エルニーニョ監視速報(No.409)
2026年9月の実況と2026年10月〜2027年4月の見通し
気象庁 大気海洋部
令和8年10月9日

  • 2026年春から続いているエルニーニョ現象は、9月に入り過去最大の強さとなっている。
  • 9月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+4.0℃と高く、1949年以降で最も高かった1997年12月の+3.6℃を超えた(表、図11)。
  • 今後、冬にかけて過去最大の強さのエルニーニョ現象が続く見込み(100%)。

エルニーニョ監視指数の経過と予測

エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値との差の5か月移動平均値の実況と予測を示した時系列グラフ
図1 エルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値の経過と予測
赤い折れ線グラフはエルニーニョ監視海域の監視指数(観測値)の5か月移動平均値の経過、黄色のボックスは大気海洋結合モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)を示す。ピンクの部分は監視指数の5か月移動平均値が+0.5℃以上、水色の部分は-0.5℃以下の範囲を示す。

監視指数は、エルニーニョ監視海域(北緯5度-南緯5度、西経150度-90度)で平均した海面水温について、各月の値と基準値(その年の前年までの30年間の各月の平均値)の差を取ったもの。
気象庁では、監視指数の5か月移動平均値がピンク(+0.5℃以上)/水色(-0.5℃以下)の範囲に入っている状態で6か月以上持続した場合に、エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生としている。

エルニーニョ監視指数の確率予測(予測期間:2026年8月〜2027年2月)

年月平均期間各月の確率
2026年 8月2026年6月〜2026年10月
9月2026年7月〜2026年11月
10月2026年8月〜2026年12月
11月2026年9月〜2027年1月
12月2026年10月〜2027年2月
2027年 1月2026年11月〜2027年3月
2月2026年12月〜2027年4月
高い 平常 低い
図2 各月のエルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値が各カテゴリー(高い/平常/低い)に入る確率(%)
エルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値が高い(+0.5℃以上)/平常(-0.4℃〜+0.4℃)/低い(-0.5℃以下)の範囲に入る確率を、それぞれ赤/黄/青の横棒の長さで月ごとに示す。

図の見方の詳細については、「図表の見方」をご参照ください。

解説

エルニーニョ/ラニーニャ現象

  • 9月の実況:2026年春から続いているエルニーニョ現象は、過去最大の強さとなっている。 9月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は+4.0℃で基準値より高く、1949年以降で最も高かった1997年12月の+3.6℃を超え、通年で過去最大の強さとなった(図3、図11、表)。エルニーニョ/ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の7月の値は+2.6℃で4か月連続で基準値を超えた(図1、表)。太平洋赤道域の海面水温は、中部と東部では平年より顕著に高く、西部では平年より低かった(図4、図6)。太平洋赤道域の海洋表層の水温は、中部と東部では平年より顕著に高く、西部では平年より低かった(図5、図7)。対流活動は、太平洋赤道域の日付変更線付近で平年より活発で、中部太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は平年よりかなり弱かった(図8、図9、図10)。このような大気と海洋の状態により、エルニーニョ現象時の特徴が2026年春から次第に強化されており、同時期から続いているとみられるエルニーニョ現象は、過去最大の強さとなっている。
  • 今後の見通し:今後、冬にかけて過去最大の強さのエルニーニョ現象が続く見込み(100%)。 実況では、太平洋赤道域の中部から東部に見られる海洋表層の顕著な暖水が、中部から東部の海面水温の高い状態を維持している。大気海洋結合モデルは、今後も大気と海洋の相互作用により、太平洋赤道域の中部から東部の海洋表層の顕著な暖水を維持し、エルニーニョ監視海域の海面水温が冬にかけて基準値より記録的に高い値で推移して、過去最大の強さのエルニーニョ現象が継続すると予測される(図11)。今後、冬にかけて過去最大の強さのエルニーニョ現象が続く見込み(100%)。

西太平洋熱帯域及びインド洋熱帯域の状況

  • 西太平洋熱帯域: 9月の西太平洋熱帯域の海面水温は、基準値より低い値だった(図3)。今後、冬にかけて基準値より低い値で推移すると予測される(図12)。
  • インド洋熱帯域: 9月のインド洋熱帯域(IOBW)の海面水温は、基準値より高い値だった(図3)。今後、冬にかけて基準値より高い値で推移すると予測される(図13)。9月のインド洋ダイポールモード(IOD)指数は+0.69で、海面水温は西部を中心に高くなっていた。(図3、図4)。

9月の日本と世界の天候への影響

  • 日本: エルニーニョ現象時の特徴は明瞭に見られなかった。今後の日本の天候については、最新の季節予報を参照されたい。
  • 世界: フィリピン南部~ジャワ島、インド洋~中部アフリカ北部、南米北部~中部太平洋熱帯域、ブラジル東部、オーストラリア東部~南西部の高温、南米南部、ポリネシア南部の低温、アルゼンチン南部及びその周辺の多雨、南米北部、ポリネシア南西部~オーストラリア北部~東南アジア南東部の少雨が、エルニーニョ現象時の特徴に一致していた。

主文におけるエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率と見通しの表現

* 主文におけるエルニーニョ/ラニーニャ現象の発生確率は、図2の各月の確率を基に、エルニーニョ監視海域の監視指数の5か月移動平均値が+0.5℃以上/-0.5℃以下の状態が6か月以上持続する可能性を総合的に評価したもの。
 主文における表現は、この発生確率を基に季節単位で下表の表現を用いて記述するが、状況により異なる表現を用いることもある。
発生確率
エルニーニョ平常ラニーニャ主文における表現(発生確率は例)
現象現象
50%以上30%以下エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
60%40%0%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
エルニーニョ50%40%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生50%50%0%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)40%40%20%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
40%50%10%エルニーニョ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
40%60%0%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
30%以下50%以上ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性が高い(50%)
0%40%60%平常の状態が続く(になる)可能性もある(40%)が、
ラニーニャ10%40%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性の方がより高い(60%)。
現象の発生0%50%50%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性と
(持続)20%40%40%平常の状態が続く(になる)可能性が同程度である(50%)。
10%50%40%ラニーニャ現象が発生する(続く)可能性もある(40%)が、
0%60%40%平常の状態が続く(になる)可能性の方がより高い(60%)。
平常の状態
への移行30%以下50%以上30%以下平常の状態になる(が続く)可能性が高い(50%)。
(持続)
次回発表予定日時:11月10日14時

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