平均気温は、世界の陸上の広い範囲で平年より高く、アラスカからシベリア北西部、東アジア南部、ミクロネシアから東南アジア中部、南アジア西部、ヨーロッパから中東、東アフリカ南部及びその周辺、米国西部から南東部、中米から南米東部、オーストラリアなどで平年よりかなり高かった。カナダ東部から米国北部は平年より低く、中央アジア北東部及びその周辺では平年よりかなり低かった。異常高温は北半球の夏を中心に世界各地で発生し、特に、ヨーロッパや東アジア、米国南西部などでは夏に記録的な高温となった。夏(6~8月)の3か月平均気温は、東日本、韓国、中国、米国南西部では、夏としてはそれぞれ統計開始以来最も高かった。
年降水量は、モンゴルから中国北部、中央アジア東部から中部、中東北西部から北アフリカ東部、ヨーロッパ南部から北アフリカ北西部、米国北東部から南部などで平年より多く、中央アジア西部、南アジア北西部から中東南部、オーストラリア南東部などで平年より少なかった。ヨーロッパでは中部で異常少雨となる一方、南部で異常多雨となる月が多かった。
2018年に発生した主な異常気象・気象災害は以下のとおり。気象災害の記述は米国国際開発庁海外災害援助局とルーベンカトリック大学災害疫学研究所(ベルギー)の災害データベース(EM-DAT)や各国の政府機関・国連の発表等に基づき、人的被害や経済的損失の大きさ、地理的広がりを考慮して取り上げている。
異常気象の種類 | 地域 | 概況 | |
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1 | 高温(1〜4、9〜10月) | アラスカ西部〜東シベリア東部 |
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2 | 高温(6、8、10月) | 東シベリア北西部〜中央シベリア北西部 |
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3 | 低温(1、9、12月) | モンゴル南西部〜中国北西部 |
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4 | 多雨(1、7〜9月) | モンゴル中部及びその周辺 |
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5 | 高温(3〜8月) | 北日本〜中国北西部 |
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6 | 大雨(6〜7月) | 東日本〜西日本 |
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7 | 高温(2、5、7〜8、10〜12月) | ミクロネシア北西部〜東南アジア北西部 |
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8 | 砂じん嵐・雷雨(5月) | インド北部 |
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9 | 大雨(6〜9月) | インド |
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10 | 高温(1、3、5〜6、8、11月) | 中央アジア南部〜南アジア南東部 |
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11 | 高温(2〜3、5〜6、9月) | 中東及びその周辺 |
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12 | 高温(5、7、11月) | スカンディナビア半島北部 |
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13 | 少雨(2、5〜11月) | ヨーロッパ中部及びその周辺 |
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14 | 高温(1、4〜10、12月) | ヨーロッパ中部〜南部 |
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15 | 多雨(1〜6、8〜10月) | ヨーロッパ南部〜北アフリカ北西部 |
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16 | 高温(6、8〜9、11月) | 西アフリカ西部〜中部アフリカ北西部 |
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17 | 大雨(7〜9月) | ナイジェリア |
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18 | 大雨・トロピカル・ストーム(3〜5月) | 東アフリカ北部〜中部 |
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19 | 高温(6、8〜9、12月) | モーリシャス〜南アフリカ北西部 |
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20 | 多雨(2、5、8〜12月) | 米国北東部〜南部 |
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21 | 高温(2、5〜9月) | 北米南部〜中米中部 |
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22 | 森林火災(7〜9、11月) | 米国西部 |
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23 | 高温(6、8〜9月) | ブラジル北東部 |
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24 | 干ばつ(1〜3月) | アルゼンチン北部及びその周辺 |
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25 | 高温(2、4、9月) | アルゼンチン北部〜中部 |
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26 | 高温(1、3〜4、7、10〜12月) | オーストラリア東部〜南部 |
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27 | 干ばつ(1〜9月) | オーストラリア南東部 |
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