世界の異常気象速報(臨時)


世界の異常気象や気象災害のうち、顕著な事例について、その状況等を速報としてまとめた情報です。

過去に発表した情報は、以下のページからご覧になれます。
北半球の顕著な高温について
発表日令和3年7月1日
概要 ヨーロッパ東部~ロシア西部、東シベリア、及び、カナダ西部~米国北西部では、6月下旬から顕著な高温が続いています。
カナダ西部のリットン(Lytton)では、6月29日に日最高気温49.6℃を記録して、カナダにおける最高気温の記録を更新しました(カナダ気象局)。 ほか、ロシアのモスクワでは6月23日に34.8℃、ロシア東部のビリュイスクでは6月22日に36.5℃、米国のオレゴン州ポートランドでは6月28日に46.7℃の日最高気温が観測されました(ロシア水文気象センター、米国海洋大気庁)。
これらの一連の顕著な高温は、北半球全体で偏西風の蛇行が大きくなったためと考えられます。また、顕著な高温の背景には地球温暖化に伴う全球的な気温の上昇傾向も影響したと考えられます。
(なお、偏西風は日本上空では南に蛇行しており、6月下旬の梅雨前線の南下や上空の寒気に伴う不安定な天候に寄与した可能性があります。)
気象実況
(分布図)
気象実況分布図_01
2021年6月20日~29日における10日間で平均した日最高気温(単位℃)
各国気象局の通報に基づき、気象庁で作成。
ロシアのモスクワでは6月23日に34.8℃、ロシア東部のビリュイスクでは6月22日に36.5℃、カナダ西部のリットンでは6月29日に49.6℃、米国のオレゴン州ポートランドでは6月28日に46.7℃の日最高気温が観測されるなど、ヨーロッパ東部~ロシア西部、東シベリア、カナダ西部~米国北西部では記録的な高温となりました。
気象実況分布図_02
2021年6月20日~29日における10日間で平均した北極からみた上空約1500mの気温の平年偏差(陰影)と対流圏上層(上空約12000m)の偏西風の蛇行の様子
(等値線は200hPa面(上空約12000m)の高度の実況値(一部を抜粋)を示しており、偏西風はこの線に沿って流れている。)
偏西風が北(図の中心方向)に蛇行している地域で極端な高温となりました。
気象実況
(時系列図)
気象実況時系列図_01
気象実況時系列図_02
気象実況時系列図_03
気象実況時系列図_04
ロシア モスクワロシア ビリュイスク米国 ポートランド、 及び、カナダ リットン(Lytton)における気温時系列(単位℃)
各国気象局の通報に基づき、気象庁で作成。折れ線グラフは気温、棒グラフは降水量の日ごとの値。
見通し ロシア水文気象センターが7月1日に発表した情報によれば、今後数日間は西シベリア~中央シベリアの一部で顕著な高温が見込まれています。
(参考)ロシア水文気象センター発表の上記の情報は以下のURLで見ることができます。
米国海洋大気庁が6月30日に発表した情報(対象期間:2021年7月1日~7月3日)によれば、今後数日間、太平洋岸北西部の広い範囲では直近数日ほどではないが引き続き高温が続く見込みで、健康管理への注意を喚起しています。
(参考)米国海洋大気庁発表の上記の情報は以下のURLで見ることができます。
(参考)米国南西部では広い範囲で昨年から平年よりも降水量が少ない状況が続いています。(「世界の異常気象速報(臨時)」(2021年6月7日気象庁発表)) (参考)米国南西部では6月中旬に顕著な高温がみられました。(「世界の異常気象速報(臨時)」(2021年6月18日気象庁発表))
※各観測地点における毎日の気温・降水量については、気象庁ホームページ「世界の天候データツール(ClimatView 日別値)」でご覧頂けます。
https://www.data.jma.go.jp/cpd/monitor/dailyview/
※「概要」欄の記述を改めました(令和3年7月16日)。

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