日本の季節の天候 ------------------ 対象期間:
地域平均気温平年偏差の5日移動平均時系列図
2017年春の天候の特徴をまとめると、
*北・東・西日本で降水量が少なく、日照時間が多かった
日本の北と日本の南海上を低気圧が通りやすく、本州付近では高気圧に覆われて晴れる日が多くなった。このため、春の降水量は北・東日本日本海側でかなり少なく、春の日照時間は東日本と西日本日本海側でかなり多かった。
*北・東・西日本で気温が高かった
本州付近では南から暖かい空気が流れ込みやすく、高気圧に覆われて晴れる日が多かったため、春の平均気温は北・東・西日本で高かった。
日本の北と日本の南海上を低気圧が通りやすく、本州付近では大陸からの高気圧に覆われて晴れる日が多かった。このため、北日本から西日本にかけて春の降水量が少なく、日照時間は多くなった。特に、北・東日本日本海側では春の降水量がかなり少なく、東日本と西日本日本海側で春の日照時間がかなり多くなった。一方で、西日本太平洋側では、4月と5月は南から湿った気流が入りやすい時期があり、大雨となった日があった。
日本の南では高気圧が強く、本州付近では日本の北の低気圧に向かって南から暖かい空気が流れ込みやすかった。また、高気圧に覆われて晴れて気温が上がった日が多かったため、春の平均気温は北・東・西日本で高くなったが、西日本や沖縄・奄美では3月に大陸からの冷たい空気が流れ込んだため、気温の低い時期があった。
沖縄・奄美では、低気圧や前線の影響で平年と同様に曇りや雨の日が多くなった。3月上旬や4月下旬には低気圧や前線の影響で大雨となった所があった。
平均気温:北・東・西日本で高かった。沖縄・奄美では平年並だった。
降水量:北・東日本日本海側ではかなり少なく、北・東日本太平洋側と西日本で少なかった。沖縄・奄美では平年並だった。
日照時間:東日本と西日本日本海側でかなり多く、北日本と西日本太平洋側で多かった。沖縄・奄美では平年並だった。
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3か月平均気温平年偏差、3か月降水量平年比、3か月間日照時間平年比の分布図 |
地域平均旬降水量平年比、旬間日照時間平年比の経過図 |
3月: 北日本から西日本にかけては、低気圧と高気圧が交互に通過し、天気は数日の周期で変わったが、大陸からの高気圧に覆われる日が多く、低気圧の影響は小さかった。このため、月間日照時間は、北・東・西日本で多かった。また、月降水量は、東日本日本海側と西日本でかなり少なく、北日本と東日本太平洋側で少なかった。一方、沖縄・奄美では低気圧や前線の影響で、平年と同様に曇りや雨の日が多く、10日は八重山地方で大雨となった。
また、西日本や沖縄・奄美では、大陸からの冷たい空気がたびたび流れ込んだため、気温の低くなる時期が多く、西日本では2011年以来6年ぶりに月平均気温が低くなった。一方、北日本では上旬を中心に北からの寒気の影響が弱く、月平均気温は高かった。
4月: 日本付近を低気圧と高気圧が交互に通過し、天気は数日の周期で変わった。北・東日本太平洋側、西日本、沖縄・奄美では高気圧に覆われやすく月間日照時間が多かったが、南から湿った空気が流れ込みやすかった西日本で月降水量が多くなった。中旬には低気圧が発達しながら通過し、本州付近で暴風や大雨となった所があった。下旬には低気圧や前線の影響で、沖縄・奄美で大雨となった所があった。
北・西日本では南から暖かい空気が流れ込みやすかった影響で月平均気温が高かったが、低気圧の通過後に一時的に北からの寒気が入るなど、気温の高い時期と低い時期があって全国的に気温の変動が大きかった。
5月: 本州付近は高気圧に覆われて晴れる日が多かった。また、日本の北を通った低気圧に向かって暖かい空気が流れ込みやすかったため、北・東・西日本では月平均気温がかなり高くなった。
低気圧は日本の北と南海上を通過することが多く、本州付近は低気圧の影響を受けにくかった。このため、北・東・西日本では月降水量が少ない一方、月間日照時間は多くなった。特に、東日本と西日本日本海側では月降水量がかなり少なく、東日本日本海側と西日本では月間日照時間がかなり多かった。月降水量の平年比は東海地方で49%、中国地方で30%で、それぞれ1946年の統計開始以来5月として最も少なかった。
沖縄・奄美では、前線や湿った気流の影響を受けやすく、平年と同様に曇りや雨の日が多かった。奄美地方と沖縄地方では13日ごろ(速報値)に梅雨入りし、奄美地方は平年並で、沖縄地方では平年より遅かった。
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