日本の季節の天候 ------------------ 対象期間:

概況 | 各月の経過
令和5年12月15日作成

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図


2023年秋の天候の特徴をまとめると、

*秋の平均気温は全国的に高く、特に北・東・西日本でかなり高かった
秋の平均気温は、全国的に暖かい空気に覆われやすかったため、北・東・西日本でかなり高く、沖縄・奄美で高かった。北・東日本では、1946年の統計開始以降、それぞれ秋として1位の高温となった。

*秋の降水量は、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり少なかった一方、北日本日本海側でかなり多かった
秋の降水量は、低気圧や台風の影響を受けにくかったため、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり少なかった。西日本太平洋側では、1946年の統計開始以降、秋として1位の少雨となった。一方、低気圧や寒気の影響を受けた時期があったため、北日本日本海側でかなり多く、1946年の統計開始以降、秋として1位の多雨となった。

*秋の日照時間は全国的に多く、特に東・西日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美でかなり多かった
秋の日照時間は、全国的に高気圧に覆われやすかったため、東・西日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美でかなり多く、北・東日本日本海側と北日本太平洋側で多かった。東・西日本太平洋側と西日本日本海側では、1946年の統計開始以降、それぞれ秋として1位の多照となった。

 秋の日照時間は、全国的に高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かったため、東・西日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美でかなり多く、北・東日本日本海側と北日本太平洋側で多かった。秋の日照時間平年比は、東日本太平洋側で125%、西日本日本海側で115%、西日本太平洋側で120%となり、1946年の統計開始以降、それぞれ秋として1位の多照となった。
 秋の降水量は、低気圧や台風の影響を受けにくかったため、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり少なく、西日本日本海側で少なかった。秋の降水量平年比は西日本太平洋側で48%となり、1946年の統計開始以降、秋として1位の少雨となった。一方、北日本を中心に低気圧の影響を受けやすく、寒気の影響を受けた時期もあったため、秋の降水量は北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。秋の降水量平年比は北日本日本海側で134%となり、1946年の統計開始以降、秋として1位の多雨となった。
 日本近海の海面水温が顕著に高かったことや、日本海から日本の北を通る低気圧に向かって南から暖かい空気が流れ込みやすい時期があったため、全国的に暖かい空気に覆われやすかった。このため、秋の平均気温は北・東・西日本でかなり高く、沖縄・奄美で高かった。秋の平均気温平年差は、北日本で+1.9℃、東日本で+1.4℃となり、1946年の統計開始以降、それぞれ秋として1位の高温となった。

平均気温:北・東・西日本でかなり高く、沖縄・奄美で高かった。
降水量:北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。一方、東・西日本太平洋側と沖縄・奄美でかなり少なく、西日本日本海側で少なかった。北日本太平洋側では平年並だった。
日照時間:東・西日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美でかなり多く、北・東日本日本海側と北日本太平洋側で多かった。


季節TRS分布図 旬別RS経過図
3か月平均気温平年偏差、3か月降水量平年比、3か月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

各月の経過


9月:平年に比べ偏西風が北に偏って流れ、太平洋高気圧が日本の東からはるか東にかけて強かったため、月を通して全国的に暖かい空気に覆われやすく、中旬を中心に南から暖かい空気が流れ込みやすかった。また、近海の海面水温が記録的に高かった。これらの影響で、月平均気温は全国的にかなり高かった。月平均気温偏差は、東日本で+3.1℃、西日本で+2.3℃となり、1946年の統計開始以降、9月として東・西日本では1位の記録的な高温となった。北日本は、上・中旬を中心に前線や低気圧の影響を受けやすかった。また、上旬には台風第13号から変わった熱帯低気圧や湿った空気の影響を受け、北日本太平洋側では記録的な大雨となった所もあった。このため、月降水量は北日本日本海側と北日本太平洋側で多かった。東・西日本では、太平洋側を中心に前線や低気圧の影響を受けにくかった。このため、月降水量は東日本太平洋側で少なく、西日本太平洋側ではかなり少なかった。また、月間日照時間は東・西日本太平洋側で多かった。一方、上旬には台風第13号と湿った空気の影響で、東日本太平洋側で記録的な大雨となった所もあった。また、西日本では、暖かく湿った空気の流入などに伴い大気の状態が不安定となり、線状降水帯が発生して大雨となった所もあった。沖縄・奄美では、上旬には台風第11号や湿った空気の影響を受けたが、中旬を中心に太平洋高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、月降水量が少なく、月間日照時間が多かった。


10月:天気は周期的に変化し、全国的に高気圧に覆われ晴れた所が多かったため、月間日照時間は全国的に多く、特に北・西日本日本海側と北・東・西日本太平洋側でかなり多かった。月降水量は低気圧の影響を受けにくかった西日本日本海側でかなり少なく、西日本太平洋側で少なかった。一方、北・東日本日本海側を中心に、一時的に低気圧や低気圧通過後の寒気の影響を受けやすかったため、月降水量は北日本日本海側でかなり多く、東日本日本海側で多かった。北・東日本を中心に6日は大荒れとなったほか、20日頃や27日から28日にかけて大雨となった所があった。また、8日から9日にかけてと15日には本州南岸を通過した低気圧の影響で東・西日本で大雨となった所があった。日本付近は、低気圧通過後に寒気が流れ込み、東・西日本を中心に気温が平年を下回った時期もあった。一方、全国的に日本近海の海面水温が顕著に高かった影響を受け、北日本では寒気の影響も一時的で月平均気温はかなり高かった。沖縄・奄美では、台風第14号や前線の影響で上旬に曇りや雨の日があったが、その後は晴れた日が多く、月降水量はかなり少なかった。また、上旬を中心に前線の南側になり、台風第14号周辺から流れ込む暖かい空気に覆われ気温は平年よりかなり高かったため、月平均気温は高かった。


11月:本州付近の天気は周期的に変わりやすかったが、日本海から日本の北を前線を伴った低気圧が通過しやすく、西高東低の気圧配置となって寒気の影響を受けた時期もあったため、北日本を中心にまとまった雨となり、北・東日本日本海側を中心に雪となった日もあった。このため、月降水量は北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側と東日本日本海側で多かった。一方、東・西日本付近では移動性高気圧に覆われやすかったため、月間日照時間は西日本太平洋側でかなり多く、東・西日本日本海側と東日本太平洋側で多かった。沖縄・奄美では、中国大陸から張り出した高気圧に覆われやすく、低気圧や前線の影響を受けにくかったため、月降水量はかなり少なく、月間日照時間はかなり多かった。大陸からの寒気の影響を受けにくく、低気圧や前線に向かって暖かい空気が流れ込んだ時期もあったため、月平均気温は北日本でかなり高く、東・西日本で高かった。

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