伊豆鳥島 有史以降の火山活動

有史以降の火山活動(▲は噴火年を示す)

 西暦1902年噴火以前の噴火史については良くわかっていない。
年代 現象 活動経過・被害状況等
▲1902(明治35)年 水蒸気噴火 8月7~24日。火砕物降下。噴火場所は子持山西麓、兵庫湾、鳥島南西約2.5km地点の海底。
大噴火8月上旬(7~9日のいつか)爆発が起こり、月末まで継続。中央火口丘が爆発で消失。島の中央に大火口(長径約800m、短径約300m)を生成。島の南西約1kmの海中及び島の北西岸でも爆発が起こり、後者は兵庫湾を形成。全島民125名死亡。
▲1939(昭和14)年 中規模:マグマ噴火 8~12月。火砕物降下、溶岩流。噴火場所は硫黄山。
8月18日に1902年生成の大火口の南東端で噴火。噴煙、鳴動、噴石丘生成、溶岩流出。噴石丘の成長と溶岩流出は12月末まで続く。住民、海軍気象観測所、全員撤退。噴出物約1億m3
マグマ噴出量は0.025 DRE km3。(VEI3)
1947(昭和22)年 ※6月、気象観測所が設立され、9月から火山観測が開始された。
1949(昭和24)年 地殻変動 7~10月。火口原の地盤隆起。
1952(昭和27)年 地震 4月29日~5月3日。
1956~58(昭和31~33)年 地殻変動 火口原の地盤隆起。
1959(昭和34)年 地震 7月21日。地震多発(有感地震1回)。
1961(昭和36)年 地震 1~4月。
1962(昭和37)年 地震 4~6月。
1963(昭和 38)年 地震 4月9~15日。
1965(昭和40)年 地震 11月。※11月16日気象観測所閉鎖。以降無人島となる。
▲1998(平成 10)年 水蒸気噴火? 硫黄山火口南西縁に直径約35mの小火孔形成。航空写真解析の結果から、同年2月から10月の間に小噴火したものと推測。
航空写真からは火砕物は見つかっていない。
▲2002(平成 14)年 水蒸気噴火→マグマ水蒸気噴火→マグマ噴火 噴火場所は硫黄山。
8月8日に付近を航行していた遊漁船によりやや規模の大きい白煙が目撃される。10日未明に別の遊漁船により山頂から連続的に吹き上がる火柱が確認される。8月11日硫黄山山頂付近から白色の噴煙(高さ200~300m)の噴出を確認。12日硫黄山山頂火口から灰白色の噴煙(600m程度)が連続的に噴出し、翌13日には高度1200~1500m程度まで上昇。無人カメラの映像から19日には既に噴煙が見られなくなっており、21日の上空からの観測では10m程度の噴気がみられるだけとなっていた。

日本活火山総覧(第4版)(気象庁編、2013)による。
噴火イベントの年代、噴火場所、噴火様式等については、(国研)産業技術総合研究所の活火山データベース(工藤・星住, 2006)を参考に、文献の追記を行った。
なお、噴出物量については、降下火砕物、火砕流、火砕サージ、溶岩流、溶岩ドーム等を加えた重量(単位は「ton」)またはマグマ噴出量(DRE km3)で記載している。また、噴出物量が既知である場合については、産業技術総合研究所作成の活火山データベースから参照し、VEI(火山爆発指数)も付している。詳しくは有史以降の火山活動についてを参照のこと。



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