日本近海の海流
平成26年8月29日発表
気象庁地球環境・海洋部
診断(2014年8月下旬)
- 黒潮は、都井岬、足摺岬、室戸岬、潮岬でいずれも接岸して流れています。
- 黒潮は、東海沖では北緯33度付近を東に流れ、東経138.5度付近から北東に向きを変えて三宅島付近を通り、房総半島では離岸して、北緯35.5度、東経142.5度付近からは東に流れています。
- 親潮は分枝構造がみられず、南限位置は、北緯39.5度、東経143度付近(図中A)にあります。親潮の面積は平年より小さくなっています。
- 対馬暖流は、山陰沖を北東に流れています。北緯39.5度、東経137度付近から南東へ流れ、北緯39度、東経138度付近からは北北東に流れて津軽沖に達しています。山陰沖東部では、岸沿いに東向きの流れがみられ、東経136度付近からは北向きに流れています。朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられます。
日本近海の深さ100mの水温分布図(8月28日)
この図の水温は速報値です。海洋のデータバンクの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがありますので、最新の資料は、データバンクをご利用ください。
解説
沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流
2014年8月下旬の沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況は、表1のとおりです。
表1:沖縄周辺、日本の南から関東沖にかけての海流の実況と見通し 海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 沖縄本島から北西沖の黒潮までの距離(※1) 170km付近 − トカラ海峡の黒潮の通過緯度/向き(※1) 北緯29.8度 / 南東 − 都井岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸 足摺岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸 室戸岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸が続くが離岸する時期がある 潮岬での黒潮の離岸・接岸(※1) 接岸 接岸が続くが、後半に一時離岸 東海沖の黒潮流路の最南位置(※2) 北緯33度、東経138.5度付近 北緯33度、東経138度付近 伊豆諸島付近の黒潮通過位置(※1) 三宅島付近 後半は三宅島の北 房総半島での黒潮の離岸・接岸(※1) 離岸 離岸 その他の顕著な現象 沖縄の南の北緯23.5度、東経127.5度付近に暖水域が、沖縄の東の北緯25度、東経129.5度付近に冷水域が、関東の南東方の北緯34度、東経144度付近に冷水渦が、それぞれみられる − (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
日本の東と日本海の海流
2014年8月下旬の日本の東と日本海の海流は、表2のとおりです。
表2:日本の東と日本海の海流の実況と見通し 項目 実況 向こう1か月の見通し(注) 親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※3) 北緯39.5度、東経143度付近(図中A) 北緯41度、東経147度付近 親潮の沖合の分枝の南限位置(※3) なし なし その他の親潮系冷水の位置 特にみられない − 親潮の面積(※4) 平年より小さい 平年より小さい 津軽暖流の東端の経度(※5) 東経143度付近(平年より西)(図中B) − 日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※6) 北緯36.5度付近(平年並)(図中C) − その他の日本の東の海流 釧路沖の北緯42度、東経146度付近に暖水域がみられる(図中D) − 日本海の海流 対馬暖流は、山陰沖を北東に流れている
北緯39.5度、東経137度付近から南東へ流れ、北緯39度、東経138度付近からは北北東に流れて津軽沖に達している
山陰沖東部では、岸沿いに東向きの流れがみられ、東経136度付近からは北向きに流れている
朝鮮半島東岸では北向きの流れがみられる− 対馬暖流の勢力(※7) 平年より弱い 平年より弱い (注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。
(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。
- 参考図:日本近海の深さ50mの海流分布図(8月28日)
- 参考図:日本近海の深さ200mの水温分布図(8月28日)
- 参考図:日本近海の深さ400mの水温分布図(8月28日)
- 参考図:親潮の面積の時系列図
- 参考図:対馬暖流の勢力の時系列図