地震による被害及び地震動の調査(詳細)
気象庁及び福岡管区気象台は、地震発生当日(3月20日)に、被害の大きかった地域へ職員を派遣し、地震による被害状況等の調査を行いました。翌日(21日)から、震源に近く最も被害の大きかった玄界島で調査及び臨時の震度計の設置を行いました。
また、玄界島だけではなく県内の沿岸地域等の調査や、九州地方整備局のヘリによる上空からの調査も実施しました。そのほか、佐賀県や大分県についても地元の気象台が調査を行いました。


①の地点(西区玄界島)
玄界島では、家屋の8割以上が被災し、住民が地震発生当日中に島外へ避難した。住家が密集している急傾斜地で住家全壊の被害が多く発生した。小学校等では校庭に亀裂が入っていた。また、小学校近くの公園でも地面に亀裂が見られ、その段差は最大で40cm程度であった。港付近の道路が陥没した所もあった。
②の地点(東区志賀島)
外壁や瓦の落ちた家屋が見られた。また、崖崩れで県道が通行できない所があった。
③の地点(東区)
液状化の跡が多く見られ、電柱の傾きや道路が1mほど隆起した場所もあった。
④の地点(東区東浜)
聞き取り調査では「立っていることが困難で強い恐怖を覚えた」とコメントがあった。鉄筋コンクリート建物の脇から水が噴き出し、地盤が7~8cm沈んだ所もあった。
⑤の地点(博多区)
博多湾に面した埋立地で亀裂、地盤沈下、液状化の跡が見られた。
⑥の地点(中央区那の津付近)
博多湾に面した埋立地で広範囲にアスファルトやコンクリートに亀裂が見られた。液状化による噴砂現象の跡もあった。
⑦の地点(中央区)
聞き取り調査では「福岡市消防局では立っていることが困難で行動できないような揺れであり、強い恐怖を感じた」とコメントがあった。また、コンクリート塀が破損するなどの被害があった。
⑧の地点(早良区百道浜)
百道浜一帯は埋立地であり、所々に液状化による噴砂現象が見られた。
⑨の地点(前原市(現在の糸島市))
聞き取り調査では「市役所では立っていることは困難ではなかったが、所内の移動は自分の意志ではできなかった」とコメントがあった。また、市役所の隣の墓地では墓石の倒壊や移動が見られた。
当時の様子を写真で見てみよう。写真をクリックすると拡大するよ。