海面水温・海流(東北周辺海域)

令和4年2月10日 仙台管区気象台発表

診断(2022年2月上旬)

  • 本州東方では、東経144度以西で、海面水温が平年よりかなり低い海域が拡大しました。一方、東経144度以東では、引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。
  • 日本海では、引き続き海面水温が平年より低い海域がみられます。
  • 親潮の南限位置は、北緯39度、東経143度付近にあります。親潮の面積は、平年並となっています。
  • 対馬暖流は、佐渡沖の北緯38度、東経137.5度付近から北に流れ、秋田沖の北緯40度付近から東北東に流れて津軽海峡に達しています。

東北周辺海域の海面水温平年差分布図(2月9日)
東北周辺海域の海面水温平年差分布図(2月9日)

海面水温の平年値(1991〜2020年の30年間の平均値)からの差を示しています。 平年差は、図の右にある0.5℃ごとのスケールと同じ色で色分けされています。 内湾域等は、薄い灰色で示しています。 また、海氷のために海面水温のデータがない海域は、灰色の網掛けで示しています。

この図の海面水温平年差は速報値です。東北周辺海域のデータの図は、診断の発表後も、後から入手した観測値によって更新されることがあります。

解説

海面水温

本州東方では、東経144度以西で、寒気や平年より風が強かった影響に加え、親潮の影響もあり、海面水温が平年よりかなり低い海域が拡大しました。一方、東経144度以東では、下層の暖水の影響で、引き続き海面水温が平年よりかなり高い海域がみられます。

日本海では、引き続き海面水温が平年より低い海域がみられます。

海面水温の今後の見通し

向こう1か月の東北周辺海域の海面水温は、太平洋の東経144度以西では、平年並か平年より低く、東経144度以東では、平年より高いか、かなり高いでしょう。

日本海では、平年並か平年より高いでしょう。

海流の実況と見通し

2022年2月上旬の東北周辺海域の海流の実況と見通しは、表のとおりです。

表:東北周辺海域の海流の実況と見通し
海域・項目 実況 向こう1か月の見通し(注)
親潮の沿岸寄りの分枝の南限位置(※1 北緯39度、東経143度付近 北緯37.5度、東経142.5度付近
親潮の沖合の分枝の南限位置(※1 なし なし
その他の親潮系冷水の位置 特にみられない
親潮の面積(※2 平年並 平年並か平年より小さい
津軽暖流の東端の経度(※3 東経142度付近(平年より西)
日本の東の黒潮系暖水の北限緯度(※4 北緯38度付近(平年より北)(経度は東経145.5度付近)
日本の東のその他の顕著な現象 特にみられない
日本海の海流 対馬暖流は、佐渡沖の北緯38度、東経137.5度付近から北に流れ、秋田沖の北緯40度付近から東北東に流れて津軽海峡に達している

(注)『 − 』は、海面水温・海流1か月予報に記載がない項目です。

(※)が付いている項目の見方については、「海流の診断の見方」のページもあわせてご参照ください。


海面水温の診断にあたって

  • 1991〜2020年の30年間に出現した海面水温の上位1/3以上を「平年より高い」、下位1/3以下を「平年より低い」とし、それらを除いた中央1/3の範囲を「平年並」としています。また、上位(下位)1/10以上(以下)を「平年よりかなり高い(低い)」としています。

このページのトップへ