日光白根山[にっこうしらねさん] Nikko-Shiranesan【常時観測火山】
北緯 36°47′55″ 東経 139°22′33″ 標高 2,578m (白根山)(標高点) |
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![]() 日光白根山全景 西側から 2006年8月31日 伊東 明彦 撮影 |
概要
日光白根火山は、栃木・群馬県境に分布する直径約 1000m、高さ約300m の溶岩ドームといくつかの厚い溶岩流からなる安山岩・デイサイト火山である。西方にのびる厚い溶岩流の上に主峰・白根山(奥白根)などの溶岩ドームが形成されている。有史以降の噴火は、奥白根からの水蒸気噴火などの活動が知られている。噴気地域は現存しない。日光白根の南方約10~20km の一帯で、1993年7月から1995年2月頃まで、微小地震活動が活発化した。安山岩・デイサイトのSiO2量は58.0~70.0 wt.% である。
噴火活動史
各火山について、地質学的な研究によってわかっている過去1万年の火山活動史を記載した。また、過去1万年間の噴火活動と有史以降の火山活動とに分けて記載した。
- 過去1万年間の噴火活動
約6000 年前以降に、周辺に堆積物を残すような噴火が少なくとも6回以上発生している。表面の微地形がもっとも良く保存されている溶岩や溶岩ドームの噴出はこれらの噴火に対応している可能性がある。最上位の堆積物は、榛名二ツ岳FP軽石(6世紀半ば)よりも新しく、分布状況が記録のある記述と対応することから、1649年の噴火によると推定される。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考。
- 日光白根山 有史以降の火山活動
「概要」、「過去1万年間の噴火活動」、「有史以降の火山活動」については日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)及び最近の観測成果による。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくはこちらを参照のこと。
火山観測
気象庁では、地震計、傾斜計、空振計、GNSS、監視カメラを設置し、関係機関の協力の下、日光白根山の火山活動の監視・観測を行っています。
噴火警報・予報、火山の状況に関する解説情報
- 日光白根山の噴火警戒レベル(PDF)
火山活動解説資料
- 日光白根山の火山活動解説資料
気象庁が実施した火山観測データの解析結果や、火山活動の診断結果を掲載します。毎月1回、上旬に公表します。