世界の異常気象速報(臨時)


世界の異常気象や気象災害のうち、顕著な事例について、その状況等を速報としてまとめた情報です。

過去に発表した情報は、以下のページからご覧になれます。
ヨーロッパ中部の洪水について
発表日令和3年7月21日
概要 ヨーロッパ中部では、7月12日~15日頃の大雨により、広範囲で洪水が発生し、ドイツやベルギーを中心に190人以上が死亡したと伝えられています(欧州委員会)。 ドイツ西部のリューデンシャイトでは、7月14日の1日間で、7月の平年の月降水量(97.1mm)の約1.5倍に相当する143.0mmの降水量を観測しました。
今般の大雨は、ヨーロッパ中部で寒気を伴った上空の低気圧が停滞したことが一因と考えられます。
気象実況
(分布図)
気象実況分布図_01
2021年7月12日~15日の4日間降水量(単位mm)
各国気象局の通報に基づき、気象庁で作成。灰色の点は描画に用いた観測地点を、赤枠は積算降水量の計算に用いた地点の範囲をそれぞれ示す。
気象実況
(時系列図)
気象実況時系列図_01
ドイツ西部のリューデンシャイトでは、 7月14日の1日間で、7月の平年の月降水量(97.1mm)の約1.5倍に相当する143.0mmの降水量を観測しました。
気象実況時系列図_02
ドイツ西部~スイスにおける積算降水量時系列(単位mm)
地図(左上)の赤枠内にあるヨーロッパ中部(ドイツ西部~スイス)の57観測地点で平均した積算降水量。 各国気象局の通報(速報値)に基づき、気象庁で作成。各折れ線グラフ(実線)は1997年以降の各年の6月1日からの積算降水量(2021年は7月18日まで)で、 赤色が2021年(本年)を示す。破線は1997年から2020年までの24年間の平均値。

ドイツ西部~スイスの2021年6月以降の積算降水量は、6月下旬以降過去24年間の平均よりも多い値で推移し、7月中旬の大雨により記録的に多くなりました。 ドイツでは2021年6月の降水量が南部を中心に平年よりも多く(ドイツ気象局)、大雨による洪水が複数発生したと伝えられています(欧州委員会)。 またドイツ西部のライン川の水位も、6月下旬以降高い状態が続いていました(ドイツ水利・水運管理局)。
(参考)ドイツ気象局発表:2021年6月の天候のまとめ
https://www.dwd.de/EN/press/press_release/EN/2021/20210629_the_weather_in_germany_in_june_2021.pdf?__blob=publicationFile&v=2
(参考)ドイツ水利・水運管理局
https://www.pegelonline.wsv.de/gast/karte/standard
見通し ドイツ気象局が7月20日に発表した予報によれば、今般洪水に見舞われたラインラント=プファルツ(Rheinland-Pfalz)州やノルトライン=ヴェストファーレン(Nordrhein-Westfalen)州では、24日以降に降水が予測されています。
(参考)ドイツ気象局発表の予報は以下のURLで見ることができます。
※各観測地点における毎日の気温・降水量については、気象庁ホームページ「世界の天候データツール(ClimatView 日別値)」でご覧頂けます。
https://www.data.jma.go.jp/cpd/monitor/dailyview/

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