世界の年ごとの異常気象 ------------------ 対象期間:

この資料は1971~2000年の観測値による平年値に基づいて作成されたものです。

主な天候の特徴・気象災害

天候の特徴気象災害

概況

 年平均気温は、南アメリカ大陸などを除き、多くの地域で平年より高くなった。東アジアや東シベリア、ヨーロッパで異常高温が、アルゼンチン周辺で異常低温となる月が多かった。年降水量は、シベリアからヨーロッパ北部で平年より多く、中国北東部や地中海周辺、米国、オーストラリア南部では平年より少なかった。シベリアからヨーロッパ北部、東南アジアで異常多雨、中国北東部、ヨーロッパ南部、オーストラリア南部からニュージーランドで異常少雨となる月が多かった。 2007年に発生した主な異常気象・気象災害は以下のとおり。災害の記述はルーベンス大学(ベルギー)による世界保健機構(WHO)災害疫学研究協力センターの緊急災害データベース(EM-DAT)等に基づいている。

異常気象の種類地域概況
1高温東シベリア(4~5月、8~11月)
  • 異常高温となる月が多かった。
  • 東シベリアのイルリネイ:年平均気温−8.8℃(平年差+4.6℃)。
2大雨中国中部(6~7月)
  • 6月末から7月初めの梅雨前線の大雨などにより合わせて500人以上の死者が伝えられた。
  • 中国チアンスー(江蘇)省のナンキン:7月の月降水量429mm(平年比208%)。
3台風・大雨朝鮮半島~中国(8月)
  • 黄海周辺に南よりの暖湿流が入ったほか、台風が相次いで中国南東部に接近・上陸した影響で、朝鮮半島で600人以上、華北や華南で合わせて100人以上の死者が伝えられた。
  • 朝鮮半島北部のピョンヤン:月降水量757mm(平年比396%)。
4干ばつ中国南部(9~11月)
  • 11月に中国全土で121万haの農作物が干ばつの影響を受けていると伝えられた。
  • 中国チアンシー(江西)省のカンチョウ:3か月降水量26mm(平年比13%)。
5多雨(雪)パキスタン(2~3月)
  • パキスタンで異常多雨(雪)が続いた。
  • パキスタンのペシャーワル:2か月降水量352mm(平年比295%)。
  • 3月にはパキスタンやアフガニスタンで融雪洪水や雪崩等により合わせて300人以上の死者が伝えられた。
6サイクロン・大雨アジア西部(6月)
  • サイクロン「ゴヌ」と「イエミン」およびモンスーンの大雨により、オマーンやパキスタンで合わせて500人以上の死者が伝えられた。
  • パキスタンのカラチ国際空港:月降水量110mm(平年値7.3mm)。
7大雨インド・ネパール・バングラデシュ(6~8月)
  • インド北部で洪水により6~8月に合わせて1千人以上、インド南部では6~7月に100人以上、バングラデシュやネパールでは7月下旬に洪水によりそれぞれ1千人以上、200人以上の死者が伝えられた。
8サイクロンバングラデシュ(11月)
  • サイクロン「シドル」により、3千人以上の死者が伝えられた。
9高温ヨーロッパ西部(4月)
  • ヨーロッパ西部の広い範囲で異常高温となった。
  • ルクセンブルグ市:月平均気温14.6℃(平年差+6.8℃)。
  • オランダでは4月の月平均気温が1706年以降で最も高かったと伝えられた。
10高温ヨーロッパ南東部(5~8月)
  • ルーマニアのブカレスト:7月の月平均気温26.2℃(平年差+4.2℃)。
  • 6~7月には熱波による300人以上の死者や森林火災の被害が伝えられた。
11大雨アフリカ熱帯域(7~9月)
  • 対流活動が平年より活発で、アフリカ中西部から東部の多くの地域で大雨による被害が伝えられた。
  • ブルキナファソのワヒグヤ:3か月降水量835mm(平年比195%)。
12寒波米国(1~2月)
  • 米国の各地は繰り返し寒波に見舞われ、関連する竜巻や交通事故などで合わせて90人以上の死者が伝えられた。
  • 米国インディアナ州のインディアナポリス:2月の月平均気温−6.8℃(平年差−7.6℃)。
13干ばつ米国東部・西部(通年)
  • 米国東部・西部で少雨となる月が多く、東部で深刻な干ばつ、西部では10月に大規模な森林火災の被害が伝えられた。
  • 米国サウスカロライナ州のグリーンビル:年降水量791mm(平年比62%)、カリフォルニア州のロサンゼルス:年降水量125mm(平年比38%)。
14干ばつブラジル北東部(通年)
  • 雨季に少雨となり、10月には干ばつで100万人に影響が出ていると伝えられた。
  • ブラジル北東部のモンテスクラロス:年降水量634mm(平年比62%)。
15低温アルゼンチン周辺(5~8月)
  • アルゼンチン北部のビジャドロレス:4か月平均気温9.1℃(平年差−3.4℃)。
  • ラニーニャ現象等の影響により異常低温が継続した。
  • 寒波により合わせて100人以上の死者が伝えられた。
16干ばつオーストラリア南部(7~10月)
  • 7月以降に少雨傾向となった。
  • オーストラリア南東部のキャンベラ:4か月降水量70mm(平年比32%)。
  • 6年以上続く干ばつの被害が伝えられた。
年平均気温偏差規格化階級分布図

年平均気温偏差規格化階級分布図

年降水量平年比階級分布図

年降水量平年比階級分布図


異常高温・異常低温出現頻度分布図

異常高温・異常低温出現頻度分布図

異常多雨・異常少雨出現頻度分布図

異常多雨・異常少雨出現頻度分布図

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