富士山[ふじさん] Fujisan【常時観測火山】
北緯 35°21′39″ 東経 138°43′39″ 標高 3,776m (剣ヶ峯)(測定点) |
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![]() 富士山全景 北東側から 2001年12月20日 荒井健一撮影 |
概要
小御岳(こみたけ)・古富士の両火山上に生成した成層火山。日本の最高峰で体積約400km3(小御岳,古富士,新富士を含める)の大きな火山。基底は直径50㎞。主に玄武岩(SiO2 49~52%)からなるが、1707年の宝永噴火にはデイサイト・安山岩(SiO2 64~68%)の軽石・スコリアも噴出。側火山が約100個ある。標高2450m以上は露岩地帯で、風食作用が著しく、特に西斜面は崩壊が激しい(大沢崩れ)。864~866年山腹から溶岩を流出した。また、1707年の噴火では南東山腹から噴火し、江戸方面への大量の降灰など甚大な被害を及ぼした。近年では2000~2001年の深部低周波地震が多発、2011年3月15日には静岡県東部(富士山の南部付近)でM6.4が発生し、その後も地震活動は低下しつつも継続している。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
富士山は2万年前の大規模な山体崩壊の後、17000年前から8000年前頃にかけて大規模な溶岩を流出し、5600年前から3700年前頃に主火山体を高く成長させる噴火活動となった。その後、3500年前から2300年前頃に山頂部で爆発的な噴火が卓越し、その間の2900年前には南東側へ山体崩壊(御殿場岩屑なだれ)を起こした。2300年前以降は山腹の割れ目噴火である。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 富士山 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、関係機関の協力の下、富士山の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 富士山の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 富士山の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。