札幌管区気象台長からのメッセージ

令和7年4月に札幌管区気象台長に就任した、石田純一(いしだじゅんいち)です。
札幌管区気象台は、北海道全域の気象、海洋、地震、火山などの観測、予報・警報や情報の発表を行うとともに、関係機関と連携して防災・減災へ取り組んでいます。北海道内には、札幌管区気象台の他、函館、旭川、室蘭、釧路、網走、稚内の6か所の地方気象台、及び、帯広測候所と新千歳航空測候所があり、各官署が地域と役割を分担しながら業務を行っています。
近年、全国各地で毎年のように台風による災害や線状降水帯などによる大雨の災害が発生しています。北海道においては、台風や大雨による災害に加えて、大雪や暴風雪などによる災害も発生しています。また、平成30年北海道胆振東部地震のような内陸地震のほか、日本海溝・千島海溝周辺で発生する海溝型地震・津波も懸念されています。火山については、有珠山が前回の噴火(平成12年)から既に20年以上が経過するなど、活動的な火山の多い北海道では、いつ火山活動が活発になってもおかしくありません。
一方で、北海道の雄大で美しい景観、豊かな自然は、地球の営みの中で育まれてきたものです。火山の噴火は肥沃な土壌を作り、美しい景観、温泉などの恵みをもたらし、大雨による洪水は、石狩平野、上川盆地、十勝平野など、人の住みやすい平らな土地を作りました。このように、自然の災害と恵みは表裏一体の面があります。
気象台では、大雨、台風、大雪、地震・津波、火山噴火などのさまざまな自然災害から北海道の皆さんを守るため、このような自然現象を日夜監視し、的確な防災行動につながる情報を発信するとともに、日頃から防災に関する備えや心の準備をしていただけるような取り組みを進めています。
自然の恵みを存分に享受しながら、いざというときに自ら命を守る行動がとれるよう、皆さん一人ひとりが日頃からの備えや心の準備をしていただけるようお願いいたします。
令和7年4月 札幌管区気象台長 石田 純一(いしだ じゅんいち)