気象庁の静止気象衛星システム
このシステムでは、ひまわりの放射計による地球の画像撮影、撮影した画像(以下、放射計データという。)を 基にした画像データや各種気象資料(以下、プロダクトという。)の作成及び算出、プロダクトの利用者への配信、 並びに、通報局(DCP)が自動観測した気象等のデータ(以下、DCPデータという。)の利用者への中継を行います。

静止気象衛星の概要
ひまわり8号/9号
地球の画像を撮影し、放射計データ及びDCPデータをHOPE(気象衛星ひまわり運用事業株式会社)に送信します。
主に撮影をする衛星を運用衛星、運用衛星が保守や故障のときに代わって撮影をする衛星を待機衛星と呼びます。
地上施設の概要
気象衛星センター
静止気象衛星システムの中心となる施設です。 ひまわりによる放射計データから画像データを作成します。 また、放射計データを基に処理、解析してプロダクトを算出します。 さらに、これらの資料を国内・国外の気象水文機関等に配信します。また、気象庁を通じてホームページ等により利用者へ提供します。
大阪管区気象台
気象衛星センターが被災等によりその機能を失った場合にはバックアップ局として大阪管区気象台がプロダクトを算出し、 気象庁、HimawariCast及びHimawariCloudにのみ画像データやプロダクトを送信します。 気象庁へはDCPデータも送信します。
HOPE 主局、副局(アンテナサイト・データセンター)
HOPEはひまわり8号/9号を運用するために作られた民間の会社です。
HOPE 主局、副局では、ひまわり8号/9号の衛星管制(ひまわりの状態監視やひまわりの機器制御のための指令信号の送信など)を行い、 データセンターとして放射計データとDCPデータを気象衛星センターへ送信します。
絶え間なく気象庁へひまわりのデータを届けるために、主局と副局の両方で、衛星管制及び観測データの受信・伝送を行っています。 主局が被災した場合でも運用を継続できるようにするため、副局を主局(埼玉県、東京都)と離れた北海道に設置しています。
さらに、副局は気象衛星センターとともに気象衛星センターのバックアップを担う大阪管区気象台にも放射計データとDCPデータを送信します。
HimawariCast(ひまわりキャスト)
HimawariCastは民間の会社に運営を委託しています。 気象衛星センターが放射計データから作成したひまわりの画像データの一部は、 商用衛星通信事業者を通して、商用衛星経由で各利用者に送られます。 受信設備を利用者が設置することで、どなたでも雲画像データを利用することができます。
HimawariCloud(ひまわりクラウド)
HimawariCloudは民間の会社に運営を委託しています。 情報量の多い画像データをインターネット等の地上回線を通じて国内・国外の気象水文機関等に提供しています。
通報局 (DCP)
気象、潮位などを自動で観測し、そのDCPデータをひまわりへ送信する設備です。 各気象水文機関等が観測の必要な場所に設置しています。 ひまわりは受信したDCPデータを地上へ中継し、HOPEが受信して気象衛星センターへ送信します。 気象衛星センターではDCPデータを各利用者へ送信します。