日本の季節の天候 ------------------ 対象期間:

概況 | 各月の経過

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図


2020年春の天候の特徴をまとめると、

*春の気温は、北日本でかなり高く、東・西日本で高かった
 4月は、大陸からの寒気の影響を受けやすく全国的に低かったが、3月と5月は、南からの暖かい空気が流れ込みやすかったため、春の気温は北日本でかなり高く、東・西日本で高かった。
*春の日照時間は、東日本太平洋側と西日本でかなり多かった
 3月から4月にかけて、西日本を中心に移動性高気圧に覆われる日が多かったことから、春の日照時間は、東日本太平洋側と西日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。
*春の降水量は、北日本と沖縄・奄美で多かった。
 北日本では、発達しながら通過した低気圧や前線、湿った空気の影響を受けやすかったため、春の降水量は多かった。また、沖縄・奄美では、3月と5月に前線や暖かく湿った空気の影響を受けやく、春の降水量は多かったが、湿った空気の影響を受けにくかった4月の降水量はかなり少なかった。

 本州付近を低気圧や前線、高気圧が交互に通過したため、全国的に天気は数日の周期で変わったが、3月から4月にかけて、西日本を中心に移動性高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、春の日照時間は東日本太平洋側と西日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。一方、北・東・西日本では、低気圧や前線、湿った空気の影響で大雨や大荒れの天気となった日があった。特に北日本では、3月と4月に、発達しながら通過した低気圧や前線、湿った空気の影響を時々受けたため、春の降水量は多かった。
 気温は、3月に冬型の気圧配置が現れにくく、また、南からの暖かい空気が流れ込みやすかったため、北日本で記録的な高温となるなど全国的に高かった。5月も、南からの暖かい空気に覆われやすく、東・西日本を中心に全国的に高かった。このため、春の気温は、北日本でかなり高く、東・西日本で高かった。その一方で、4月は、大陸からの寒気の影響を受けやすかったため、西日本と沖縄・奄美を中心に全国的に低く、月ごとの変動が大きかった。
 沖縄・奄美では、3月と5月に前線や湿った空気の影響を受けやすかったため、春の降水量は多かったが、湿った空気の影響を受けにくかった4月の降水量はかなり少なく、変動が大きかった。


平均気温:北日本でかなり高く、東・西日本で高かった。沖縄・奄美では平年並だった。
降水量:北日本と沖縄・奄美で多かった。東・西日本では平年並だった。
日照時間:東日本太平洋側と西日本でかなり多く、東日本日本海側で多かった。北日本と沖縄・奄美では平年並だった。


季節TRS分布図 旬別RS経過図
3か月平均気温平年偏差、3か月降水量平年比、3か月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

各月の経過


3月: 高気圧と低気圧が日本付近を交互に通過し、全国的に天気は数日の周期で変化した。低気圧は日本海から北日本付近や本州南岸を通過しやすく、北日本と東日本太平洋側、西日本日本海側、沖縄・奄美では、低気圧や前線、南からの湿った空気の影響で月降水量が多く、北日本太平洋側ではかなり多くなった。特に日本海から北日本付近にかけては、たびたび低気圧が発達しながら通過し、北日本を中心に大雨や暴風、高波となった日もあった。一方、全国的に上旬は低気圧の影響を受けやすかったが、中旬以降は大陸から移動してきた高気圧に覆われて晴れた日が多かったため、月間日照時間は北・西日本と東日本日本海側では多かった。気温は、中旬に大陸から寒気が流れ込んで、沖縄・奄美を中心に平年を下回る時期もあった。また、29日は南岸低気圧の影響で東日本を中心に寒気が流れ込み、大雪となった所があった。全体としては、冬型の気圧配置は現れにくく、南から暖かい空気が流れ込みやすかったため、気温は全国的に高く、北・東・西日本ではかなり高くなった。特に北日本では、月平均気温平年差が+2.5℃となり、3月としては1946年以降で1位の高温となった。


4月: 高気圧と低気圧が日本付近を交互に通過し、全国的に天気は数日の周期で変わった。上旬は北日本付近、中旬は本州付近を低気圧が発達しながらたびたび通過したため、北・東・西日本では大荒れの天気となり、まとまった雨や雪となった所もあった。また、上空の寒気の影響で下旬を中心に大気の状態が不安定となり、関東甲信地方を中心に雷雨となった所もあった。このため、北・東日本の降水量は多かった。一方、沖縄・奄美では湿った空気の影響を受けにくかったため、降水量はかなり少なかった。東日本太平洋側と西日本は移動性高気圧に覆われる日が多かったため、日照時間はかなり多かった。気温は、大陸からの寒気の影響を受けやすかったため、全国的に低く、特に西日本と沖縄・奄美では、それぞれ平年差-1.2℃、-1.5℃となり、4月の気温としては2011年以来9年ぶりにかなり低くなった。


5月: 北・東・西日本では、月の前半は、低気圧と高気圧が交互に通過し、天気は数日の周期で変わったが、低気圧は日本海から北海道付近を通過しやすかった。後半は、オホーツク海高気圧が発生し、北日本太平洋側を中心に冷たく湿った気流の影響を受けた時期があった。また、低気圧や前線の影響で九州南部で日降水量が200mmを超えた所があるなど、西日本から東日本太平洋側にかけて大雨となった所もあったが、東日本を中心に高気圧に覆われ晴れる日が多かった。月降水量は、南からの湿った空気の影響を受けにくかった東日本日本海側でかなり少なく、北・東日本太平洋側で少なかった。月間日照時間は、高気圧に覆われやすかった東日本太平洋側で多かった。気温は、オホーツク海高気圧の影響を受けた時期があったものの、月を通して見ると南からの暖かい空気に覆われやすかったため全国的に高く、晴れやすい時期のあった北・東・西日本ではかなり高かった。沖縄・奄美では、月を通して、前線や南からの暖かく湿った空気の影響を受けやすく、曇りや雨の日が多く、大雨となった所もあったため、月降水量はかなり多く、月間日照時間は少なかった。

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