2005年 No.22　火山の概況　（平成17年5月26日〜平成17年6月1日）

　ポンマチネシリ96-1火口の噴煙の状況に変化はなく、高温の状態が続いていると推定される。

　62-2火口の噴煙活動は活発な状態が続いており、高温の状態が続いていると推定される。遠望カメラによる噴煙の高さは火口縁上おおむね200ｍで推移した。

　Ａ火口およびＢ噴気孔群の噴煙の状況に変化はなく，高温の状態が続いていると推定される。

　今期間、噴火は観測されなかった。
　山頂火口からは白色噴煙が連続して噴出しており、最高で火口縁上約300ｍまで上がった。また、微弱な火映が26日と28日を除く毎日、山麓の高感度カメラ¹⁾で観測された。
　火山性地震及び微動の回数はやや多い状態が続いており、期間中それぞれ１日当たり47〜76回、１〜８回であった。
1) 気象庁及び国土交通省関東地方整備局利根川水系砂防事務所が山麓に設置。

　31日14〜21時に山頂火口直下を震源とするやや低周波地震が増加した。その間の17時40分には空振を伴う振幅のやや大きな低周波地震が観測され、三宅村神着で震度１が観測された。しかしながら、地震発生時の噴煙は白色で噴煙量の増加は認められず、その直後に行った現地調査でも降灰は確認されなかった。また、その他の観測データにも特に異常は見られなかった。
　期間中の火山性地震の回数は31日に99回と一時的に増加した以外は少なく、１日当たり１〜６回であった。山頂火口からは白色噴煙が連続して噴出しており、最高で火口縁上約700ｍまで上がった。
　今期間は火山ガス放出量の観測を行わなかったが、三宅村の火山ガス濃度観測によると山麓では時々高濃度の二酸化硫黄が観測されたほか、噴煙活動にも大きな変化が見られなかったことから、山頂火口からは依然として多量の火山ガス放出が続いていたと推定される。

　31日夜に、監視カメラによる観測で、中岳第一火口底北側噴気孔付近で赤熱現象²⁾が確認された。赤熱域は火口底のごく一部と狭く、その他の現象には特段の変化は見られなかった。火口底で赤熱現象が確認されたのは平成２年（1990年）以来であった。中岳第一火口内の状況は上記赤熱現象以外に大きな変化はなく、熱的な活動が依然としてやや活発で、火山性連続微動が継続して観測されている。
　阿蘇山測候所が26日及び31日に実施した現地観測によると、中岳第一火口内の状況は、前期間と比べ大きな変化はなかった。湯だまりの状況は、色は26日の観測で灰色から黒灰色に変わったことが確認されたが、量は減少傾向にあるものの引き続き約２割で、表面温度も71〜76℃と依然高い状態であった（前期間は75℃）。湯だまり内では、中央部付近で高さ約５ｍ、その他数ヶ所で高さ２〜３ｍの土砂噴出が観測された。
　火山性連続微動は引き続き期間を通して継続した。微動の振幅は発生以来消長を繰返しており、今期間は６月１日朝からやや大きくなったが変化は小さいものであった。孤立型微動の発生回数は554回で前期間（591回）と同程度で推移し、火山性地震の発生回数は31回で前期間（44回）よりやや減少した。
　噴煙活動、地殻変動等その他の観測データには特段の変化はなかった。
2) 地下から高温の火山ガスなどが噴出する際に、周辺の地表面が熱せられて赤く見える現象。

　御鉢火口の噴気活動はやや活発で、監視カメラによる観測で、26日に火口縁上約100ｍの高さの噴気が観測された。地震活動等その他の観測データには特に変化はなかった。

　今期間、噴火は観測されなかった（前期間は、ごく小規模な噴火が時々発生したが、爆発的噴火等³⁾は観測されなかった）。地震活動等その他の観測データには特に変化はなかった。
3) 桜島では噴火活動が活発なため、噴火のうち、爆発的噴火もしくは一定の規模以上の噴火の回数を計数している。

　地震活動、噴煙活動等の観測データには特段の変化はなかった。

　地震活動、噴煙活動等の観測データには特段の変化はなかった。

　26日夕方から噴火が連日観測され、30日夕方からは活動が活発になり、爆発的噴火（以下、爆発）が時々観測された。活動の活発な状態は期間の終わりまで続いた。爆発は30日に４回、31日に６回、６月１日に７回観測された。爆発が観測されたのは、今年１月４日以来であった。
　十島村役場諏訪之瀬島出張所（以下、出張所）からの報告及び遠望監視カメラ⁴⁾の観測によると、噴煙の高さの最高は６月１日09時頃に出張所から確認された火口上約3000ｍであった。出張所によると、30日に集落（御岳の南南西約４km）で降灰があった。
　火山性連続微動が、26日夕方から期間を通して断続的に観測された。
4) 御岳の北北東約25kmの中之島に設置。