日本の月の天候 ------------------ 対象期間:

2021年(令和3年)5月の特徴:

○気温は、沖縄・奄美で記録的に高かった

平年に比べ梅雨前線が早く北上し、南から暖かい空気が流れ込むとともに、太平洋高気圧に覆われ日照時間が多かった沖縄・奄美では気温がかなり高く、1946年の統計開始以来5月として最も高い記録を更新した。

○降水量は西日本でかなり多く、日照時間は北・東日本日本海側でかなり少なかった

中旬を中心に本州付近に停滞した活発な梅雨前線の影響などで、降水量は西日本でかなり多く、日照時間は北・東日本日本海側でかなり少なかった。一方、太平洋高気圧に覆われることが多かった沖縄・奄美では降水量が少なく、日照時間が多かった。

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図

平年に比べ梅雨前線が早く北上し、南から暖かい空気が流れ込むとともに、太平洋高気圧に覆われ月間日照時間が多かった沖縄・奄美では月平均気温がかなり高く、平年差+1.7℃で1946年の統計開始以来5月として最も高い記録を更新した。

中旬を中心に本州付近に停滞した活発な梅雨前線の影響で、東・西日本では曇りや雨の日が多く、月降水量は西日本でかなり多く、月間日照時間は東日本日本海側でかなり少なかった。また、低気圧や前線の影響を受けやすかった北日本日本海側では月間日照時間がかなり少なかった。一方、太平洋高気圧に覆われることが多かった沖縄・奄美では月降水量が少なく、月間日照時間が多かった。なお、梅雨前線の北上が平年より早かったため、九州南部は11日ごろに、九州北部、四国、中国地方では15日ごろに、近畿、東海地方では16日ごろに、それぞれ平年よりかなり早く梅雨入りしたとみられる。

平均気温:沖縄・奄美でかなり高く、北・東・西日本では平年並だった。

降 水 量:西日本でかなり多く、北日本日本海側と東日本で多かった。一方、沖縄・奄美で少なかった。北日本太平洋側では平年並だった。

日照時間:北・東日本日本海側でかなり少なく、北・東日本太平洋側と西日本で少なかった。一方、沖縄・奄美で多かった。

月TRS分布図 旬別RS経過図
月平均気温平年偏差、月降水量平年比、月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

天候経過


    上旬

     低気圧と高気圧が交互に通過し、北・東・西日本では天気が周期的に変化した。1日から3日にかけて上空の寒冷渦の影響で大気の状態が不安定となり、1日には静岡県で竜巻の可能性が高い突風が発生した。低気圧や前線の影響を受けやすかった東日本日本海側では旬降水量が多く、旬間日照時間が少なかった。また、低気圧通過後に寒気の影響を受けた西日本では気温が低かった。一方、5日には梅雨前線が顕在化し、その後、沖縄・奄美から本州南海上で停滞した。沖縄・奄美ではそのころ梅雨入りしたとみられる。7日から8日にかけて梅雨前線の活動が活発となり、鹿児島や沖縄では大雨となったところがあった。

     旬平均気温:西日本で低い一方、沖縄・奄美では高かった。北・東日本では平年並だった。

     旬降水量:北日本太平洋側で少ない一方、東日本日本海側で多かった。北日本日本海側、東日本太平洋側、西日本と沖縄・奄美では平年並だった。

     旬間日照時間:東・西日本太平洋側で多かった。一方、東日本日本海側で少なかった。北日本、西日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。


    中旬

     活発な梅雨前線が本州付近に停滞し、九州南部では11日ごろに、九州北部・四国・中国地方では15日ごろに、近畿・東海地方では16日ごろに、それぞれ平年よりかなり早く梅雨入りしたとみられる。このため、東・西日本では曇りや雨の日が多く、特に西日本日本海側では旬降水量が292%と統計開始の1946年以来5月中旬として最も多く、西日本日本海側と太平洋側では、旬間日照時間がそれぞれ32%と28%と統計開始の1961年以来5月中旬として最も少なくなった。梅雨前線の活動が特に活発となった15日から17日にかけては、西日本を中心に各地で大雨となった。一方、太平洋高気圧に覆われることが多かった沖縄・奄美では、旬平均気温がかなり高く、旬降水量が少なく、旬間日照時間が多くなった。北日本では天気が周期的に変化した。

     旬平均気温:西日本と沖縄・奄美でかなり高く、北・東日本では高かった。

     旬降水量:北日本日本海側と西日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。一方、沖縄・奄美では少なかった。北・東日本太平洋側では平年並だった。

     旬間日照時間:東日本太平洋側と西日本でかなり少なく、東日本日本海側で少なかった。一方、北日本日本海側と沖縄・奄美では多かった。北日本太平洋側では平年並だった。


    下旬

     梅雨前線や低気圧の影響で、北・東・西日本では曇りや雨の日が多かった。21日には東日本と西日本で大雨となった。また、27日にも九州南部で大雨となった。月末には梅雨前線が南下し、沖縄・奄美で曇りや雨の日が多くなるとともに、東・西日本では晴れた日もあった。

     旬平均気温:沖縄・奄美でかなり高かった。一方、西日本で低かった。北・東日本では平年並だった。

     旬降水量:北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側と東・西日本、沖縄・奄美で多かった。

     旬間日照時間:北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側、東日本、西日本太平洋側、沖縄・奄美で少なかった。西日本日本海側では平年並だった。

極東循環場の特徴

      500hPa天気図:日本の東海上と本州の南海上を中心とする正偏差の領域がある一方、モンゴル付近から華中にかけて気圧の谷が見られる。これらのことは、日本付近で偏西風が西南西の流れとなり、北・東・西日本では暖かく湿った気流の影響を受けやすかったこととともに、沖縄・奄美では太平洋高気圧の影響を受けやすかったことを示している。

      海面気圧と外向き長波放射量平年偏差:海面気圧は、中国大陸から日本付近にかけて負偏差の一方、日本の南海上で太平洋高気圧が強い。これらのことは、北・東・西日本では平年より早く北上した梅雨前線や低気圧の影響を受けやすかったこと、一方、沖縄・奄美は太平洋高気圧の影響を受けやすかったことに対応している。外向き長波放射量平年偏差は、西太平洋の赤道の北で帯状に負偏差で対流活動が活発、インドシナ半島からフィリピンの北を通り日本のはるか南海上で正偏差で不活発、その北の華中から本州南海上にかけて負偏差で活発、という三極構造が明瞭だった。

      850hPa気温:北・東・西日本付近は偏差が小さい一方、沖縄・奄美は+1℃以上の東西に伸びる正偏差域に覆われている。

月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均500hPa高度・偏差分布図 月平均850hPa気温・偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量(OLR)偏差分布図
月平均海面更正気圧・偏差分布図 月平均外向き長波放射量・偏差分布図

記録と台風

  • 月平均気温の高い記録
  • 小名浜 銚子* 与那国島 西表島 石垣島 宮古島 久米島* (*はタイ記録)

  • 月降水量の多い記録
  • 阿久根 人吉 都城 牛深 宇和島

  • 月間日照時間の少ない記録
  • 岩見沢

  • 台風の発生(速報値、日本時間)
  • 第3号(31日)

  • 台風の接近(速報値)
  • なし

  • 梅雨入り(速報値)
  • 沖縄地方、奄美地方(5日ごろ)、九州南部(11日ごろ)、九州北部地方、四国地方、中国地方(15日ごろ)、近畿地方、東海地方(16日ごろ)

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