日本の季節の天候 ------------------ 対象期間:

概況 | 各月の経過
令和3年12月15日 作成

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図


2021年秋の天候の特徴をまとめると、

*秋の平均気温は北・西日本で高かった
 北日本では、11月を中心に寒気の影響が弱く、加えて低気圧の前面で南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、気温が高くなった。また、西日本では、9月から10月にかけて高気圧に覆われて晴れた日が多かったことなどから、気温が高くなった。

*秋の降水量は北日本日本海側で多く、東日本太平洋側、西日本と沖縄・奄美で少なかった
 北日本日本海側では、10月から11月にかけて低気圧や前線の影響を受けやすかったため降水量が多くなった。一方、秋雨前線や台風の影響が小さかった東日本太平洋側、西日本と沖縄・奄美では降水量が少なかった。

*秋の日照時間は全国的に多く、北日本日本海側、東日本と沖縄・奄美ではかなり多かった
 日照時間は全国的に多く、9月に高気圧に覆われやすかった北日本日本海側、10月から11月にかけて覆われやすかった東日本、9月から10月にかけて覆われやすかった沖縄・奄美でかなり多かった。

 秋の前半は、秋雨前線の活動が弱く台風の影響も小さく、東・西日本を中心に高気圧に覆われて晴れの日が多かった。一方、秋の後半は大陸の寒気が西回りで沖縄・奄美に入りやすい一方、北日本は寒気の影響を受けにくく、また、偏西風から切り離されて動きの遅い低気圧の影響を受けやすかった。
 9月は、北日本では月を通して高気圧に覆われやすく晴れた日が多かったため、月間日照時間が多く、特に日本海側では記録的に多かった。一方、東・西日本では月半ばまでは前線の影響を受けて曇りや雨の日が多かったが、その後は高気圧に覆われて晴れた日が多かった。沖縄・奄美は月を通して高気圧に覆われやすく晴れた日が多かった。10月は、北日本は低気圧や前線の影響を受けやすかったために曇りや雨の日が多く、月降水量は日本海側でかなり多かった。一方、東・西日本では高気圧に覆われて晴れた日が多く、月降水量は西日本日本海側でかなり少なく、月間日照時間は西日本太平洋側でかなり多くなった。沖縄・奄美では上旬を中心に高気圧に覆われる日が多かった。また、気温は、月の前半は全国的に平年を大きく上回る日が多かったが、後半は強い寒気が流れ込んだ影響で全国的に低温となり、気温の変化が大きかった。11月は、北日本は寒気の影響が弱く、加えて動きの遅い低気圧の前面で南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、気温がかなり高くなるとともに、月降水量が多くなった。また、寒気の影響が弱かったため日本海側では月間日照時間が多かった。東・西日本は、中旬に帯状の高気圧に覆われて晴れた日が多く、東日本では月間日照時間がかなり多く、西日本で多かった。一方、沖縄・奄美では大陸からの寒気の影響を受けやすく、気温が低かった。


平均気温:北・西日本で高かった。
降水量:北日本日本海側で多かった。一方、東日本太平洋側、西日本と沖縄・奄美で少なかった。
日照時間:北日本日本海側、東日本と沖縄・奄美でかなり多く、北日本太平洋側と西日本で多かった。


季節TRS分布図 旬別RS経過図
3か月平均気温平年偏差、3か月降水量平年比、3か月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

各月の経過


9月:北日本では、月を通して高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。このため、月間日照時間は北日本日本海側でかなり多く、北日本太平洋側で多かった。北日本日本海側の月間日照時間は平年比130%で、9 月として1946 年の統計開始以降1 位の多照となった。また、月降水量は北日本で少なかった。一方、東・西日本では、中旬の中頃にかけては前線の影響を受けやすく、17日から18 日にかけて通過した台風第14 号の影響も受けて、曇りや雨の日が多かったため、月間日照時間は東日本太平洋側と西日本で少なかった。その後は、高気圧と低気圧が交互に通過して、天気は数日の周期で変化したが、高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。気温は、北・東日本では上旬を中心にオホーツク海高気圧からの冷たい空気の影響を受けて低くなったが、下旬を中心に暖かい空気が流れ込んで高くなった時期があり、月平均気温は平年並だった。西日本では下旬を中心に暖かい空気に覆われやすく、月平均気温は高かった。沖縄・奄美では、11 日から13 日にかけて台風第14 号が通過した影響で大雨や大荒れとなった所があったほかは、高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、月平均気温はかなり高く、月間日照時間はかなり多かった。

月平均気温は、北・東日本で平年並の一方、西日本では高く、沖縄・奄美ではかなり高かった。

月降水量は、北日本で少なく、東・西日本と沖縄・奄美では平年並だった。

月間日照時間は、北日本日本海側と沖縄・奄美でかなり多く、北日本太平洋側では多かった。一方、東日本太平洋側と西日本では少なかった。東日本日本海側は平年並だった。


10月:北日本では天気は数日の周期で変化したが、低気圧や前線の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多かった。このため、月降水量は北日本日本海側でかなり多かった。月間日照時間は北日本太平洋側で少なかった。東・西日本では高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。このため、月降水量は西日本日本海側でかなり少なく、東・西日本太平洋側で少なかった。月間日照時間は西日本太平洋側でかなり多く、東日本と西日本日本海側で多かった。沖縄・奄美では上旬は高気圧に覆われる日が多く、中旬前半には台風第18 号に伴う湿った気流の影響で、月の後半は大陸から寒気が流れ込みやすく曇りや雨の日があったものの、月間日照時間は多かった。気温は、月の前半は暖かい空気が流れ込みやすく、また東・西日本と沖縄・奄美では高気圧に覆われて晴れた日が多く、全国的に平年を大きく上回る日が多かった。月の後半はこの時期としては強い寒気が流れ込んだ影響で全国的に低温となり、気温の変化が大きかった。

月平均気温は、北日本で平年並だった。東・西日本と沖縄・奄美では高かった。

月降水量は、北日本日本海側でかなり多かった。一方、西日本日本海側でかなり少なく、東・西日本太平洋側で少なかった。北日本太平洋側、東日本日本海側、沖縄・奄美では平年並だった。

月間日照時間は、北日本太平洋側で少なかった。一方、西日本太平洋側でかなり多く、東日本、西日本日本海側と沖縄・奄美では多かった。北日本日本海側では平年並だった。


11月:偏西風が平年に比べて日本の西で南に蛇行して流れ、北日本では弱かったため、大陸の寒気が西回りで沖縄・奄美に入りやすかった一方、北日本への寒気の流入は弱かった。また、偏西風から切り離されて動きの遅い低気圧が繰り返し日本海北部を通過した。このため、寒気の影響が弱いことに加え、低気圧の前面で南から暖かい空気が流れ込みやすかった北日本では気温がかなり高くなった。また、低気圧の影響を受けた北日本と東日本日本海側で降水量が多くなった。月末に大雨となった西日本太平洋側でも多かった。一方、大陸からの寒気の影響を受けやすかった沖縄・奄美では気温が低くなった。また、中旬を中心に高気圧に覆われやすかった東・西日本では晴れた日が多く、日照時間は東日本でかなり多く、西日本では多かった。寒気の影響が弱かった北日本日本海側も日照時間が多かった。

月平均気温は、北日本でかなり高かった。一方、沖縄・奄美で低かった。東・西日本では平年並だった。

月降水量は、北日本、東日本日本海側と西日本太平洋側で多かった。東日本太平洋側、西日本日本海側と沖縄・奄美では平年並だった。

月間日照時間は、東日本でかなり多く、北日本日本海側と西日本で多かった。北日本太平洋側と沖縄・奄美では平年並だった。

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