滋賀県は、周辺を1,000メートル級の山に囲まれた盆地地形をなしており、広さ670平方キロメートルに及ぶ、日本最大の湖「琵琶湖」を有している自然豊かな場所です。
そのため、夏になると京阪神や中京地域から豊かな自然環境を求めて、水泳、魚釣り、カヌー、サップ、キャンプ、キャニオニングなどで、多くの人が琵琶湖などの水辺を訪れます。
一方、これらのレジャーに伴い、滋賀県内(主に琵琶湖)では、水難事故が、毎年およそ14〜19件*1の規模で発生しており、発生した事故の約半数が死亡・行方不明となる極めて致命率の高い傾向が続いています。
なぜ、比較的穏やかに見える琵琶湖でこのような水難事故が発生するのでしょうか?
滋賀県の水難事故には主に以下のような特徴*1があります。
・滋賀県の水難事故の大部分は琵琶湖周辺で発生
・7月、8月に集中して発生
・該当者の7割程度は県外の方
つまり、県外から夏休み期間などにレジャー目的で琵琶湖に訪れる人々が、水難事故にあわれている場合が多いことなどから、琵琶湖のリスクや天候による影響等、琵琶湖周辺に生活している人々に比べ、県外から訪れる人々が危険性を認識していない場合も多いと考えられます。
水泳中の事故については、琵琶湖の周辺の湖水浴場の特徴なども原因の一つと言われています。琵琶湖は約400万年前に三重県伊賀市付近にあり、その後日本列島周辺の近くの地盤変動の影響により、少しずつ北へ移動、約40万年頃に現在の位置*2となったと言われています。つまり、太平洋や伊勢湾側から北に力が加わり、北へ押し上げられている状態です。そのため、水深が南湖は浅く、北湖は深くなっています。また、それら地殻変動の影響により滋賀県の東側の山地は三重県側では急峻な地形となっており滋賀県側では伊吹山地や鈴鹿山脈に源流を持つ多くの河川が深く比較的緩やかな渓谷を形成しています。それらの河川から運ばれた土砂などの影響も加わり、琵琶湖の東側の浜辺は比較的遠浅な湖底を形成しています、一方、琵琶湖の西岸側は同様に地殻変動の影響で比良山地などの非常に急峻な地形となっており、その麓の砂浜も同様に水際から急に深くなる砂地が多く存在しています。*2
水際から急に深くなる場所では、急に足が立たなくなり慌てて上がろうとしても急な傾斜の砂地が崩れて上がれなくなるなどが原因となって、溺れるなどの事故か発生しやすいと言われています。一方、東側の砂浜は比較的遠浅な浜が多くなりますが、波の特性から、強風が遠浅の浜に吹き寄せる場所や流れの強い河川の河口周辺では川の流れと反対の風波とぶつかって波が高くなり、湖面が荒れやすくなります。サップやカヌー、ボートなどを使用しているレジャーでは、バランスを崩し転覆などの事故が発生しやすくなります。
なお、東岸、西岸を問わず、岸から湖に向かって風が吹いている場合には、岸近くの風は陸地や山の影響で弱くなっていても、沖では遮るものがないので強風となっている場合があります。そのような場所で沖に出た場合には、岸に戻れなくなる、あるいは乗物の操作が困難になる場合があり、波も高くなることから転覆事故にもつながります。更に、夏には積乱雲による急な強い雨や雷、突風などが発生し、これらが水難事故の原因となる場合もあります。
琵琶湖でのレジャーを楽しむ場合には、琵琶湖の特徴を把握し、出かける前から天気予報などをこまめに確認する、悪天が予想される場合には予定を変更する。また、雷注意報が発表されているなど、大気の状態が不安定で積乱雲が発達し、急な現象が起こる可能性がある場合には、現地で気象庁の「雨雲の動き」などを携帯端末などで随時確認する、風や気温、雲の状況などを注意深く監視し、危険な状況になる前に早めにレジャーを中止し、安全な場所に移動するなどを心掛け、美しい湖(琵琶湖)で楽しい時間を過ごしてください。




















