1 1978年宮城県沖地震とは

昭和53年(1978年)6月12日17時14分、宮城県沖を震源とするマグニチュード7.4、最大震度5※1を観測する地震が東北地方を襲いました。この地震では、主に宮城県仙台市を中心とする都市部で家屋などの倒壊被害が相次いで多くの死傷者が出たほか、ライフラインの被害も大きく、50万人以上の近代都市(当時の仙台市の人口:約65万人)が経験した初めての都市型災害と言われています。

気象庁はこの地震の名称を「1978年宮城県沖地震」と定めました。

2 観測データと被害状況

図11978年宮城県沖地震における震源と各地の震度
各地の震度は気象官署で観測した震度(詳細は震度データベース検索へ)

震源

発生時刻 昭和53年(1978年)6月12日 17時14分25秒
震央 北緯38度09分、東経142度10分(宮城県沖)
震源の深さ 40km
マグニチュード 7.4

各地の震度

東北地方を中心に、北海道から近畿・中国地方にかけて、震度5~1を観測しました。

表1東北地方の震度観測点(当時)のうち、震度5~4を観測した点

震度5 大船渡、仙台、石巻、新庄、福島
震度4 八戸、宮古、盛岡、一関、秋田、鷹巣、酒田、山形、小名浜、白河、若松

津波

仙台管区気象台では、17時14分の地震発生後直ちに津波の判定作業を行い、同日17時21分に東北地方の太平洋沿岸に津波警報を発表しました。

その後、東北地方の太平洋沿岸に津波が到達しましたが、観測された津波の高さは最も高いところで30 cm(仙台新港)で、津波による被害は発生しませんでした。

同日20時30分、津波警報を解除しました。

前後の地震活動

1978年宮城県沖地震発生後、地震活動は2か月程度見られました。

この地震が発生する約4か月前の2月20日にM6.7の地震が発生し、岩手県大船渡市で震度5、宮城県仙台市などで震度4を観測するなど、北海道から近畿地方にかけて震度5~1を観測しました(震度分布)。地震発生後、余震活動は1か月程度見られました。

図2震央分布図
(1978年1月1日~1978年12月31日、深さ0~80km、M≧4.5)
○2月1日~3月31日 ○6月1日~7月31日 ○上記以外の期間

図3領域a内のM-T図、回数積算図※2

被害状況

特に宮城県東部において、地震による大きな被害が発生しました。

仙台市などの都市部では、沖積平野や造成地を中心に、多くの住宅やビルが倒壊しました。また、地震全体の死者28名のうち、18名がブロック塀・石塀・石の門柱などの倒壊によるものでした。

道路、電気、ガス、水道などのライフラインの被害も大きく、多数の道路・橋梁が破損したほか、仙台市ではガスタンクの倒壊・炎上やガス管の破断が生じ都市ガスの復旧に約1か月を要しました。

住家被害と比較すると火災が少なく、これは地震発生が初夏かつ夕食準備前の時間であったためと言われています。

表2各県の被害(各県調べ)

気象庁(1978)
府県名 人的被害(単位:人) 住家被害(単位:棟) 備考
死者 負傷者 全壊 半壊
宮城県 27 10181 1271 5619 昭和53年7月21日時点
岩手県 11 7 昭和53年6月15日時点
山形県 1 1 昭和53年6月30日時点
福島県 1 30 6 50 昭和53年7月1日時点

地震発生翌日以降、仙台管区気象台、盛岡地方気象台、石巻測候所は現地調査を実施し、調査報告をまとめました。以下は、調査にて職員が撮影した写真です。

図4地震により倒壊したブロック塀

現・仙台市宮城野区
昭和53年6月13日
職員

図5倒壊・炎上したガスタンク(左)

現・仙台市宮城野区
昭和53年6月13日
職員

図6倒壊した国道346号線錦桜(きんおう)橋

現・宮城県登米市中田町 北上川沿い
昭和53年6月19日
職員

3 大地震への備え

家屋の倒壊被害が相次いだことは、この地震から3年後の昭和56年(1981年)、建築基準法施行令の改正につながり、「新耐震基準」と呼ばれる新しい設計基準が設けられました。また、その基準はその後の自然災害に応じて改正が行われています。新耐震基準の導入以降に建築された建物は、平成7年(1995年)兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)においても、それ以前の基準で建築された建物よりも倒壊率が低く抑えられました。一方、新耐震基準前の建物については甚大な被害が発生しました。

宮城県は、地震発生日の6月12日を「みやぎ県民防災の日」と制定しており、地震に備えた防災訓練を毎年行っています。宮城県沖を震源とする地震は、過去にも繰り返し発生していることもあり、今後も地震への備えは重要です。

地震の揺れは突然襲ってきます。いつ揺れに見舞われても身を守ることができるように、屋内・屋外問わず周囲の状況や避難経路を確認し、揺れに備えましょう。

4 参考文献

  • 気象庁,1978年宮城県沖地震調査報告,気象庁技術報告,1978,第95号.
  • 1978年宮城県沖地震の震度分布
    震度データベース検索

※1:当時の震度階級は「0・1・2・3・4・5・6・7」の8段階で、震度5・6に強・弱の区別はありませんでした。
※2:M-T図は縦軸にマグニチュード(M)、横軸に時間(T)を表示した図で、地震活動の経過を見るために用います。また、回数積算図は地震回数の積算を示し、地震活動の推移を見ることができます。
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