日本の季節の天候 ------------------ 対象期間:

概況 | 各月の経過

概況

地域平均気温経過図

地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図


2019年春の天候の特徴をまとめると、

*春の日照時間は、北・東・西日本でかなり多く、春の降水量は北・西日本で少なかった
 北・東・西日本では、期間を通して高気圧に覆われる日が多く、春の日照時間はかなり多かった。北・東・西日本日本海側と北日本太平洋側では、1946年の統計開始以来、春の日照時間として最も多かった(西日本日本海側は1位タイ)。また、春の降水量は北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側と西日本で少なかった。
*春の気温は、北・西日本と沖縄・奄美でかなり高く、東日本で高かった
 全国的に、高気圧に覆われて晴れて強い日射の影響を受けたことや、暖かい空気が流れ込みやすかったため、春の平均気温は北・西日本と沖縄・奄美でかなり高く、東日本で高かった。
*沖縄・奄美では、春の降水量が多かった
 沖縄・奄美は、期間を通して前線や湿った空気の影響を受けやすく、春の降水量は多かった。

 北日本から西日本にかけては、天気は数日の周期で変わったが、低気圧は日本の北と日本の南海上を通りやすく、高気圧に覆われて晴れた日が多かった。このため、春の日照時間はかなり多く、北・東・西日本日本海側と北日本太平洋側では、それぞれ平年比127%、123%、118%、124%と1946年の統計開始以来、春の日照時間として最も多かった(西日本日本海側は1位タイ)。春の降水量は、北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側と西日本では少なかった。東日本は、低気圧や前線の影響を受けやすい時期があり、春の降水量は平年並だった。
 また、日本の北の低気圧に向かって暖かい空気が入りやすかったことや、高気圧に覆われて晴れて強い日射の影響で、春の気温は北・西日本でかなり高く、東日本で高かった。特に5月下旬は、日本の東と南で高気圧の勢力が強く、沿海州からサハリン付近の低気圧に向かって暖かい空気が入りやすかったため、北・東日本を中心に記録的な高温となった地点が多かった。
 沖縄・奄美では、期間を通して前線や暖かく湿った空気の影響を受けやすかったため、春の降水量は多く、春の気温はかなり高かった。


平均気温:北・西日本と沖縄・奄美でかなり高く、東日本では高かった。
降水量:北日本日本海側でかなり少なく、北日本太平洋側と西日本で少なかった。一方、沖縄・奄美では多く、東日本では平年並だった。
日照時間:北・東・西日本でかなり多く、沖縄・奄美では平年並だった。


季節TRS分布図 旬別RS経過図
3か月平均気温平年偏差、3か月降水量平年比、3か月間日照時間平年比の分布図 地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図

各月の経過


3月: 北日本から西日本にかけては、数日の周期で高気圧と低気圧が交互に通過したが、低気圧は発達することが少なかったため、北日本と東日本太平洋側では月降水量が少なかった。また、北日本では上旬を中心に、東・西日本では中旬を中心に高気圧に覆われやすく、月間日照時間は北日本日本海側と東日本太平洋側を除いて多かった。沖縄・奄美では、上旬は暖かく湿った空気の影響で大雨となった日があり、月降水量は多かったが、中旬以降は高気圧に覆われて晴れた日が多く、月間日照時間は多かった。中旬と下旬は寒気の南下した時期があったが、全国的に暖かい空気に覆われることが多かったため、月平均気温は全国的に高く、東・西日本でかなり高くなった。


4月: 高気圧と低気圧が交互に通過し、天気は数日の周期で変わった。北日本から西日本では高気圧に覆われて晴れの日が多かったが、東・西日本では、下旬は低気圧や湿った空気の影響で、曇りや雨の日が多かった。4月の前半と終わり頃には寒気の影響を受けたため、東日本では月平均気温が低くなったが、南から暖かい空気が流れ込んだ時期もあったことから、気温の変動が大きかった。沖縄・奄美では、南からの暖かく湿った空気が入りやすかったため、月平均気温は高く、月降水量は多かった。


5月: 北日本から西日本にかけては、天気は数日の周期で変わったが、高気圧に覆われやすく、晴れた日が多かった。このため、北・東・西日本の月間日照時間はかなり多く、月降水量は少ない地方が多かった。北・東・西日本日本海側と北日本太平洋側の月間日照時間は、それぞれ平年比146%、156%、135%、145%と、1946年の統計開始以来5月として1位の多照となった(西日本日本海側は1位タイ)。また、西日本日本海側では、月降水量が平年比35%となり、1946年の統計開始以来5月として1位の少雨となった。低気圧は沿海州からサハリン付近を通ることが多く、日本の東で高気圧が強かったため、北日本から西日本にかけては暖かい空気が入りやすかった。

 また、高気圧に覆われて晴れて強い日射の影響も加わり、気温はかなり高かった。北日本の月平均気温は、平年差が+2.7℃となり、1946年の統計開始以来5月として1位の高温となった。地点でみると、26日に佐呂間(北海道)で日最高気温が39.5℃となり、5月として歴代全国1位を更新するなど、全国の観測点926地点のうち、36地点で通年の日最高気温高い方から1 位の値を記録した。また、下旬は全国の観測地点のうち、半数以上の492地点で5月の日最高気温高い方から1 位の値を記録(タイを含む)するなど、北・東日本を中心に記録的な高温となった地点が多かった。

 沖縄・奄美では、前線や湿った空気の影響を受けやすく、平年と同様に曇りや雨の日が多かった。気温は、月平均では平年並だったが、上旬は前線の北側の冷たい空気の影響で平年を下回る日が多く、中旬は暖かく湿った空気が入りやすかったため平年を上回った。

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