弥陀ヶ原[みだがはら] Midagahara【常時観測火山】
北緯 36°34′16″ 東経 137°35′23″ 標高 2,621m (国見岳)(三角点・大横手) |
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![]() 弥陀ヶ原上部の室堂平 室堂乗越付近から 2018年10月15日 気象庁撮影 |
概要
立山周辺の急峻な山地の低所を埋めて成長した安山岩・デイサイトの成層火山。火山の山頂部は侵食で失われている。弥陀ヶ原・五色ヶ原は主に火砕流堆積物の台地。数万年前にマグマ噴火は終わったが、その後の水蒸気爆発によって弥陀ヶ原東部に多くの爆裂火口を生じ、現在は噴気活動が活発。安山岩・デイサイトのSiO2 量は57.4~62.9 wt.% である。別名、立山火山ともよばれるが、立山連峰自体は基盤の花崗岩類から構成される。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
最近の約4 万年間は静穏期で、マグマに由来する生成物は生産されなかったが、地獄谷など爆裂火口群の水蒸気爆発と地獄谷の噴気孔・温泉活動が主な火山活動になっている。
地獄谷では江戸時代に噴火活動が発生しているほか、複数の水蒸気噴火の堆積物が認定されている。噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 弥陀ヶ原 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、関係機関の協力の下、弥陀ヶ原の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 弥陀ヶ原の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 弥陀ヶ原の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。