日本近海の海流
令和7年6月30日 気象庁発表
(次回発表予定 7月10日)
診断(2025年6月下旬)
黒潮(図1、表1)
- 黒潮は、都井岬で離岸し、足摺岬、室戸岬、潮岬で接岸して流れています。
- 東海沖の黒潮の最南位置は、北緯31.5度、東経139.5度付近にあり、伊豆諸島付近では三宅島付近を流れています。
- 房総半島では接岸して流れています。
親潮・対馬暖流(図2、表2)
- 親潮の南限位置は、北緯41.5度、東経146.5度付近にあり、親潮の面積は平年よりかなり小さくなっています。
- 対馬暖流の勢力は、平年より強くなっています。
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深さ50mの海流分布図(図1)は、海洋大循環モデルとデータ同化による算出結果を示しています。 0.2ノット(1ノット≒0.5m/s、図ではktと表記しています。)以上の流れの向きを矢印で示しています。流速は、図の右にあるスケールを参照してください。 深さ100mの水温分布図(図2)の水温は、図の右にあるスケールと同じ色で色分けされています。
これらの図は速報値で作成しています。日本近海のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。
解説
沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流
2025年6月下旬の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりです。
表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸 離岸 足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 離岸と接岸を繰り返す 室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸が続くが、期間末には離岸する 潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸 東海沖の黒潮流路の最南位置(※2) 北緯31.5度、東経139.5度付近 北緯32度、東経139度付近 伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1) 三宅島付近 八丈島の南 房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸が続くが、期間末には離岸する その他の顕著な現象 東海沖の北緯33.5度、東経138度付近に冷水渦がみられる
日本の南の北緯30度、東経134.5度付近に冷水渦がみられる
奄美群島の南東の北緯27度、東経130.5度付近に冷水渦がみられる
沖縄本島の南東の北緯25度、東経129度付近に暖水渦がみられる
石垣島付近の北緯24度、東経124度付近に暖水域がみられる- (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考情報:海面水温・海流1か月予報(6月30日)
日本の東と日本海の海流
2025年6月下旬の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりです。
表2:日本の東と日本海の海流の実況と見通し 項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3) 北緯41.5度、東経146.5度付近 東経148度以東に後退 親潮の沖合の分枝の南限位置(※3) なし なし 親潮の面積(※4) 平年よりかなり小さい 平年よりかなり小さい 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※5) 北緯37.5度付近(平年より北)(経度は東経144.5度付近) - その他の日本の東の海流 釧路沖の北緯41.5度、東経145度付近に暖水渦がみられる
三陸沖の北緯40.5度、東経144.5度付近に冷水域がみられる
三陸沖の北緯39.5度、東経144度付近に暖水渦がみられる- 対馬暖流の勢力(※6) 平年より強い 平年より強いか、かなり強い (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図:日本近海の深さ200mの水温分布図(6月29日)
- 参考図:親潮域の深さ100mの水温分布図(6月29日)
- 参考図:親潮の面積の時系列図
- 参考図:対馬暖流の勢力の時系列図
- 参考情報:海面水温・海流1か月予報(6月30日)